人生を楽しく生きる方法『還暦からの底力』

書評

『60歳は、人生の折り返し地点に
過ぎない。』

これは、本書『還暦からの底力』
(出口治明)に記されていた言葉です。

この言葉が放つ、強いメッセージ、
理解できますでしょうか?

「60歳が人生の折り返し地点なの?」

そう疑問に思われる方が大半では
なかろうか、とそう思うのです。

しかし、その意味を知ると、とても
得心が行く「意味」であることを
即座に理解できるのです。

そして、私はすっかり感化されました。

「人生、まだまだ!」と、
そう、力強く、自分の中で燃え立つ
ものを感じることに。

著者は、こうした現存する熱い思いを
「還暦からの底力」という言葉に
託したように思います。

これが、私が本書に私淑して感じた
素直な気持ちです。

「60歳が人生の折り返し地点」という
この言葉の意味は、後ほど紹介したい
と思います。

多くの時間を背にしてきた方々には、
ぜひ、一読して頂きたい一冊です。

残された人生とどう向き合っていくべきか

まだ、心が定まらない方には、
必読の書と言えます。

まずは、「還暦からの底力」を信じてみる
ことが、とても大事なことのように思える
のです。

本書は、以下の5章で構成されています。

・社会とどう向き合うか
・老後の孤独と家族とお金
・自分への投資と、学び続けるということ
・世界の見方を歴史に学ぶ
・持続可能性の高い社会を子供たちに残す

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本書で学んだ素敵な言葉

人生は楽しくてなんぼです。
楽しい人生をおくるためには、
行動しなければなりません。

本書「おわりに」の章より

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人生を楽しく生きる方法を「還暦の底力」で築いてほしい!

『新しい世界に入るには先達に教えを乞い
関連法規を学ぶ』

これは、本書の「第三章」に記されている
著者の言葉です。

還暦からの新しい世界ということではなく
全ての年代において、新しいことに取り組
む覚悟ができた際に心がけるべきことだと
理解をしています。

著者は、特に次の2つを強調しています。

『新しいことを学ぶにはその道の専門家に
会い、やり方や知識を教えてもらうことも
大切です。』

『関連法規には、何をなすべきかという
理念や、何をしてはいけないかという
ルールが記されている』

この考え方は、私がこれまで実践してきた
ことに非常に近い考え方であり、共感でき
ます。

私は、新たな取り組みをする際に、
「私淑と親炙」を基本としてきました。

この思いと姿勢はこれからも変わることは
ないと考えています。

その根底には、次の考え方があります。

まずは、先人の考えつくした内容を知り、
そこから自分としての考えを始めるという
ことです。

そのために私淑をし、会って直接話を聞き
たいと思えば会いに行く。

私の場合は、思いが先行していますが、
著者の場合は、実に理論的です。

それを表わしているのが、次の言葉です。

『僕は「リアリズム」が何よりも重要で
あると常々いっているのですが、これは
タテヨコ算数の話と一緒です。

要するにエビデンスたり得る「数字」と
「ファクト(事実)」を拠り所とした
「ロジック(論理)」を積み上げていく
ことが重要で、確たる根拠のない社会
常識を前提に自ら都合のいいロジックを
展開してはいけないということです、」

いかがですか?

論理的で素直に受け入れることができる
考え方に思えませんか。

著者は、大企業に勤め、還暦でベンチャー
企業を立ち上げ、古希で大学の学長を務め
ていらっしゃいます。

年は関係なく、しっかりとした考え方と
行動する覚悟があれば、思いを遂げる
ことは可能なのだと示されています。

人生を楽しく生きるために、本書から
著者の考え方とその堅固な根拠を知る
ことから始めてみることをお勧めします。

本ブログを読み終えた時に、
「新鮮な思いで新しいことに挑戦したい」
という思いが生じた方は、

ぜひ、本書をじっくりと、考えながら
私淑して頂ければと願っています。

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歴史・人・旅に学ぶ著者の人生の楽しみ方、考え方

『敬老思想から脱却し、きちんと数字・
ファクト・ロジックで考えていけば、
高齢化社会の将来は暗くはないし、
人はいくつになっても楽しい人生を
過ごすことができます。』

これは、本書「還暦からの底力」
(出口治明)に記された言葉です。

実に、頼もしく、勇気をもらえる言葉に
感じます。

本書を読み進めていくと、とても印象に
残る数々の言葉に触れることができます。

上記の「数字・ファクト・ロジック」
そうですし、なによりも「楽しい人生を
過ごせる」
と言い切る姿に、惹かれます。

私も本ブログ「せきがくの旅」の副題は、
「人生を楽しむ」にしていますので、共感
できることが実に多いと感じています。

私は、高い目標を持つことによって生じる
問題は大歓迎だと考えています。

そして、その問題で解決のために悩む
ことは、「成長の源」だと考えています。

故に、「考える読書」を心がけ、多くの
人にもそうあって欲しいと書評ブログを
続けています。

「人生を楽しむ」ために。

本書で非常に多くのことを学びました。
そして、著者が語るキーワードについて
1つひとつ考えてみました。

・世界経営計画(著者の造語)
・60歳は人生の折り返し地点
・人生100年時代
・還暦からの底力
・人生の楽しみは喜怒哀楽の総量で決まる
・数字・ファクト・ロジック
・エビデンス(証拠)で世界を見る
・健康寿命
・貞観政要の「三つの鏡」
・人・本・旅
・自分の頭で考え新しいアイデアを創造
・オール・サポーティング・オール
・人生は楽しくてなんぼ

