宇宙の起源と終焉に惹かれて!『宇宙は何でできているのか』

書評

息が詰まるほどの漆黒の闇、その中に金色
に輝く木星を発見した時の衝撃。それは今
もしっかりと記憶に残っています。

「星座図鑑の写真とは、明らかに違う!」

初めて天文台で本格的な望遠鏡を覗いた時
の印象です。

それから時が経ち、今から十数年前のこと
です。

長期の出張を前にしたある日、書店に足を
運び偶然手にしたのが、本書「宇宙は何で
できているのか」(著者村山斉)です。

読み進める中で宇宙への想いが膨らみ、
その起源に興味を持ち、そこから更に
想像もつかない先の終焉を考えてみた
くなりました。

「あること」に興味を持ち、そこに向
けて進む。辿り着くと更に大きな興味
が待っている。

宇宙について調べ、考え、勉強をして
知らなかったことが少しわかると、次
の新たな興味(わからないこと)が生
じる。

このことをとても楽しく感じます。
私にとっては、ビジネスも同じです。

新たな事業を創出するために、全力で
問題を解決していく。高い目標ほど多
くの問題を抱えているものです。

ひとつの問題を解決した先には、また
新たな問題が待ち構えています。

しかし、達成した時の喜びは、困難さ
に比例します。

ビジネスとは別にもうひとつ、生涯を
かけて「考えていくテーマ」をもつこ
とは、人生を楽しくし、深めてくれる
ものと思っています。

ぜひ、本書を一読して頂き、ご自分の
想像の世界を広げてみて頂ければと思
います。

そして、興味のひとつに加えて頂けれ
ばと、宇宙は楽しいですよ。

ビジネスへの意欲を更に増す源泉とな
ることを願っています。

では、「素粒子物理学」の世界へ。

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宇宙の起源に心を導いてくれた言葉

宇宙の中で私たちが理解できた原子は
4%にすぎません。23%は暗黒物質で

星や銀河ができるもと。73%は暗黒エ
ネルギー(見えない力)で宇宙の膨張
を加速しています。(村山斉)

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夜空を眺めるのが好きな方へ

夜空を眺めていると、なぜか心が軽くなり
時の経つのを忘れて立ち尽くすこと、
ありませんか?

寒い冬の夜空。身体は冷えますが、数々の
星々に心は癒されます。

『冬のダイヤモンド』、いいですね!

おおいぬ座のシリウス
オリオン座のリゲル
おうし座のアルデバラン
ぎょしゃ座のカペラ
ふたご座のポルックス
こいぬ座のプロキオン

こうして夜空を見て楽しむ。

そこに、宇宙に対する興味を深めて
みることをお勧めします。

✅宇宙はどう始まったのか?
✅宇宙はこれからどうなるのか?

