心を読む『買いたい!のスイッチを押す方法』

書評

『重要なことは、考える総量だ』

これは、本書『買いたい!のスイッチを
押す方法』(小阪裕司)で紹介されてい
る言葉です。

実に、深い言葉に感じます。

著者は、この言葉の意味を以下のように
理解したと記しています。

『考える総量に比例してお客さんは動機
づけられるという意味でもあると、私は
思った。考える総量が、相手を啓発する
力を左右するのである。』

お客様に「買いたい」のスイッチを押して
もらうために、ぜひ、じっくりと繰り返し
読んで頂きたい言葉です。

今、自分が構築し、取り組んでいる
「売る為の仕組み」について、
しっかりと向き合い、考えて頂きたい

と、そのように強く願っています。

考えることの積み重ねが、如何に
大切であるかを含めて。

本書は、マーケティングから契約行為まで
を如何に構築すべきかを大変丁寧に、
分かりやすくまとめられています。

いつも手元におき、繰り返し
読み続けたい1冊です。

学び、考え、実践、評価のプロセスを
これまでにない新しい考え方を取り入
れながら教えてくれます。

本書は、以下の内容で構成されています。

一 脳は不況を知らない
二 脳はこうして買い物をする
三 モノを買わない脳、私を買う脳
四 購買行動を創り出すマーケティング
五 顧客の感性を育成する
六 脳の二つの回路を磨く

本書を通して、多くの人に「成約」時の
喜びを味わい続けて頂きたいと
願っています。

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本書で学んだ素敵な言葉

買い物は脳がするもの
買い物と脳は切っても切れない関係にある

人には、「買い物をする脳の回路」と
呼べるものがある。

(本書「はじめに」より)

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日々売れる仕組みを考える、あなたへ

『本書では消費者の心の中に「買いたい」
が起こる法則を考え、売る側が消費者の
「買いたい」を計画的に引き起こす術に
ついてお話をする。』

これは本書「はじめに」の章において
記されている言葉です。

いかがでしょうか?

「売れる仕組み」を考える立場にある人
には、とても頼もしく響くのではないで
しょうか?

私は、この言葉を目にした瞬間に、
本書の購入を決めました。

この言葉にある「買いたいを計画的に引き
起こす術」に大変興味を持ちました。

そして、しっかりと私の「買いたい!」の
スイッチが入ってしまったのです。

著者の言葉は、次のように続きます。

『人には「買い物をする脳の回路」と呼べ
るものがある。

このことについて共に考え今の消費者は何
を望みどう買い物をしたいのかを解き、

われわれはそれにどう応えていくかについ
てのアイデアを分かち合うために、本書と
いう機会を作った。』

著者のこの思いを信じて、ぜひ、アイデア
を共有して頂ければと、願っています。

きっと、今思案している構想が形となって
現実化していくことと思います。

私がそうであったように、、、

それでは、「せきがくの旅」を、どうぞ。

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「心を読む」を追求した著者の考え

今日の消費者はモノやサービスを買いた
いのではなく、「未来の私」を買いたがっ
ている。』

これは、本書最終章に記された言葉です。

私は、これが著者が最も重要視している
考え方であると理解をしました。

実に、得心できる思想(理論)です。

さらに、著者は次のように語っています。

『消費者が漠然と求めている人生の充足感
や肯定感、「ワクワク」を得られる瞬間を
実現する道筋を示し、

そこにモノやサービスを埋め込んで、リア
リティを感じられるようにチューニングし
未来へのチケットを渡してあげる。

このような行為こそ、現代における
真の「売る」行為だといえよう。』

いかがですか?

「ワクワク」感を届けることこそ、
マーケティングの原点であることを
こころから納得できた思いです。

今目の前にある悩み(問題)を解決して
差し上げることに留まらず、「未来」
(まだ見ぬ将来の理想の姿)に導いて
差し上げること、

それこそが、マーケティングであり、
ビジネスであると知りました。

そして、同時に、今後の「売る」ことに
関する道筋が見えてきたように思ってい
ます。

ぜひ、本書をゆっくり読み解きながら、
ご自身の今の考え方と著者の考え方を
比較し、新たな気付きを得ることで、

さらに自分の考えに広がりを持つことが
できると思います。

未来への道筋が、少しづつ明らかになって
いくことと思います。

では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。

本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのかを、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。