そして、またひとつ、自分を広げることが
できたように思うのです。

本書は、多くの方々に
一読をお勧めしたい一冊です。

では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。

本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのかを、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。

【引用5選】

❶60歳は人生の折り返し地点に過ぎない

人生100年時代。

20歳までを子供とすると、大人としての
人生は80年あります。20歳からスタート
して半分の40年が経過した60歳は、丁度
人生のど真ん中。

人生100年時代の60歳は折り返し地点と
位置付けられます。

❷運をつかむカギは「適応」にあり

運はアトランダムにやってきて、そこに
個人の適応がうまくミートしたときに、
チャンスが生まれるということです。

何らかのチャンスがを得たいと思う人
であれば、どんどん外に、広い世界に
出ていくしかありません。

❸考える力をつけるには「古典」の型を
真似る

本を読む意味は単なる知識の獲得にとど
まらず、先人の思考パターンや発想の型
を学ぶことにあります。

先人の思考のプロセスの追体験から
始めるのです。

❹世の中を理解するために必読の
古典とは

教養を磨くには古典を読むに限ると僕は
常々話をしています。

・「想像の共同体」
 (ベネディクト・アンダーソン)

・「近代世界システム」
 (ウォーラーステイン)

・「国富論」
 (アダム・スミス)

・「道徳感情論」
 (アダム・スミス)

・「種の起源」
 (ダーウィン)

この6冊の本を読むことで、基礎的な
教養の根本は得られます。

❺感情は素直に出してよい、ただし、、、

貞観政要には、「三つの鏡」という話が
でてきます。

銅の鏡で自分を映し、自分の心身の状態
をチェックする。歴史の鏡で過去の出来
事を学ぶ。人の鏡で部下の直言や諫言を
受け入れる。

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本書に私淑して私が思うこと

年を追うごとに、成し遂げたいことが
増幅しています。

ひとつ、またひとつ。

浮かんで来るのです。

少しづつ実現をしてきましたが、
まだまだ、あるのです。

旅をして、人と会い、
読書をして、私淑と親炙を続け、
そして、白い紙を前にペンをとり、
自分の考えを前に進める。

次々と、白の空間が、
様々な色を持つ文字に変わっていく。

実現したいことの記述が
連綿と続いていく。

自分が年を取ることなど、
自分が死ぬことなど、
全く意識をしていませんでした。

ところがその感覚は、ある日突然、
あることから瓦解していきました。

(そのきっかけは、次の機会に)

「ああ、自分も年を取るんだ、
死ぬんだ!」

その時から、成し遂げたいことの選択と
バックキャスティング(逆算)が始まり
ました。覚束ない思いとともに。

そんな時に本書に出会ったのです。

「還暦は人生の折り返し地点」

この言葉は、私に可能性と勇気を
与えてくれました。

そこから、「更なる読書」が始まり、
本気で「身体を鍛え直す」覚悟が
定まりました。

その後「書評ブログ」は、本ブログが
101本目となりました。

「78㎏あった体重」は、65㎏になり、
今も維持しています。

一冊の本が、ここまで意識を変え、
覚悟を持たせてくれるとは、
本当に「救われた思い」です。

著者の出口治明氏には、
お会いしたことはありませんが、

「全ては人生を楽しむために」と、
声をかけて頂いているように
感じています。

もし、可能であれば、ぜひ、
親炙をさせて頂きたい方の
お一人です。

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まとめ(「還暦からの底力」)

『何かを知ることそのものが人生を楽しく
してくれます。』

これは、本書「おわりに」の章で紹介され
ているココ・シャネルの言葉です。

実に、印象深い言葉です。

著者は、その前段として、以下のことを
伝えています。

『人生は楽しくてなんぼです。

楽しい人生をおくるためには行動しなけ
ればなりませんが、「人・本・旅」で
きちんと学んで腹落ちしないと本気の
行動はできません。

だから勉強や学びは一生続ける必要が
あり、ココ・シャネルがいう通り、』

この「学びは一生続ける」という思いは、
私も同感です。

本書のテーマ「還暦からの底力」の本質は
「学び」にあるように思います。

いくつになっても「学ぶ」ことで、活力の
原動力は沸々と維持、増幅を続ける、
そんなイメージを感じます。

著者は、学び続けるための大事なこと
として、「健康寿命」ということばを
示しています。

規則正しい生活をし、かつ頭と身体を
使い続けることが肝要であると。

そのためには、仕事をし続けることが
一番良いと示しています。

定年を廃止し、オール・サポーティング・
オールにする。身体がきつくなったら、
その時に仕事を辞せばよいとの考えです。

私は、その考えに大賛成です。

読書をして考えること、
身体を鍛えること、
それは、楽しいからです。

本書は、私にこうした世界を
教えてくれました。

私をひとつ広げてくれました。

読書は、「出会い」ですね。

今回は私の体験談が多くなりましたが、
それだけ影響を受けた本なのです。

ぜひ、多くの方に読んで頂きたい
一冊です。

人生を楽しむために。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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