序 章
『創造するのは、行動なのである。』
これは、アランの「幸福論」に
記されている言葉です。
私は、営業という行為も創造のもとに
成り立つ事業だと知りました。
『問題解決』による『価値の創造』です。
営業の本質は大事にしながら、時代の進化
と共に変えるべきものは変えていく。
このことを心情として、マーケティングと
営業の仕組み作り、そして、セミナーと
研修を事業の軸にしてきました。
私は、お客様から求められて、
「研修」という商品を安定して、
販売できる仕組みを構築したい!
その思いで努力を重ねてきました。
安定した成果を出し、喜ばれ、そして、
紹介を得られる『営業』の仕組みです。
『来店、成約に心が動くweb集客』と
いう形で実現し、現在もその進化は、
進行中です。
『営業』の真の姿は、「心が動くこと」
だと、強く感じています。
本日も研修先工務店の経営者から報告が
ありました。
「嬉しい報告です。今週末の来店申込が
ありました。」
今一緒に取り組んでいるWeb集客の
仕組みで問い合わせがあり、今週末の
来店が決まったという報告でした。
喜んで頂き、とても嬉しいです。
そして、私の考案したWeb集客によっ
て、お客様と研修先工務店のご縁が
結ばれたことを嬉しく思います。
こうした経緯の中、これまで取り組んで
きた試行錯誤の体験を「物語」として形
にしたいという思いに至りました。
では、『営業物語』(始動編)を記憶を
たよりに少しづつ紡いでまいりたいと
思います。
40歳を迎える前年の年の暮れ。
しんしんと雪が舞い始めた夕刻の会議室。
その当時のことは、今でも記憶の奥に
しっかりと留めおいています。
天職と信じて勤めてきたシステム開発の
プロジェクトマネージャーから、工務店
を顧客とする営業職への異動辞令。
「意に沿わぬ思い」が湧きたち、
ただただ目の前の現実と対峙して
いた記憶があります。
「負の遺産(記憶)」です。
営業は、ペコペコ頭を下げていなければ
ならない、とても受け入れることなど、
できない。自分の性には合わない。
(後にその考えは大きな誤りであった
ことに気づきます。)
堂々と自分に正直に生きて行ける仕事を
したい、故に技術職を選んだ経緯があり
ました。
それまで営業は、全くの未経験。
どう進めて良いか分からず、
とても苦しんだ時期でした。
それは「アナログ営業」として始まり、
その20年後に「心が動くWeb営業」に
進化を遂げることになるなど、当時は
全く予期できませんでした。
さらに、今では企画/営業という職に誇り
を持ち、経営という責務を担う為の大きな
支えとなっています。
きっかけは、一人の営業マンの姿でした。
お客様にお礼を言いながら、見事、かつ
的確な角度で、お辞儀をしながら見せた
とても「素敵な笑顔」です。
自信に満ちて堂々とした
「プロの粋な姿」でした。
顧客の悩みを解決し、価値を生み出す
「問題解決型営業」の姿。
営業職とは、専門性と人間性を備えた
総合職である。
営業職は、挑戦する価値のある仕事だと、
今では感じています。
そして、これまで経験できた仕事と
関係を持てた人たちが、とても尊い
ものであると感じています。
では、営業が始動したときを始点に、
記憶を辿っていきたいと思います。
嘘でいいから成功物語を作れ
『嘘でいいから、工務店が自社の商品を
使った消費者セミナーを開催して契約が
とれた成功物語を作って売れ!』
この上司から当たり前のように業務命令
として言われたその言葉は、決して忘れ
ることはありません。
私は、即時却下をしました!
”嘘”を語るなどありえない!
この思いは、今でも変わることは
ありません。
では、どうしたのか?
過去の契約先工務店に相談をし、無償で
私が消費者セミナーと個別相談を行う
環境を整えました。
そして、嘘なく、真実として、
「成功事例」を作ることができました。
この「成功事例」をもとに、工務店に
営業をかけていけばよいと考えました。
しかし、新たな問題が生じてきました。
新規の見込客(工務店)の集め方が
わからないのです。
当時は、SNS等のWeb集客の手段は
ありません。あくまでもアナログの
集客方法を探るしかなかったのです。
なかなか良い方法が見つからないまま
悩む日々を送っていました。
そんなときに、ある方から1つの助言を
頂きました。
飛び込み営業から始める
『営業をするのであれば、最低でも
300件の飛び込み営業をする必要が
ある。』
これは、当時電算業界の会合の懇親会で、
協力関係にある企業の経営者から言われた
助言です。
「300件」の飛び込み営業。
とても大きなハードルです。
「いきなり工務店を訪問して、
契約などとれるわけがない。」
そもそも訪問の仕方がわからず、しかも、
成約までのイメージが、全く湧かない。
(困った、、、!)
当時は、本当に困って途方に暮れていたの
をよく覚えています。
しかし、そんな思いの中、これまで自分を
動かして来た「信条」が、ここでも重い
身体を動かしてくれました。
私の信条は、こうです。
「目の前に突然険しい山が表れたら、
引き返えしはしない、迂回もしない、
ただ突き進む!」
「飛び込み営業」についての研究が
始まりました。
やがて知ることになる「飛び込み営業」の
本来の目的など知ることもなく、真っすぐ
成約への道を探し始めたのです。
「社長」に会えない!
