正しい人間観『経営者の教科書』

書評

『経営とは、仏教用語で人を育てるという
意味である。』

この言葉は、いまでも心の深奥で、
しっかりと根付いています。

人を育て、自らも育つ、
そうした営みであると理解をしています。

経営における「判断の物差し」として、
この言葉は、いつも意識をしています。

経営理念は、志を遂げることを第一義
とすべきですが、その前提として、
「正しい人間観」に基づいていること
がとても大事だと思っています。

「価値創造と解決提案に精進し、人々の
笑みを生み続ける社会創りに貢献する。」

私は、経営理念をこう定義しました。

本書「経営者の教科書」(江口克彦)
幾度も私淑ししゅくし考えた末の結果です。

本書から学び、
心に残った言葉があります。

それは、「正しい人間観で強い理念を
もち、人を大切にし、計画的に正しい
ことを進める。」

判断に迷うときは、いつもこの言葉を
思い出し、前に向かいます。

既に経営に携わっている方は勿論、将来、
経営の世界での活躍を目指す方にも良い
刺激になると思います。

ぜひ、一読されることをお勧めします。

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本書で学んだ素敵な言葉

「正しい仕事」を日々積み重ねる以外に
”成功への道”はない

正しい仕事という言葉は、誰でも知って
いる。しかし、その意味は重い。

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納得のいく「判断の物差し」を求める方へ

何を大切にし、何を目指し、どう判断し、
ことを進めるか?

