「人生を考える」ことの意味とは?『人生論』

書評

仕事と人生に対する意欲を更に増すため
に、ぜひ取り組んでみてほしいのが、
「人生を考える時間」を持つことです。

これまで歩んできた人生、そして
これから向かおうとしている人生。

仕事に追われ多忙な日々故に、
敢えて、この人生について考えてみたい、
より力強く前に進むために!

そんな思いの中から手にした
一冊の本があります。

レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ
『人生論』です。

戦争と平和、アンナ・カレーニナ、復活を
読み終えた時の印象とは異なり、私の中で
は論文として位置づけています。

トルストイは人間の生き方を『スーシチェ
ストヴォヴァーニェ』
『ジーズに』
区別して考えていると訳者の原卓也氏は
解説で述べています。

前者は「生存」、後者は「生命」です。
定義の詳細は後程お伝えします。

人生を時間と空間、そして意識という3次
元で見深めることで、その意味合いを感じ
とって頂きたいと思います。

その中で生まれるご自身の考えを整理しな
がら、新たな気付きを得て頂ければと思い
ます。

きっと仕事と人生に対する更に強い思いが
沸き立ち、もしかしたら胸の高鳴りを呼び
起こされることになるかもしれません。

私がそうであったように。

では、トルストイの論考のあとを辿って
みましょう。

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人生を考える意味を教えてくれた言葉

人が自己の動物的個我のうちではなく、
他の存在の幸福のうちに自分の生命を
認めさえすれば、死の恐怖も永久に視界
から消え去ってくれる。

レフ・ニコラエヴィチ・トルスト

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日々の仕事に追われ、心の安らぎを求める方へ

仕事が忙しいと、他のことに気持ちを置く
ことが難しくなるものです。

そうした状態が長く続くと本来向かうべき
目的が霞んでしまい、意欲や気力が低下す
ることにも。

忙しいときこそ、敢えて時間を捻出して
「人生」という大きなテーマについて考
える時間を持つことをお勧めします。

例えば、こんなテーマについて考えて
みてはいかがでしょうか?

✅心の深奥から幸福と感じる時とは?
✅生きているということは?
✅人生の行きつく先、終焉とは?

私は、難解とされる「人生論」を何度も
読み込んでいく中で、まだ完全ではない
のですが、概ね納得できるところまで辿
り着けたように感じています。

そして、残りの人生に新たな期待を抱い
ています。

トルストイの「人生論」の中で、ぜひ
読んで頂きたい「第十八章」を見てい
きましょう。

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トルストイズムの根底をなすものとは?

トルストイは、人間の生き方を
「スーシチェストヴォヴァーニェ」
「ジーズ二」 とに区別して考えている
と解説にあります。

以下は、その詳細です。

前者は生存。人間の一生を誕生から死
までの時間的、空間的な存在として捉え、
その期間における個我の動物的幸福の達成
を一生の目的と考える生き方。

後者は生命、人間の一生を誕生と死という
二つの点で区切られることのない、永遠に
続くものとして捉え、その間、自己の動物
的個我を理性的意識に従属させて生きるこ
とをさす。

この2つの定義ですが、どんなイメージを
持たれましたでしょうか?

最初目にしたときは、難しい表現に思えま
したが、何度か読み返しているうちに少し
づつトルストイの考えが伝わってきます。

「理性的な意識は何を要求するか。」

この1行から「人生論」の第十八章は、
始まります。

そして、本章の主題はこうです。

「何世紀が過ぎても、人間の生命の幸福
という謎は、大多数の人にとって、やは
り未解決の謎でありつづける。」

「あらゆる存在が他人の幸福のために生
きおのれ自身よりも他の存在を愛するよ
うな状態。」

「そういう場合にのみ、すべての存在は
みなに愛されるようになるし、望み通り
の幸福をさずかることだろう。」

そして、こう結ばれていきます。

「この条件のもとでのみ、人間の幸福と
生命は可能となり、この条件のもとでの
み、人間の生命を毒してきたものが消滅
する。」

「存在同士の闘争も、くつうの切なさも
死の恐怖も消滅するのである。」

いかがでしたでしょうか。

トルストイの考える幸福の定義他人を
思う気持ち
死生観が、あなたご自身の
「人生論」に響くところがあったのでは
ないでしょうか。

ぜひ、トルストイズムについて考えて頂
ければと思います。

では、私がトルストイの考え方を知り、
自分ではどう考え、何を実践してきたか
についてお伝えします。

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私が理解した「人生論」とその後の生き方

私が「人生論」を手にしたのは、今から
二十数年前です。

新しいプロジェクトの責任者として、
マネージメントの日々、とにかく忙しい。

納期と品質とコスト管理、この絶対使命を
果たすために奮闘していました。

精神的には強いほうでしたし、体力的にも
自信がありました。

しかし、2つの悩みがありました。

一つは、もっと効率の良い問題解決の手法
を身に着けたいということ。

(後に「問題解決の思考術」で私淑し、
著者の飯久保廣嗣氏に親炙することに)

そして、もうひとつは、忙しく寝不足の
日々でしたが、寝る前に心が安らぐ本を
読みたいという思いでした。

そこで手にしたのが、トルストイの
「人生論」でした。

日々の仕事とは別に、もっと大きな括り
のテーマについて、考えてみたいという
ように心が動きました。

頭が疲れた時には単に休むのではなく、
別のことを考えてみることで、更に深い
思考に入れるということを思い出しての
ことでもありました。

✅心の深奥から幸福と感じる時とは?
✅生きているということは?
✅人生の行きつく先、終焉とは?

「幸福」の時とは、大切に思う人が
嬉しそうにしている姿を見るとき。

「生きている」とは、たとえ自らを犠牲
にしても、その状況をつくりだすために
最善を尽くすこと。

「人生の終焉」とは、大切な人が幸せで
あれば自分も幸せであり、そのときを恐
れることはない。

「人生論」を読みすすめ考えていった先
で、当時そう思うようになったのです。

そして、その思いは今も同じです。

今の生き方の根の部分は、こうしたこと
が重なり合って心の物差しになっている
ように思います。

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まとめ:読書を人生を考えるきっかけに!

今回は、『人生論』の第十八章を中心に
著者の論考と私の考えをお伝えしました。

著者はどのようにしてその問題を提起し、
更にどう考え、解決したのか?

そして、私はその問題について、
どう考え、後の行動にどう活かしたのか?

日々忙しいとは思いますがあなたもぜひ、
今回のテーマについて「考える時間」を
捻出して頂ければと思います。

これからのあなたの仕事と人生、きっと
より楽しく、より飛躍できるものと願っ
ています。

今回のキーワード、『人生を考える』に
関連した記事をご紹介させて頂きます。

◆「人間としての生き方」(安岡正篤)


ボアソルチ!

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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