飛び込み営業300件をやりきりました。
しかし、契約できたのは、5件。
たったの「5件」です。
実に、効率の悪い営業です。
飛び込み営業をしてみて、初めてわかった
ことがあります。それは、実際に行動して
みなければわからないことです。
「工務店の社長は、会社にいない。」
では、どこに行っているのか?
これは、実際に確認してみなければ
わかりません。
私は、プロジェクトマネージャー時代に
磨いた技術がありました。
それは、問題を発見し、解決する技術、
さらに人を動かして「事」を捌く技術
です。4つのプロセスに従って進める
「合理的思考」の技術です。
早速、1つ目のプロセス「現状把握」
を始めました。
そして、工務店経営者の行き先が、
わかってきました。
それは、工事現場や会合等々です。
その中で、とても重要なことがわかって
きました。
それは、加盟をしているFCの総会、
ブロック会、東京での各種セミナーです。
「そこに行けば社長に会える」という考え
に至りました。
工務店新聞に載っていたFC本部80社に
業務提携の電話をしました。
FCの会合で工務店経営者にセミナー
を行い、研修の申込をもらうのが
狙いです。
電話で業務提携をするための面談アポを
とる方法について、本を見ながら独学で
研究しました。
結果、FC本部8社(1割)と提携する
ことできました。
セミナーで契約できない
FCの会合で、工務店経営者に1~2時間
のセミナーができるようになりました。
これで集客の問題が解決しましたが、
また、新たな問題が生じてきます。
セミナーで話をしても、研修の申込に
繋がることはなかったのです。
しかし、他のコンサルタントは、
しっかりと契約をとっていました。
そこで、セミナーで契約を取る方法
についての研究を始めました。
セミナーで契約を取るには、原稿と
話し方を工夫する必要があることが
わかってきました。
原稿は、以下の項目で構成しました。
❶悩み、望ましい未来の姿
❷解決策
❸効果
❹根拠
❺実現方法の一部
❻実績
話す際には、以下の3つを意識しました。
❶伏線
❷効能
❸誠実
こうしてFCのセミナーにおいて、研修の
契約が取れるようになりました。
徐々に建設業界で、1コンサル人として
知られるようになり、セミナーの要請を
受けるようになりました。
音楽バンド型セミナーを主催
FC本部やCADメーカー等々からセミナー
講師のオファーを頂き、他講師と共に全国
7ケ所でセミナーを行うことができるよう
になりました。
自社開発のシミュレーションソフトを活用
した営業研修をセミナーをすることで工務
店経営者に販売する活動が続きました。
売り上げは、順調に上がっていきました。
しかし、ある疑問を感じ、悩むように
なってきたのです。
その悩みは、セミナーの構成です。
4部構成で全くテーマの繋がりのない、
単発の講座をそれぞれの講師が担当し、
それぞれに商品を売る。
受講している工務店経営者は、どんな
思いで聞いているのだろうか?
貴重な時間を調整してセミナーに参加
してもらっているのに、本当に価値の
ある講座になっているのか?
一人で悶々と悩み続けました。
そして、1つの結論に達しました。
それは、新しいセミナーの構成を考案し、
毎月東京で開催(主催)することでした。
その構成と言うのは、ボーカル、ギター、
ベース、ドラムスという異なる楽器を持ち
演奏する音楽バンドのイメージです。
プレマ、集客、クロージング、アフターの
専門講師でセミナーを構成しました。
私がそれまで知り合った多くの講師陣の中
から、最も信頼する「味」のある3名に
協力をお願いしました。
私を含めてた4人のメンバーで、
「東京トレンドセミナー」を
スタートしました。
受講された工務店経営者は、住宅営業に
関する一連の流れを学ぶことができます。
そして、不足している箇所を強化する為に
自分に相応しい講師の指導を受けることが
できるというものです。
こうして営業の仕組みができて、順調に
進んで行きました。
毎月東京でセミナーを開催し、全国から
工務店経営者に集まってもらい、研修の
申し込みをもらい、研修は現地へ行く。
その結果、200社以上の工務店に研修を
実施し、北海道から沖縄まで全国47
都道府県を旅することになりました。
突然訪れた営業環境の変化
安定して研修の契約がとれるようになると
仕事に自信を持てるようになりました。
そして、講師陣、工務店の人々等、多くの
人たちと知り合いになれて、とても楽しい
時を過ごせるようになりました。
このままこの順調な日々が続いていくと
なんの疑いもなく、忙しい毎日を過ごし
ていました。
しかし、そこに『コロナ』が、
突然やってきたのです。
セミナーの開催ができない、、、
これまで苦労をして作ってきた集客と収益
の仕組みが壊れていく、、、
突然の苦境に困り果てました。
どうこの窮地を脱すれば良いのか?
続きは、「営業物語Ⅱ」(復活編)へ。
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