『心ひとつの置きどころ』
これは、『中村天風 積極の心』
(清水榮一)に記されている言葉です。
私は、30年前にこの言葉に
惹かれました。
そして、救われました。
腕を骨折したことにより、腰の骨を移植し
接合することになり、3週間の入院となり
ました。
初めての全身麻酔で、目が覚めない可能性
もあるため誓約書を書きました。
医師からの説明が終わったのは、夜の九時
過ぎだったと思います。
病院の暗い廊下を一人病室に戻った記憶が
あります。
骨折後半年経っても折れた腕は繋がらず、
とても不安な時期を過ごしました。
なにか心の頼りとなる書籍を求めて書店
に行き、偶然中村天風氏の書籍を知りま
した。
それは、
『中村天風に学ぶ絶対積極の言葉』
その中で、
「心ひとつの置きどころ」を知りました。
心を「後ろ向き」ではなく、「前向き」
にすることで、積極的に生きる力を
与えられたように感じました。
それから、30年が経過し、偶然書店で
二冊目となる中村天風氏の書籍(本書)
を手にすることになりました。
「逆境に勝つ生き方、積極の心」です。
もし、無人島に1冊だけ持っていく
としたら、今は本書を選ぶと思います。
本書は、8章から構成されています。
・あなたの心が人生を創る
・積極の心が人生を拓く
・素直な心が運を咲かす
・生命輝く言葉を活かそう
・暗示は幸せの特効薬
・生命には無限の力が宿る
・自然治癒力で病に克つ
・欣びと感謝に満ちて
本書で学んだ素敵な言葉
『心ひとつの置きどころで、生き方の
様相は一変する。』
(本書「第二章」より)
逆境に勝つ生き方、積極の心が肝要とする著者の考え
『身に病があろうとも、運命に非なるもの
があろうとも、心まで病ますな』
これは、本書「はしがき」に記された著者
が天風氏から授かった言葉とのことです。
実に、意味深い言葉です。
更にこうも言われたとのことです。
『人生は本来、健康で生き生きと爽やかに
幸福であるように出来ているんだ』
人生を生きるうえでとても勇気を貰える
言葉に感じます。
そして、自分が生涯大切に育てていきたい
信念を創出できるように感じる言葉です。
それでは、本書の中で私が特に興味を
惹かれた箇所を引用しておきます。
◉本書に綴られた考え方を知り、
自分はどう考えどう行動に活すのか、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。
【引用5選】
❶思考すると身体の細胞配列がそれに対し
て同調する。そうなれば行動となって現れ
る。
行動を繰り返せば習慣となり、習慣が重な
性格となる。性格が運命をつくりあげて
いく。
❷積極に振る舞う人には、まずその行為が
正しいものでなければならない。
正しいというのは、人として当然あるべき
筋道や社会的な規範にかなって間違ってい
ないということである。
❸たとえ一言であっても、その影響力は
想像以上のものがある。
❹人間は眠り始めてから1時間から
1時間半たつと、いわゆる創造的次元の
レベルに入る。
❺「人の世のために役立つ」理想をもって
生きて行こう。さあ、いまこそ気力の
「光透波」を響かせよう!
本書に私淑して私が思うこと
『天命は変えられるものではないが、
運命に対してはコントロールしろ』
これは、本書の「第一章」に記された
中村天風氏の言葉です。
自分の人生なのだから、自分で命を運んで
いくべきは必然と思っています。
問題は、その自分が決断し、行動する中身
をどう考えるべきか。
自分が思うままに突き進むのは、正しい姿
とは思えないのです。
では、なにを基準に考え判断すれば良いの
か。このテーマは、私の中で、長く問い続
けてきたことです。
そして、今思うのは、利他の心です。
自利の心ではなく、利他の心です。
その根拠は、中村天風氏から授かった
「こころひとつの置きどころ」です。
それは、人間である故に思い至ること
なのだと思うのです。
人は、ひとりでは、生きていない
のですし、ひとりでは生きていけない
のです。
心地よく、人々の中にあり、
生かされているのですから。
本書から、多くを学んで頂きたいと
思います。
そして、自分自身を深く深く、
見つめ直して頂きたいと思います。
真の自分を知って欲しいと思います。
本書は、そのヒントを与えてくれます。
お勧めしたい一冊です。
まとめ(逆境に勝つ)
人間が存在し、私が存在していること自体
本来は、真実であり、善であり、美なので
あると言わねばならない。
以上は、本書「第六章」に記された
中村天風氏の言葉です。
人間であること、その存在意義を考える
ことは大事なことだと思うのです。
本来の自分を知り、心から信じて
向かうべき先を見据え、そして、
歩き続けねばならないのです。
その長い旅のなかで、幾度となく
訪れる不遇にも耐え、対処せねば
なりません。
そうしたときに、しっかりと前を
向き続けるために、中村天風氏の
言葉は、こころの拠り所となります。
『こころひとつの置きどころ』
救われる言葉です。
本書は、人生を歩み続けるための
勇気と力を与えてくれる一冊になると
思うのです。
ボアソルチ。
株式会社CSI総合研究所
代表取締役 大高英則
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