賢く生きる『頭の鍛え方』アーノルド・ベネット

書評

『あなたに見えるものが、明日から確実に
変わっていく本』

これは、本書『頭の鍛え方』
アーノルド・ベネット)の表紙に
記されたメッセージです。

実に、興味を引く言葉です。

「見えるものが変わる」とは、
いったいどういうことなのか、

「考え方が変わる」ということなのか、
それは、自分にとって、良いことなのか、
等々、

今、見えているものについて、
今、考えていることについて、

それは、どのような経緯と思考によるのか
が、気になるようになりました。

著者は、以下の言葉を記しています。

『人生を賢く生きるためには、自分の脳を
縦横に働かせるコツを身につけることだ』

本書を読み終えた時の自分の成長を想像し
「せきがくの旅」は始まりました。

本書は以下の章で構成されています。

・人生をより賢く生きるための知恵
・生きることのプロに徹する
・頭を鍛える30分集中思考
・毎日を効率よく生きる心得
・品位とうるおいのある生活術、等々

スポンサーリンク

本書で学んだ素敵な言葉

やる気ひとつで脳はいかようにも動き、
「生きる知恵」を生み出してくれる。

本書「頭の鍛え方」より

スポンサーリンク

意志の力でより賢く生きてほしい!

『自分の脳を耕し、コントロールすれば、
すべてがうまくいく。』

これは、本書「訳者序文」に記された
渡部昇一氏の言葉です。

なにか救われるような思いになります。

脳は、意志の力でコントロールできると
教えてくれています。

事業を進めるということは、常に新しい
価値を生み出すことが求められていると
いえます。

目標とする価値が大きければ大きいほど、
多くの問題が生じることと思います。

その際には、決死の覚悟をもって解決策
を見い出さねばなりません。

考える「脳」の力が必要になります。

しかし、その「脳」の力は、どのように
すれば鍛えることができるのか?

それは、もって生まれた許容量により、
限界があるものなのか?

それとも多くの経験によって、
なんとかなるものなのか?

問題の解決に意識を集中するばかりで、
こうした「脳の力」について考えること
など、なかったように思います。

本書に私淑することで辿り着いた結論は、
「脳の力」は、「意志の力」で鍛えること
ができるということでした。

著者は、恵まれぬ環境から始めて、
偉大な仕事を成した人物であり、
実践による裏付けがあります。

故に本書では、多大な説得力があり、
信用できる教えが多く語られています。

新たな価値創造に挑戦をしている方に
ぜひ、手に取って頂きたい一冊です。

スポンサーリンク

賢く生きるための著者の考え方

『人生を決めるのは情熱の持続力』

これは、本書「第11章」に記された著者
の言葉です。

それは次のように詳しく語られています。

『自分の脳を思い通りに動かそうと努力
することほど、次々とさまざまな興味を
駆り立てるものはない。』

勢いよく脳を働かせ、次々と良い考えが
浮かび、行動に結びついていくときが
ある。

それは、どういうときか。

冷静にそうした時の経緯と状態を思い出
してみると、確かに自分が燃えている時
だったように思える。

しかし、その燃える思いが枯れてしまう
ときがあると著者はいう。

著者は、それを次のように記しています。

『情熱が枯渇してしまうことがしばしば
あるのだ。脳をコントロールするという
壮大で胸の躍るようなこの企てが、

単に興味を失ったことによって一時的に
あるいは永遠に放り出されてしまった例
を私はいくつも知っている。』

現実とは、そういうものなのだと
得心できる。

状況は、ときに、なにがしかをきっかけに
流転しうるものであると、それは、私自身
の体験をもって感ずるところである。

では、いかにして、その状態を回避すれば
良いのか。

著者は、しっかりと、その方法を示して
くれている。

それが、次に示す著者が記している言葉
である。

『企てに対する興味は、滋養物を与えて
やらない限り、衰えていくものなのだ。


滋養物は、毎日少しずつ読書をすること
によって得るべきである。』

そして、著者の次の言葉が、際立ちます。

『心に無限の栄養を与える知的読書法』

著者が群を抜いて名著と記すのが、
マルクス・アウレリウスの自省録です。

その著書の中で紹介されている一言が、
私の心の奥に深く、深く根を降ろして
いくことになりました。

その言葉は、こうです。

『心にそなわっている力が人生を完成する』

著者は、とても重要な言葉を残しています。

その言葉を最後に記しておきます。

『マルクス・アウレリウスを読むのが良い
だろう。毎朝毎朝、あるいは、毎晩毎晩、
一生の間続けるのである。

そうすれば、あなたは、自分自身への関心
を失うことはないだろう。』

この言葉を知ったことで、私の人生は、
さらに広がりを持つことができたのです。

では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。

本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのかを、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。