ここがぶれると、物事は正しく進まなく
なります。

故に、ことある毎に、このことを自分に
問い続けています。

私の中では、「判断の物差し」を整える
ことができたと認識しています。

疑問に感じることの「解」を求めて、
私淑と親炙しんしゃを繰り返し、悩み、考え、
そして、行動に移す。

そこから発見できたあらたな課題、
そこに挑むことによって、少しづつ
形になってきたように思います。

それが、自分の中で常に納得できる
「判断の物差し」です。


根幹にあるのは『挑戦』です。

「どう歩んでいくか」ということを
深く考え、常に考え、究めていく
ことは、とても大事なことです。

今、高い目標に向かって、そうした
悩みの中にある方にお勧めしたい
ことは、3つです。

❶常に自分で考え続けること。

❷心の波動にあう私淑、可能なら親炙を
試みること。

❸そして、行動に移し、その結果を
見極め、再度考えてみること。

時は、動いています。

その中にあって、感じることには、
正直に向き合っていくこと。

それが、求める「解」に至る
唯一の「術」であると思うのです。

心から自分に正直でいられる、
解決に向けた指針を、本書から
得て頂ければと願っています。

本テーマに関連する私の書評
「バックキャスティング思考の経営論
『プロフェッショナルマネージャー』」

もお勧めします。

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『正しい人間観』を尊ぶ著者の考え

「経営における普遍的理念とは何か。
人間の本質が、そうすぐに変わらないもの
である以上、成功する経営の本質もまた、
普遍性が見出せるはずだろう。」

本書「経営者の教科書」(江口克彦)
まえがきには、こう記されている。

経営と普遍性の関係を考える著者の
経営論に興味を持ちました。

私は、松尾芭蕉の「不易流行」という
言葉を常々意識しています。

時代に合わせて変えていくべきことと、
決して変えてはならぬ、大事に
保持すべき本質的なことがある。

ここのところの考え方、感性がとても
大事なことだと思っています。

本書には、こうした思想と共鳴し、更に
「あるべき経営論」に昇華させるための
数々の教えが綴られています。

一貫してぶれずに語られるのは、
「正しさ」というキーワードです。

正しい人間観、正しい仕事、等々。

私は本書を読み終えて、「判断の物差し」
は、この普遍的な「正しさ」にあると
心を据えました。

著者は、最後にこう結んでいます。

「人生とは、自分の人間的能力を
出し続ける旅路である。」

「正しさ」を求め努力を続ける生き方、
著者のこの人生観に共感します。

ぜひ、本書「経営者の教科書」から、
ご自身の思いと共鳴できる教えに、
深く触れてみて頂ければと思います。

本書でぜひ紹介したい著者の教えを
少し引用しておきたいと思います。

【引用5選】

❶熱意こそが成功の第一ボタン。

熱意があればこそ、創意工夫、知恵も
生まれる。行動力もでてくる。

燃えるような熱意があれば、たとえ困難に
陥っても、必ずやそれを乗り越える知恵が
生れてくる。

わからないことがあっても、熱意があれば
人に素直に教えを乞うという態度が生まれ
てくる。

❷カンの働かない経営者は、一流とは
言えない。

松下幸之助がある講演で、経営者に欠く
ことができない条件を7つ挙げたことが
ある。

体験、経営的知識、見識、意思決定の力、
実行力、勇気。ここまでは誰でも思いつく
だろうが次に挙げたのが、カンであった。
真実を直感してわかるようなカン。

命をかけるほどの真剣さ、というものが
一つの触媒になることは間違いない。
真剣さがあればこそ、問題点が直観的に
目に飛び込んでくる。解決方法が脳裏に
閃く。

❸将来から現在を考えるのが経営者の発想
現在から将来を考えてはいけない。

できないけれど、できるようにする。
できるための工夫をしていく。
それが経営というものである。

発展させなければならないものは、
何としても発展させなければならない。

経営者は常に将来を考えて、そこから
現在をどうするか、今どのような手を
打つべきかを考えねばならない。

❹改善、改革をしていく時には、
今あるものに継ぎ足すのではなく、
全部否定してゼロから発想してみる
勇気を持つことが重要

発明、創意工夫というものはぎりぎりの
線までいかないとでてこない。

だから気になることを徹底的に考え抜く。

❺素直な心こそ、王道の経営の根源である
と共に、経営成功の最高の秘訣である。

素直とは、自然の理法、すなわち本来の
正しさに従うことである。

素直な心で考えて考えて考え抜く。そうし
て結論が出てきたときその結論は限りなく
「最適」に近い解決策になる。

成功する人はそれなりにいるが、成功し
続ける人はなかなかいない。それは、
素直な心を失うからである。

素直な心で何が大事かを考える。
何をしなければならないかを考える。

素直な心は、経営者にとってもっとも
身に付けなければならない資質と言える。

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「正しい人間観」を持つべき責任について私が思うこと

『責任』(responsibility)とは、
自らの対価を払ってでも成し遂げる
覚悟と定義できます。

経営とは、人を大事に思い、正しいことを
責任を持って推し進めることであると
強く認識しています。

経営者は、常に7つのことを意識し続ける
必要があります。これは、過去に私淑した
書籍から学んだ内容です。

❶正しい理念があるか?
❷それは、社会貢献できるものか?
❸それは、目標化されているか?
❹それは、実行されているか?
❺それは、共有できる仲間はいるか?
❻コミュニケーションはとれているか?
❼後継者を育てているか?

バランスよく整っていることが大事です。

『正しい人間観』をイメージできれば、
実現できることだと思っています。

人を大事にし、正しいことを実施する
この一言につきます。

このことを強く意識することが、
本当に大切なのです。

価値を創造する、解決提案をする、
全ては、多くの人々の笑みの為に。

正しい心で、正しい人間観を持ち、
素直な気持ちで、事業を遂行する。

このことが「責任」ある行動である
と、私は思っています。

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まとめ(正しい人間観)

今回は、『経営者の教科書』
(江口克彦)についてお伝えしました。

「正しい人間観」は、とても大事な
常に意識していたい「こと」です。

本書では、経営を進める際の大事なこと
として、国民性、時代性、そして、
普遍性をあげています。

「普遍性」はとても重要なことだと
理解できました。

そして、人を大切にすることが
全ての基本であることも。

「強い理念を持って、人を大切にし、
計画的に正しいことを進める」

この貴重な著者の言葉は、いつまでも
大事にしていきたいと思っています。

経営を進めるには、いつも手元に
自分の肌感にあった一冊を置いて
おくことをお勧めします。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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