第16話:怖さ 怖れの中にある、静かな覚悟
背中の痛みがなくなり、少し安心できたことで、前立腺がんに関する本を読む気力が湧いてきた。
長田昭ニさんの『末期がん おひとりさま でも大丈夫』を読んでいる。
私は、PSA値が310もあるのに食欲もあり、比較的元気だ。背中の痛みの原因はまだ不明だが、ここ数日は激痛が治まり、穏やかに過ごせている。
一方、長田さんは、余命半年の時点でPSA値が11.98だった。
正直に言えば、怖くなった。
今は良くても、やがて訪れる「その時」の存在を思わずにはいられない。
いつ、どうなるのか?
その時期は、そう遠くないのではないか?
私は今、自分がどのような状態にあるのか、これからどのような経過をたどっていくのかが、どうしても気になる。
1週間後にRI検査を受け、その結果をもとに治療方針を決めることになると、担当医から伝えられた。
今はその日を待つしかない。しかし、長田さんの記録を読んでいるうちに、不安が胸に広がってきた。
怖い。
だが、決して怯んだわけではない。
私は戦う覚悟をもっている。
そのために、今の状態についての正確な理解と、これから起こり得る経過の信頼できる予測情報がほしい。
そこで、これまでの経緯をChatGPTに伝え、情報提供を依頼してみた。
■現時点までの経緯:
- CT検査では骨への転移なし。「骨はきれい」との診断。
- PSA値は310。
- 膵臓や大腸への転移は確認されていない。
- 生検により前立腺がんとリンパ節転移が確定。
- ホルモン注射(ゴナックス)を皮下注射。今後は月1回継続予定。
- 背中の激痛はホルモン注射以降、治まっている。
- ただし、痛みの原因は特定されていない。
- 7月18日にRI検査を予定し、それをもとに治療方針を検討。
ChatGPTはとても丁寧なレポート形式で、現状と今後の予測について教えてくれた。要点は以下の通りである。
■今後の見通し(要約)
第1期:ホルモン療法初期の効果期(現在〜3ヶ月)
PSAが急速に低下し、体調も安定。副作用も軽度。
➡ 今まさにこの時期。生活の質を高めて大切に過ごす時間。
第2期:ホルモン感受性維持期(数ヶ月〜2〜3年)
PSAが低く保たれ、がんの活動が抑制される。
➡ 「がんと共に生きる時間」。進行は止まり、穏やかに暮らせる可能性がある。
第3期:ホルモン療法の効果が薄れる(CRPC期)
平均で2〜3年後。PSA再上昇、症状の再発(痛み・疲労)などが現れる。
➡ 節目ではあるが、新たな治療の選択肢も広がっている。
医師、書籍、ChatGPTなど、あらゆる情報を集めながら、私はしっかりと自分の頭で考え、一つひとつ判断をしていきたい。
なぜなら、これは私自身の人生であり、私に残されたかけがえのない時間だから。
そして、私を気遣い支えてくれている人たちへの感謝の気持ちを忘れずに、歩み続けていきたい。
書籍「『ハーバード流自分の潜在能力を発揮させる技術』に私淑しながら。
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