これからのリーダーに知って欲しい『意思決定12の心得』

書評

我々が「意思決定のできるマネージャー」
になるためには、直観力、説得力、責任力
という三つの能力を身につけなければなり
ません。

これは本書『意思決定12の心得』(田坂
広志)
の「第一の心得」で紹介されている
言葉です。

実に得心の行く教えです。

人生を歩むうえで身に付けておくべき能力
のひとつ、「意思決定」の心得を探る為に
私の「せきがくの旅」は始まりました。

「意思決定」をする際に心がけていること
がありますか?

後ほど詳しくお話をしますが、私は、
4つのプロセスを通して判断をします。

本書において示された心得は、それとは
少し異なった視点で意思決定の方法を
吟味しているように感じました。

今回は、おすすめの書籍として、
「意思決定12の心得」(仕事を成長の糧
とする為に)をご紹介したいと思います。

本書は、12の章で構成されていますが、
その中で私が特に重要であると感じる5つ
の章を以下に記します。

・衆知を集めて独りで決める
・ただ進むのではなく退路を断つ
・論理を語るのではなく心理に語りかける
・説得するのではなく納得をしてもらう
・計画への信頼ではなく人間の信頼を得る

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本書で学んだ素敵な言葉

「心理に語りかける」とは、自分とは異な
った価値基準を持つ様々な人々の思いや、
気持ちを考えながら話をしていくという
姿勢のことです。

(本書「第6章」より)

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意思決定に必要な能力に関する著者の考え方

『意思決定のできるマネージャーは、
勘が鋭く、言葉に説得力があり、腹が座っ
ているマネージャーであることがもとめら
れるのです。』

これは本書「第一の心得」に記されている
著者の言葉です。

著者は、こう補足もしています。

『意思決定には三つの能力が必要です。
第一は、理屈だけでは答えの出ない問題に
正しい答えを見いだすための直観力、

第二は、組織内での合意を得て、組織を
動かしていくための説得力、

第三は、意思決定に伴うリスクを取り、
その結果に責任を取る責任力です。』

いかがでしょうか?

私は、正しい意思決定を行う為の発想、
そして実現するための調整、さらには
遂行するための覚悟が必要である、
と理解をしています。

本書から学んだ最も大切なことは、
意思決定が「決める」ことだけではない
ということです。

最終的に意思決定を実現されるまで、
責任をもって遂行できる能力が問われ
ていると理解をしています。

そのための「12の心得」は、活動の
キャパを広げることに必ず役立つと
確信をしています。

では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。

本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのかを、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。

【引用5選】

❶この米国の経営トップは、直観力、
説得力、責任力という能力を極めて高い
レベルで身に付けています。

そして、それらの高度な能力を身に付けて
いるからこそ、衆知を集めて、独りで決め
るという意思決定のスタイルを見事に実践
することができるのです。

❷真に直観力を引き出すためには敢えて自
らの退路を断つということが不可欠です。

逆に言えば、どこかに退路がある状況の
もとでは、本当の直観力は発揮できない
のです。

❸「論理を語る」とは、自分にとっての
真実を中心に語ることなのです。

「心理に語りかける」とは、その人に
とっての真実を考えながら語ること
なのです。

❹相手を一人の人間として大切に遇する
こころの姿勢を持つだけで、なぜか、
自然に納得してもらえるのです。

我々は、説得力というものの本質が、
いかなる説明の技術で語るかよりも、
むしろ、いかなるこころの姿勢で
語るかということにあることを知る
のです。

❺ビジネスの現場においては、人間こそが
最大の説得力なのです。

大切なのは、「何を語るか」では
ありません。

大切なのは、「誰が語るか」なのです。

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本書に私淑して私が思うこと

『意思決定をするということは、決して
割り切るということではありません。

その深き矛盾をこころに把持したまま、
自らの内なる声に導かれて、
「腹を定める」ということです。』

これは、本書の最終章に記されている
言葉です。

とても深くこころに残る言葉です。

私は、「意思決定」というのは、
「覚悟」をもつことであると
考え、実践してきました。

本書で語られる著者の言葉は、体験として
一つ、ひとつ、納得がいく内容です。

私は、最終決定者として決定しなければ
ならないことが生じた場合、そう時間を
かけずに意思決定ができます。

例えそれが、全く予期せぬことで
あってもです。

それは、お二方からの教えを実践し、
自分なりの考え方、こころの持ち方を
確立できたからです。

お一人目は、「問題解決の思考術」の
著者である飯久保博嗣氏です。

書店でこの書籍を見つけ、一気に読み終え
親炙すべく最終便に乗り込みました。

4つの合理的な問題解決手法を
学びました。

「意思決定」は、その中の
1プロセスです。

この問題解決手法は、私の肌にピタリと
合う手法です。「意思決定」プロセスで
出した結論はほぼ間違いありません。

それには、理由があります。

「意思決定」した結論に対して、
4プロセスの一つである「リスク分析」
を実施するからです。

お二人目は、「現代の帝王学」の著者であ
る伊藤肇氏です。私淑させて頂きました。

知識に自分の考えを吹き込み見識を身に付
けること、そして、決断をし、断行する。

これが学んだ内容です。

本書は、上記の考え方と同一領域ではあり
ますが、少し異なる考え方であり、とても
重要な考え方であると感じています。

直観力、説得力、責任力を強化することで
「意思決定」の能力は、より高まっていく
ように感じます。

ぜひ、一読して頂ければと思います。

特に、「最終決定者」にとって、
お勧めの一冊です。

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まとめ(「意思決定」)

『意思決定という役割が、我々の精神
を鍛え、深め、限りなく成長させてく
れる素晴らしい役割であることを知る
のです。』

これは、本書「最終章」に記されている
著者の言葉です。

連日「意思決定」に追われて過酷な日々
を送る最終決定者にとって、携わる仕事
を誇れ、そして、明日に希望を持てる、
そんな言葉であると感じています。

本書をじっくりと読み進め、現状の意思
決定がより効率よく、自信をもって進め
ることができる感覚を知って頂きたいと
思っています。

本書は、相棒としていつも持ち歩きたいと
感じれる貴重な一冊といえます。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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