今まで知らなかったことが、少しづつ
理解できたときの喜び、そして、目線
が広く拓けていく実感を味わって頂け
ればと思います。

村山斉氏が、みんなが感じている素朴
な疑問にやさしく、丁寧に解説をして
くださっています。

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著者が伝える心と文化を豊かにする宇宙研究

本書は、宇宙の原理を解説した一般的な科
学書籍ではありません。

宇宙に関する数々の新しい知識を与えてく
れますが、そのことに加えて印象に残った
言葉があります。

「日本を豊かにするために宇宙を調べてい
ます。豊かという言葉は、経済的な意味だ
けではなく、心、精神、文化の豊かさを含
んでいます。」

私は本書で学びながら、宇宙に関する知識
が深まると同時に、心の豊かさが増すよう
に感じていました。

それは、著者の思いが解説の一言、一言に
込められている故のことだ思います。

ひとつの知識を得るとその後に、知識の根
が育つようにいろいろな疑問や考えが頭の
中に浮かんできます。

では、村山斉氏から学んだ宇宙の知識の中
から、いくつかをご紹介したいと思います。

❶宇宙という書物は数学の言葉で書かれて
いる。

❷ビッグバンによって宇宙が誕生した瞬間
は、原子自体が存在していなかった。

❸宇宙誕生から1分後には原子番号1~3
の元素(水素、ヘリウム、リチウム)が
できていた。

❹私たちが生きるのに不可欠な酸素や炭素
がいつできたのかは、宇宙に星が誕生し、
その内部で核融合反応が始まってからのこ
と。

❺太陽(恒星)の内部では、水素が核融合
反応を起こしてヘリウムに変換され膨大な
エネルギーを出している。

❻恒星の内部でヘリウムの核融合反応が起
きた時にようやく炭素や酸素が作られる。

❼恒星でない地球に炭素や酸素が存在する
ことが説明できない。

❽超新星爆発によってバラまかれた物質を
材料にして星が生まれる。そのため地球に
も人間の体をつくる炭素を含むさまざまな
元素が存在することになった。

❾鉄より重い銅、銀、金などの元素は、ど
こでつくられたのかは、まだよくわかって
いない


❿天の川銀河と隣のアンドロメダ銀河は、
45億年後に衝突する。

⓫万物は原子でできていない。

⓬宇宙の96%は原子以外のもので
できている。

⓭ 宇宙の中で原子はわずか4%、23%は
暗黒物質、73%は目に見えない暗黒エネ
ルギー。

⓮暗黒物質は原子とは全く違うが、宇宙
が膨張するにつれて密度は薄まり、物質
らしく振る舞う。

⓯本当の時空は10次元まである。
超ひも理論によれば、5次元から10次元
までは極めて微小なプランク距離の大き
さに畳み込まれて見ることはできない。

⓰見えない次元で飛び回っている粒子の
中で軽くて安定したものが暗黒物質だと
いう意見もある。

⓱暗黒エネルギーは、非常識なことに宇
宙が膨張しても密度は薄まらない。
しかし、宇宙の膨張スピードが加速して
いる事実の根拠となる。

⓲アインシュタインの方程式によれば、
宇宙の膨張速度は宇宙空間のエネルギー
で決まる。

エネルギーがたくさんあれば速く広がる
が、空間が広がるとエネルギーも薄まる
ので、膨張速度は遅くなる。

しかし、観測結果では早くなっている。

空間が広がるにつれて全体のエネルギー
が大きくなっている。


この不思議なエネルギーが暗黒エネルギ
ーであるが、正体はわかっていない。

薄まらないエネルギーがある!

⓳膨張速度が無限大に達した時に起こる
現象が、「ビッググリップ」。

銀河系や星がバラバラに引き裂かれ分子
や原子となり、その原子や分子もやがて
バラバラに。

宇宙は限りなく空っぽに近い状態になり
そこから先はわからない。

いかがでしたでしょうか。

ここで示された内容は、読み返す度に、
疑問やご自身の想像、考えが浮かんで
くることと思います。

宇宙の謎を解明する努力が続けられてい
ます。引き続き情報を集めながら、宇宙
を楽しんで頂きたいと思います。

では、私が本書に出会って学んだ知識か
ら考え始めたこと、またその後のビジネ
スへの影響等について、お伝えします。

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私が影響を受けた「宇宙探求」のプロセス

「万物は原子でできていない」

本書を捲っていく中で、最初にショックを
受けたのがこの言葉でした。

「哲学」に興味があり、よく目にしたの
は、 古代ギリシャの哲学者デモクリトス
の 「万物の根源は原子である」です。

いったいどういうことなのか?

これは、「宇宙がどう始まったのか」を
考える際の大事なキーワードであったの
です。

「宇宙の中で私たちが理解できた原子は
4%にすぎません。23%は暗黒物質で

星や銀河ができるもと。73%は暗黒エ
ネルギー(見えない力)で宇宙の膨張
を加速しています。」

本書を読んで「暗黒物質」と「暗黒エネル
ギー」を知りました。

その宇宙の中での比率は驚きです。さらに
その実態がまだわからないという事実。

宇宙に対する興味は、益々深まっていきま
す。そして、2つの疑問に対して自分なり
に理解を重ねていきました。

✅宇宙はどう始まったのか?

