物事の本質を求めて『四書五経の名言録』

書評

『仁は人の心なり、義は人の路なり』

私はこの孟子の言葉が、とても好きです。

『仁』は、思いやり。

究極論で言えば、
人と人を繋ぐ、最後の砦。

『義』は、筋を通す生き方。

互いにすれ違うことなく逍遥しょうようし、
私の行動の指針となってくれます。

衍義えんぎは控えます。

本書「四書五経の名言録」(守屋洋)は、
挑む心を呼び起こし、そして支えてくれる
「心の書」といえます。

ぜひ、手にとって、まずは、
52頁の扉から、心の開闢かいびゃくをどうぞ!

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本書で学んだ素敵な言葉

至誠にして動かざる者は、いまだこれ
あらざるなり。

こちらが誠をもって臨めば、どんな相手も
動かすことができる。

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「物事の本質」を知る術を求める方へ

地球環境や社会情勢に変化が生じ、多様化
が求められる現代において正しく生き抜く
為には「物事の本質」を知るべきである。

そう感じている方は多いのだと思います。

しかし、その術がわからず、心の中で迷い
がただ増幅している方も、多いことと。

そうした中で、「四書五経」が果たす役割
は大変大きなものがあると感じています。

私は、いくつかの言葉に、幾度も支えられ
ながら今に至っています。

言葉は不思議です。

過去の事実は変えることはできませんが、
記憶は変えることができます。

良き言葉に出会えれば、それは、
一瞬で訪れます。

「物事の本質」が見えれば、多くの問題は
解決策を見出すことが可能です。

その術は、「四書五経」に秘められて
います。

四書(大学、中庸、論語、孟子)と
五経(易経、書経、詩経、春秋、礼記)。

各々の意味を著者がどう解釈したかを知り
自分はどう解釈し、行動に活かすのか。

このプロセスにじっくり取り組むことで、
「物事の本質」が少しづつ見えてきて、
問題を解決する独自の手法を見出せる。

私は、そう思っています。

本書をじっくり考えながら読み込むことで
人生を楽しむための支えとなる言葉に対面
できることと思います。

私がそうできたように。
あなたにも、きっと。

本テーマに関連する私の書評
「心の安定を求めて『禅が教えるビジネス
思考法』」
もお勧めします。

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『物事の本質』に導く著者の考え

『要は何を変え何を残すかだと思います』

本書「はじめに」において、
著者はこのように語っています。

その前段はこうです。

『現代は変化の時代です。生き残るため
には、否応なしに変わらざるをえません。

しかし、立派な伝統まで、変えたり、
捨て去ろうとするのは、あまり賢明な
やり方とは言えないでしょう。

要は何を変え何を残すかだと思います。』

こうした著者の考え、いかがでしょうか?

私は、この考え方に賛同しますし、
こうした視点がとても好きです。

松尾芭蕉の「不易流行」という言葉が
ありますが、同じように心に響きます。

時代に合わせて変えるべきは変え、
しかし、物事の本質的なところは、
大事にするということが重要です。

私は、自分を変えたくないという強い
思いで生きていました。

しかし、それでは成長ができない。

悩みました。

あるとき、ある方の言葉から、
気付いたのです。

自分の本質的な考え方を変える必要はない
残したまま、広げれば良い
のだと。

ここで重要なのが「物事の本質」です。

著者は儒教について、こう話しています。

『儒教の原典の説くところは、おおむね
人間学の原理原則です。』

本書で儒教について学ぶことで、
「物事の本質」を見極める術を知ることが
きっと、できることと思います。

ぜひ、本書「四書五経の名言録」から、
儒教の力を感じて頂ければと思います。

本書でぜひ紹介したい著者の教えを
少し引用しておきたいと思います。

【引用5選】

❶功のたかきはこれ志、業の広きはこれ勤

高い功績をあげる為には、まず、しっかり
志を立てる必要がある。幅広い業績をあげ
るためには、なによりも勤勉でなければ、
ならない。

「志」とは、まず目標を立てることです。
しかしこれだけでは十分ではありません。
それに、目標を実現しようとする強い意志
この二つの合わさったものが「志」です。

❷仁は人の心なり。義は人の路なり。

思いやりは人の心にそなわっているもの、
義は人の踏み進んでいく道である

利益を追求するときには、常に「義」を
念頭において、それを踏みはずさないよ
うにしてほしいということです。

❸窮すれば則ち変ず、変ずれば則ち通ず

行きつく所まで行きついて、どん詰まり
の状態になると、情勢に変化が起こり、
おのずから新しい道が開けてくる。

窮したときには、やはり孔子のように、
あわてず、騒がず、淡々と対処すること
が望まれます。

❹それ恕か。己の欲せざる所は、人に
施すなかれ。

自分が人からしてほしくないと思って
いることは、自分のほうからも人に
対してしないこと。

「恕」というのは、相手の気持ちや
立場になって考えてやること、
つまりは、思いやりということ。

心が温かくて、それがおのずから顔や態度
ににじみ出てくる、そういう心の温かさが
ほしいのです。それがすなわち「恕」の心
にほかなりません。

❺湯の盤の銘に曰く、苟に日に新たに、
日日に新たに、また日に新たなり

殷の湯王は、洗面の器にこの言葉を刻み
つけ、毎朝、顔を洗うたびにそれを見な
がら、政治に取り組む覚悟を新たにした
というのです。

常に問題意識を持ち、意欲を燃やして、
毎日の仕事に取り組む必要があります。

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「物事の本質」を知る意味について私が思うこと

『物事の本質』を知り、自ら考えて
”解”を出して行動を起こしていく。

この「行動を起こす」ということが、
一番大事だと考えています。

それは、行動を起こさねば、改革は
できないからです。

しかし、この行動が非常に難しいことも
現実のひとつといえます。

本書を読み進める中で、
少しづつ変化が生れてきます。

❶新たな心構えを知る。

❷本質的に大事にすべきものを知る。

❸困難に遭遇した時の心の持ち方を知る。

❹人としてどうあるべきかを知る。

❺覚悟の持ち方を知る。

全ては、人生を楽しむために、知るべき
ことだと深く感じています。

高い目標は困難を要します。しかし、
その高い目標に気づけたことは幸せです。

目標に向かってしっかりと歩んでいく、
そこに、人生の楽しみというものがある。

仲間と共に、大事な人と共に、そして、
好ましく思う自分と共に。

『物事の本質』を知ることができれば、
多くの可能性が広がっていきます。

私にとって本書「四書五経の名言録」
は、自分を知り向かうべき将来を知る
ことができる羅針盤なのです。

私は、こう思うのです。

人生の全ては、「人の思い」という、
「人類共通の言語」で、進んでいく。

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まとめ(物事の本質)

今回は、『四書五経の名言録』
(守屋洋)についてお伝えしました。

『物事の本質』について、考えを深める
ことはとても大切です。

大きな目標を達成する際の障害を乗り越え
ることができます。

また、予期せぬ問題が生じた際には、そう
時間をかけずに、本格的な解決策を見出す
ことができます。

さらに、まだ気付かぬ素敵な未来を知る
ことも可能になってきます。

『物事の本質』を知ることは難しいこと
ではありますが、その術を知れば、可能
なことなのです。

そう私は信じています。

繰り返しになりますが、
私にとって心の持ち方の基本は、
この言葉です。

『仁は人の心なり、義は人の路なり』

「四書五経」は、心の指針として、
いつも傍においておきたい、
「心の書」のひとつです。

ぜひ、手に取ってみて頂きたい
と思います。

きっと、多くの気付きを得られることと
思います。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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