【引用5選】

❶自分の脳を自在に使いこなす

ほんとうの自分とは何なのであろうか。
それは、「意志」である。

脳の鍛え方は、結局、意志によってよい
習慣をつくるということに落ち着くので
ある。

❷生き方のヒント

脳は使っても神経は使うな。自分の脳を
育てる趣味は、神経を使わないで頭を使
う法と言い換えることもできる。

❸脳をコントロールする

脳に従順さを教え込まなければならない。
従順さは、何が何でも意志を貫き通すこと
によってのみ、つまり純然たる意志の力に
よってのみ、教え込むことができる。

❹習慣は意志力の燃焼でつくられる

決心が実行に移されると、火花のような
ものが意志の力を燃え立たせる。

そして、燃え上がった意志の力は、
脳の上に絶対君主として君臨する。

❺失敗で終わらせない脳力をつける

一日のはじめに、この先16時間に起こり
そうな厄介な事柄についてじっくりと考え
そなえておくことは、いわば自分を武装す
ることである。

スポンサーリンク

本書に私淑して私が思うこと

『ほんとうに必要な大望だけを理性に従っ
て追求していくのだ。』

これは、本書「第12章」において、
著者が語っている言葉です。

この言葉は、私にとって大変意味深い言葉
として、こころに残っています。

私には、幼いころに描いた「成し遂げる
べきこと」があります。

小学生の卒業文集に記していたことで
あり、その思いは、今でも絶えること
なく、続いています。

私は、こう思うのです。

「生涯を賭けて成し遂げたい」と思うこと
に出会う、あるいは、気付くことは、
とても幸せなことである、と。

しかし、その「為すべきこと」は、
正しいことであるべきだ、と。

人生において、多くの人に会い、私淑、
あるいは、親炙により、経験を積むことで
自分の考えが纏まっていく。

そして、「為すべきを成す」のが、
人生における価値であると考えています。

そうした思いの中で、上記の著者の言葉は
私にとって、本当に貴重なものとなって
いるのです。

著者は、さらに、このような言葉も
残しています。

人生を歩むうえで、大変重要、かつ
意味のある言葉になると思いますので
じっくりと読み味わって頂きたいと
思います。

少し長くなりますが、以下が、
その言葉です。

『心に浮かんだ大望が、自分を鍛え充実さ
せていくにつれて消えてしまうのではなく
むしろますます明確な形をとってくるよう
であれば、その大望は抑えようとしても抑
えることのできない純粋なものであると考
えてよい。』


こうした状態になりえたなら、
堂々と自信をもって、それを信念として、
歩みをつよめてゆけば良い。

私は、そう、感じています。

本書は、私のこれまでの生き方を肯定し
さらに、背中を押してくれているように、
こころから、そう、感じています。

私にとっては、大変貴重な私淑の書です。
お勧めの一冊です。

スポンサーリンク

まとめ(「自分脳」)

今回は、『頭の鍛え方』
(アーノルド・ベネット)』

についてお伝えしました。

本書を読み終えて、
心に残った一番の言葉、
それは、「自分脳」です。

本書において、著者は、
以下の投げかけをしています。

『われわれは社会にでると、自分の人生に
ついていろいろと考えるようになるだろう
か。とんでもない。

いかに生きるかではなく、いかに安定した
生活をもたらす地位を獲得し、

いかにして維持するかということが問題に
なってくる。』

そして、人間が人間として生きるための
脳の働きである「自分脳」を意識して
より逞しく生きるべきであると
伝えているように思うのです。

本書の最初に記されている次の言葉が
大変印象的です。

『われわれは皆、生きることのプロで
なければならない。』

どうですか?

実に、意味深く、
良い言葉ですよね!

ぜひ、この言葉の響きにのって、
力強く人生を歩んで頂きたいと
願っています。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

コメント

タイトルとURLをコピーしました