「ビッグバン宇宙論」

宇宙はビッグバンから始まり、137億年を
かけて現在の大きさまで膨張したことが証
明されたとのこと。

現在の宇宙はマイナス270度であり、
きわめて冷たい世界。

膨張すれば温度が下がっていくので、
宇宙の時間を戻していけば、そこは
非常に高温で収縮した瞬間があり、
その瞬間が「ビッグバン」。

その証拠となるのが、
「マイクロ波宇宙背景放射の異方性」
なのだそうです。

この内容が実に難しい!

マイクロ波、宇宙背景放射、異方性を
理解しなければならない。

「マイクロ波」は携帯電話にも使われて
いる電波のことであり、

その電波が宇宙のあらゆるところから飛ん
でくるというのが「宇宙背景放射性」、

均等に降り注いでくるのではなく「ムラ」
がありそれが「異方性」。

以上を前提にした私の解釈はこうです。

「今の宇宙は非常に気温が低い、
それは膨張した結果、
遡れば非常に小さく熱い世界があり、
その究極の瞬間がビッグバン」

しかし、究極の瞬間はなぜ生まれたのか?
そして、その瞬間を覆うものがあるはず!

それはいったい何なのか?

私の中ではまだまだ、「宇宙の起源」は
謎です。

ですが、事実をもとにした科学の解明には
限界点があるのかもしれません。

ここが到達点のようです。

答えは、人類が確認できない5~10次元の
世界にあるのかもしれない。

そのように思うのです。

そして、宇宙の起源を解明できた先には、
次の謎である終焉に対する解明が待って
いました。

✅宇宙はこれからどうなるのか?

天の川銀河と隣のアンドロメダ銀河は、
45億年後に衝突する。

暗黒エネルギーにより、宇宙は膨張速度が
無限大に達してビッググリップの状態に。

いづれも全く予期できぬ解明内容でした。

アインシュタインの方程式によれば、宇宙
の膨張速度は空間が広がるとエネルギーも
薄まるので遅くなるはずだが、早くなって
いる。

アインシュタインの方程式は、
間違っていたのか?

これもまた、人類が想定できる次元では、
真実が求まらないものなのか?

現在の科学で解明できるのはここまでの
ようですが、わかっていることと、わか
っていないことをきちんと切り分ける。

そして、問題(謎)に挑戦し続けていく
その姿こそがすばらしい人類の行為だと
思います。

本書からこれまで知らなかった宇宙に関す
る様々な知識を得ることができました。

それは刺激のある楽しい時間でした。

更に、著者村山氏の宇宙を解明していく
プロセスから大きな学びがありました。

ひとつの謎を解明した時の喜び、そして
そこに達して初めて知る新たな謎。

「終わりのない謎」に挑戦し続ける
「力強さ」と「楽しそうな姿」、

「真の挑戦者の姿」を感じました。

読後のこのカタリシスに満足しています。

私にとっては、新たなビジネスモデルの
構築に必要なエネルギーを充填できた大
変貴重な時間(ビッグバン)でした。

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まとめ:探求を新たな挑戦の糧に!

今回は、『宇宙はなんでできているのか』
について、著者の解説と私が受けた影響
についてお伝えしました。

冬の夜空を見上げながら、
「宇宙」に思いを馳せる時間が
とても好きです。

「宇宙の起源と終焉」について、本書を
手元に置きながら、学び、考えることの
楽しさをお伝えしてきました。

時間を遡り、そして、先に進めてみる
面白さをぜひ、体験してみてください。

そして、もうひとつ大事なこと、
それは、新たな気付きの先にある
更なる気付き(創造、問題、謎等々)。

知識の習得、出会い、体験等々、
挑戦をしてみて頂きたい!

と、そのように思うのです。

私の今年のテーマは、
「挑戦、あらたなステージへ!」です。

その際に、必ず手元におきたいのが、
飯久保廣嗣氏の「問題解決の思考術」
です。

お勧めです! 
ぜひ、皆さんも!

ボアソルチ

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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