第7話:生検前夜―覚悟を問う、長い夜の始まり
いよいよ明日は生検(生体検査)。
どうしても心配事は増えるし、前立腺癌の確定ということに対する思いは、やはり複雑だ。
結果が出れば、余命の推定時期を知ることになる。
現段階では、PSA値300、MRIの結果から、**5年生存率は50〜60%**というのが一つの目安だった。
明日すぐに死ぬわけではなさそうだが、この生存率でさえ受け止めるのは容易ではない。
さらに、骨への転移がないために原因がはっきりせず、膵臓癌や肺癌の可能性もあると言われている。その不安はとても大きい。
明日の生検で前立腺癌の確定がなされ、余命の告知もあるだろう。
背中の痛みの原因を調べるために受けた血液検査の結果も、明日聞くことになる。
検査そのものの痛み、そしてその後の経過――特に高熱、血尿、血便、感染症による入院の長期化――もやはり気になる。
しかし、それ以上に気がかりなのは、検査結果を受け止める覚悟が自分にあるのかということだ。
限られた残りの人生を知ること。
それが思っていた以上に短いと知らされたとき、自分はどう気持ちを保てるのか。
生検前夜の今、その心の整理はまだついていない。
検査前のこの時間は、覚悟を持てるかどうか、自分にとって大切な時間になりそうだ。
その心の持ちようによって、残りの人生の歩み方は大きく変わる気がする。
中村天風の言葉――
「心一つの置きどころ」――がふと胸に浮かぶ。
思いは複雑。
長い夜になりそうだ。
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