7人の執筆者により高雅的に編纂された
「世界教養遺産」150冊「必読書150」
から、知性の学びどころをお伝えします。
執筆者の中の柄谷行人氏は私が崇重する
哲学者の一人です。文学者、文芸批評家
でもあります。
氏は、哲学の分野におけるノーベル賞と
いわれるバーグルエン哲学・文化賞を
アジア人として初めて受賞されました。
爾来、最も気になる哲学者です。
本書「必読書150」は、氏の記事から
知り、早速で購入しました。
氏の推薦される書籍であれば、ぜひ、
読み切りたいとの思いからです。
「基礎的な事柄とは、結局、本を読む
ということに尽きるのである。」
これは、本書序文に記されている氏の
言葉です。
まずは、本書に紹介されている執筆者
の紹介記事を読み進め、ご自身にあう
書籍を見つけて頂ければと思います。
そして、全冊を読み切る必要はなく、
気に入った書籍をなんども読み込む
ことでご自身のものにして頂ければ
と願っています。
「せきがくの旅」を始めて頂ければと
思います。
本書は、以下の章立てで構成されて
います。
序文 柄谷行人
反時代的「教養」宣言
必読書150
参考テクスト70
あとがきにかえて 奥泉光
本書で学んだ素敵な言葉
現実に立ち向かうために「教養」がいる
のだ。カントもマルクスもフロイトも
読んでいないで、何ができるというのだ。
(本書「序文」より)
現実に立ち向かう知性回復を求める執筆者たちの考え
このリストにある程度の本を読んでいない
ような者はサルである。
これは、本書「序章」で執筆者が示す
ひとつの考え方であり、尖った表現に
聞えるかもしれない。
しかし、的を得た的確な表現であると
理解したい。
数えてはいないが、私も全150冊の中で
読んだ本はそう多くはないと思う。
であれば、これから読み進んで
行けばよい。
人生、限られた貴重な時間である故、
本書で紹介された意味ある、人生に
役立つ書物を読み進めていきたい。
私は、そのように考えています。
ぜひ、一読されて、ご自身の人生の広がり
にお役立てください。
本書で紹介されている紹介記事の中で
私が特に興味を惹かれた書籍と言葉を
引用しておきます。
◉本書に綴られた考え方を知り、
自分はどう考えどう行動に活すのか、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。
【引用5選】
❶資本論(マルクス)柄谷行人
資本論は、国民経済学批判という副題が
ついている。大事なのは、マルクスのいう
批判が自説を主張して相手をやっつけると
いう批判ではなく、カントがいう意味での
批判、つまり吟味だということだ。
❷リヴァイアサン(ホッブス)柄谷行人
万人は万人にとって狼である。そういう
「自然状態」の危うさは、各人が自己の
権利を一人の主権者に譲り渡す社会契約
によってのみ解消される。
❸エチカ(スピノザ)柄谷行人
大切なのは、人が何を考えているかでは
なく、現実に何をしているかだ。
自然=世界を認識すること、それが
エチカ(論理)であり、「神を愛する」
ということである。
❹純粋理性批判(カント)柄谷行人
人間的理性は、その能力の限界を超えて
いるにもかかわらず、どうしても解決せ
ざるをえないような諸問題を課されてい
る。そのために、人は仮象(幻想)にと
らえられる。
❺道徳の系譜(ニーチェ)島田雅彦
おのが本能に忠実であろうとする者は
その本能よりも速く走ろうとする。
そこに論理が生まれる。
本書に私淑して私が思うこと
「われ思う、ゆえにわれ在り」
(コギト・エルゴ・スム)
これは、デカルトの方法序説に
記された有名な言葉である。
多くの人々がこの言葉を繰り返し
口にしてきたことと思う。
私もその中の一人である。
本書の執筆者の一人である柄谷行人氏が
紹介記事を執筆されている。
このページは繰り返し読み返すことに
なった。
「デカルトの懐疑は命がけである。」
と記されている1行は特に際立つ。
私は、本書を何度も読み込むことで、
合理的思考に辿り着くことができた。
その後の人生において、問題解決の
場面が訪れるたびに、非常に助けと
なっている。
本書における紹介記事は、柄谷行人氏
が担当されている。とても印象深く、
デカルトについて記されている。
この記事を読むことで、さらに多くの
人が「方法序説」に私淑されることを
願っています。
まとめ(知性を学ぶ)
悩みは成長の源、考える読書が未来を拓く
これは、私の読書に関する考え方です。
多くの書籍を読破することはとても
大事なことだと思います。
一万冊を読み込んだ方の話を聞いたことが
あります。その方に比べれば少ないのです
が、私は2千冊です。
読書は、数ではないと思います。
大事なのは、自分にとって好ましい本を
繰り返し読み込み、人生の糧とすること
に価値があると思います。
問題は如何にして、良書に出合うかです。
そのために本書は、7人の執筆者により
紹介記事が150冊分あります。
ぜひ、肌の合う書籍を見つけて、
「せきがくの旅」を続けて頂きたい
と、そのように願っています。
ボアソルチ。
株式会社CSI総合研究所
代表取締役 大高英則
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