◉PSA検査(正常値0~4ng/mL)を早めに!前立腺癌は早期発見で根治可能です。私はPSA値310でした。グリソンスコア8、前立腺癌、リンパ節と骨に転移し、ステージⅣ(5年生存率30~50%)、根治はなくなり共生の道を探っています。
第22話:現実視 余命を知り、それでも学び続ける決意
ホルモン注射が効いているのだろう。背中の激痛がなくなり、以前のような痛みのない生活が戻ってきた。まるで自分が癌患者ではないかのように、普通の日常を過ごせている。
しかし、現実は厳しい。私はステージ4であり、余命の告知を受けた身だ。癌は確実に進行している。
やがてホルモン注射が効かなくなれば、CRPC(去勢抵抗性前立腺癌)になる。これは、ホルモン療法で男性ホルモンを抑えていても、前立腺癌が進行してしまう状態だ。
転移のあるCRPCの余命は1年半から3年、転移のない場合でも2年から2年半で転移が現れるという。その後は、ドセタキセル、カバジタキセルといった抗がん剤治療へと進み、やがて人生の終盤を迎える。
数年後の自分を考えるたびに、思考は固まる。それでも、立ち止まらぬよう、心をほぐしながら懸命に前を向こうとしている。
そんな中、ふと目にしたのが、ここ数年応募を続けてきた『名文コンクール(一言の願い)』の記事だった。
老若男女の切実な想いや、日々の暮らしの中で抱く願いを共有する場。2万人の中から選ばれた1人に100万円が授与される。選考委員には、五木寛之、村山由佳、齋藤孝という名が並ぶ。
「今年も応募してみよう。来年もまた応募できるように生きたい。」
そう思い、私は次の願いを綴った。
『一言の願い』
突然の激痛。前立腺癌ステージⅣと告げられた。悔いはないと思えたが、残された時間で学び直したい自分がいた。最新の図鑑を買い、孫と自然や宇宙を学びたい。『学ぶ楽しさ』を伝え、科学好きな孫の夢が叶うことを心から願う。
書籍「自分を鍛える(ジョン・トッド)」に私淑をしながら。
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