自分らしい生き方の指針『教養としての哲学』

書評

自分らしく生きていきたい!

自分の本質を知り、自分で納得できる
基準で物事の判断をしたい!

そのためにどうすべきか?

そう考える中で、私淑ししゅく親炙しんしゃの時間を
過ごしてきました。

そして、『哲学』の独学が始まりました。

古代ギリシャから現代に至る哲学者たちは
なぜ、それを問題として取り上げたのか?
そして、どう考えたのか?

自分はその問題をどう考え、
行動に活かすのか?

少しづつ哲学書を読み進めた中で、こう
した思考の取り組みを続けてきました。

全ては、自分で納得のいく人生を
過ごすために。

しかし、『哲学』は奥が深く、人生に
活かす前の理解の段階で先に進めず、
思い悩む日々を過ごすことに。

そんな戸惑いの時期に、本書
『世界のエリートが読んでいる
哲学としての教養』(小川仁志)

を知りました。

『哲学』の基礎を身に付けるには、
最適だと感じています。

哲学史、思考法、名著、名フレーズ、
重要人物、哲学用語一覧等々、哲学を
理解する為にツール化されています。

ぜひ、本書を手にとり、哲学の基礎を
身に付け、自分らしい人生を過ごす為
の参考にして頂ければと願っています。

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本書で学んだ素敵な言葉

強く生きていけるかどうかは、
何があっても「よし、もう一度」と思って
立ち上がれるかどうかにかかっている。

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自分の生き方に迷いを感じている方へ

『自分の生き方』に迷いを感じることは、
「ある」と思いますし、「あって良い」と
思っています。

私の中では、積極的な迷いと消極的な迷い
の2つが共存しています。

前者は、目標を達成するために如何に進む
べきかの選択の迷い、後者は、今の生き方
のままで良いのかという迷いです。

「迷い」の中身は、人それぞれ。
環境や立場によって異なると思います。

しかし、その判断基準は、自分で納得の
いく物を持っておく必要があります。

その判断基準を磨いていくうえで、哲学
が非常に大事だと感じています。

まずは、哲学者が選んだテーマとその
考え方を知ることです。

そして、自分ならどう考え、どう行動
に移していくのか。

なぜ、このことが大事なのかといえば、
その理由はこうです。

哲学者の思考を触媒として、自分の頭で
考えたことを形にして将来に活かすため。

人であれば、迷いは生じます。

しかし、その迷いは、正しい判断基準に
支えられて人生の羅針盤となります。

正しく人生を生きる、自分らしく人生を
生きるいうえで「迷い」は、とても大事
な能力なのです。

ぜひ、積極的な哲学をして、自分を磨き
人生を「自分らしさ」で染めて頂くこと
を願っています。

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哲学を教養と捉え、ビジネスに結び付けた著者の考え方

『本来教養は、精神の成長を意味するもの
です。』

本書「はじめに」を読み始めると、著者の
この言葉が目に飛び込んできました。

精彩に整理された受け入れやすい言葉に
感じました。新鮮でした。

『自分らしい生き方』について、考え始め
た頃でしたので、素直に本書に惹かれてい
くことになりました。

著者の理論展開は、こう続いていきます。

『精神の陶冶とうやこそが教養の真の意味』

『精神を陶冶するには、自分の頭でしっ
かりと考える力が求められる。』

幅広い知識を習得するだけでは足りず、
自ら深く思考することの意味と重要性が
語られていきます。

身に付けた知識をベースに、未知の問題
に果敢に答えを出していく能力を養う為
に哲学が、今求められていると著者は、
強調します。

それは、グローバリゼーションによって
ビジネス環境が激変し、これまでの常識
や過去の経験では対応できないケースが
増えているからというのが理由です。

精神の陶冶を主題にしたドイツの哲学者
ヘーゲルの「精神現象学」を例に持論が
展開されていきます。

その内容を示すのが、以下の一文です。

『自分を疑うことではじめて、新たな世界
を開き、精神を鍛えることができる。それ
を可能にするのが哲学なのです。』

私はもともと好奇心が旺盛な性格です。

人、書籍等々から知りえた知識を身体に沁
み込ませた後は、その知識を心から消して
一旦心を真っ白にします。

イギリスの哲学者ジョン・ロックの
『タブラ・ラサ』(白紙の心)
の心境です。

そして、自分の頭で考えていきます。
新たな創造のプロセスになりますので、
楽しみの中に困難さを伴います。

しかし、この思考の時間がとても
好きです。

本書から、あらためて教養としての哲学、
その必要性を学ぶことができました。

ぜひ、みなさんも教養としての哲学を
読み進めてみてください。

そして、哲学者が考えたテーマについて、
ご自身ではどう考えるのか、その思考の
取り組みをしてみて頂きたいと思います。