【引用5選】

❶「買い物する脳」のスイッチを押すもの

人は「ある動機を得ると、一連の動きを
決める。」

つまり、ひとたび動機が喚起されれば
「買う」という行動に、脳はGOサイン
を出すのだ。

その後、理性がそのサインを取り消したと
しても、それは動機が買い物する脳のスイ
ッチを押した後なのである。

❷「感性」という脳の高次処理

人の「買う」という行動も高次な情報
処理の結果である。感性のなせる業なの
である。

「人の消費行動は感性によって引き起こ
される」という私の持論も、そういう
捉え方に基づいている。

❸売れない時にはこう考える

「売れない」ときには、「感性情報×
購買行動モデル」のどの部分に問題が
生じているのかその原因は何なのかと。

そうすることで、それまで見えていな
かった問題点が見え、解決策が導き出
されるだろう。

❹消費嗜好の多様化の処方箋

動機づけから「買う」に至る一連のプロ
セスが引き起こされれば、多様性は凌駕
されることがしばしばある。

売り手は、自社の商品を選択し意思決定
してくれるように強く動機づけなければ
ならない。

ドーパミン・システムが発動したとき、
消費者は自らの消費完成を越えて、
新たな行動へと向かうのである。

ドーパミン・システムは、新しく予測で
きない報酬にもっとも反応する。

❺ビジネスにおける最強の競争力

重要なことは、考える総量だ。
それは、考える総量に比例してお客さんは
動機づけられるという意味でもあると私は
思った。考える総量が、相手を啓発する力
を左右するのである。

私は思う。人が人を魅了する、そして、
動機づける力の源泉は、人が誰しも持つ
相手を喜ばせようとするときに発揮される
人の「創造性」なのだと。

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本書に私淑して私が思うこと

『買うとは深遠な世界である。』

これは、本書「おわりに」の章に記された
著者の言葉です。

この言葉には、多くの著者の思いが
含まれているように感じます。

「思い」は、人を動かします。

私もその動かされた人のひとりです。

「言葉」は、すべてにおいて、
基本だと感じています。

どういうことかと申しますと、
「全てを表わす」ということです。

どのような人柄であり、考え方を持ち、
その生き方さえも表してくれることが
あります。

そして、その方向が同じであれば、
互いに強調し合い、良い意味で同化し、
双方の利益を得ることができると、
そう思うのです。

その関係性のなかで起きる様々な事象と
行為の中で、今回ののテーマにある
「買うこと」と「売ること」があると
思っています。

立場は違いますが、良い関係性を築き、
双方にとって望ましい価値を創造できる
ことが全てだと思うのです。

そのために、「知るべきを知る」です。

本書には、単なる「マーケティング」論で
はなく、人生をテーマに生き方を意識した
考え方が記されていると感じるのです。

「ワクワク」する思いの「創出人」に
なれたらいいと思いませんか?

それは、きっと多くの人を幸せにできる
ことです。

しかし、そのためには、なにか特別な技術
が必要な気がしますが、実は「ある視点」
に気づくことで実現できるのです。

本書は、導いてくれます。

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まとめ(「心を読む」)

『買いたい!のスイッチを押す方法』
(小阪裕司)についてお伝えしました。

「売る」ことの仕組み作りを目的として
本書に目を向け、手にし、得たものは、
「人生の広がり」でした。

そして、「人」というもの、関係性に
ついて、「人生」という視点から、
多くを考えるきっかけを得たように
感じています。

本書では、ミラー・ニューロンの話も
大変興味深く読ませてもらいました。

「人の心を読む」という力は、人間しか
持ち合わせていないということ。

当然ですが、そのことについて、
考えを深めるということは、
なかなかないことだと思います。

しかし、そこに気づき、考えを深め、
深堀していくと、いろいろなことが
見えてくる。

それが、本書を読み終えた時に感じた
正直な気持ちです。

「ワクワク」した気持ちに導くことができ
たなら、それは、とても幸せな世界を知る
ことに繋がることが想像できます。

「未来」(まだ見ぬ将来の理想の姿)を
一緒に創り上げていくことが、全てだと
心からそう思いました。

そのための考え方、行動の仕方を本書から
学ぶことができます。

お勧めの一冊です。

特に価値創造を生業とする忙しい方には、
時間を捻出して読み進めて頂ければと
願っています。

「考える総量」を増やして頂ければと
思います。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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