きっと、新たな気付きがあると思います。

参考として、私が著者の言葉の中で印象
に残ったものを引用しておきます。

【引用5選】

❶G・W・F・ヘーゲル 弁証法

問題は進展するエネルギー、弁証法思考は
まさにそういう発想をします。

問題は発展の契機。何か問題が起こって、
それを乗り越えると強くなれる。ただし、
それは乗り越えた場合の話です。

ですから、必ず乗り越えればいいのです。
そのための方法が弁証法なのです。

一見相容れない2つの対立する問題を、
どちらも切り捨てることなく、よりよい
解決法を見いだすことができるのです。

❷パスカル パンセ

人間は、「考える葦」である。

人間は弱い存在だけれども、決して悩みを
放置したり、逃げ出したりせずに、頭で考
えて、それに立ち向かおうとする強い存在
だということです。

❸アラン 幸福論

幸福になろうとしなければ幸福になれない
のです。幸福は作り出すものといってもい
いでしょう。

幸福は周りの人の人生を幸福にする効果を
もっているのです。だからみんな幸福にな
ったほうがいいのです。

❹カント 純粋理性批判

一切の思考は「直観」によって生じます。

直観とは、対象が与えられる限りにおいて
生じるものです。対象が、ある仕方で意識
を触発することによってのみ可能となるわ
けです。

この表象を受け取る能力が「感性」です。
対象は感性をとおして私たちに与えられ
ます。つまり、感性が私たちに直観を与え
てくれるということです。

このとき対象は「悟性」というものによっ
て思考されています。

❺ニーチェ ツァラトゥストラ

ニーチェは、苦しい状態をあるがままに受
け入れることではじめて、強く生きていけ
ると考えます。

強く生きていけるかどうかは、
「よし、もう一度」と思って立ち上がれる
かどうかにかかっているのです。

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自分らしい生き方に関する私の考え方と行動

『自分らしい生き方をしたい』
そう思いながら生きてきました。

しかし、あるとき

「自分らしさ」とは?

「自分が真に求めるもの」とは?

「本質的な自分」とは?

こうした思いに至り、そして、
その解を求めて、「哲学」に興味を
持ちました。

自分らしく生きるためには、
『判断の物差し』が必要です。

私にとって、その支えとなるのが、
「問題解決」の技法と人が考え続けてきた
歴史(哲学)です。

前者の問題解決については、
問題解決の思考術の著者である
飯久保廣嗣氏に親炙しんしゃしました。

そして、後者の哲学については、
その基礎知識を習得するために
本書に私淑することでした。

哲学者がテーマとした問題とその経緯、
そして、そのテーマについての考えを
知ることで、自分の”考える力”が強化
されていくことを実感しました。

そして、なにより、問題を解決する為
に考えることが喜びに変わりました。

自分の問題であれば解決により安堵します
し、自分以外の人の問題であれば、解決に
役立てるととても嬉しいのです。

普遍的で、自分が最も正しいと考える判断
基準に基づいて、決断し、断行することが
自分らしい生き方なのだと信じています。

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まとめ(自分らしく生きるための哲学)

今回は、『教養としての哲学』(小川仁志)についてお伝えしました。

私にとって「哲学」は、心の友です。

いつも傍においておきたいと思える書籍を
探し、読書を続けてきました。

それは、価値創造、問題解決、心の癒しを
求めてのことです。

本書は、まちがいなく、その中の一冊に
なっています。

哲学の歴史、哲学者の著書、名言、哲学
用語が、自分の頭で考えるための基礎体
力を養ってくれます。

繰り返し読むことで、自分の考えの成長
を感じることができます。

「自分らしい生き方」は、哲学を教養と
して身に付けることで担保されるように
感じています。

著者は、最後にこう語ってくれています。

『知識を習得した後は、実践に移らなけ
ればなりません。哲学の知識を使って、
物事の本質を見いだす。それによって、
ビジネスや人生を成功させる。

そのためのツールを提供するのが本書の
目的です。』

良き著書に出会えたことに感謝です。

ぜひ、みなさんも本書で哲学の世界を体感
されますことをお勧めします。

「哲学」は、物事を深く考えることの素晴
らしさを教えてくれます。

本書で基礎知識を習得し、頭が哲学色に染
まったと感じたら、すぐに気になる哲学者
から書籍を手にしてみてください。

哲学者の「思考の軌跡」を辿ってみること
をお勧めします。

考える楽しさと問題解決のための逞しい心
が育っていくことを実感できるはずです。

私がそうであったように。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 
代表取締役 大高英則

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