心の在り方を考える『人間の本性』

書評

「人は悩みがあるから生きていける」

”ぱらぱら”と、本書『人間の本性』
丹羽宇一郎にわういちろうのページをめくり、
この言葉を目にしました。

私がいつの頃からか思い続けてきた言葉
「悩みは成長の源」と重なって”ひらり”
と、心の底に下りてきたのです。

私の読書人生は、「心の在り方」について
考え続ける”時間の旅”です。

そして、「悩み」という言葉が常にテーマ
として存在し続けているのです。

本書を読み終えて、またひとつ、「悩み」
に関わる「心の在り方」を掘り下げること
ができました。

ぜひ、本書を読み進めて頂き、ご自身の
今と将来の「心の在り方」について想う
時を過ごしてみて頂ければと願います。

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心の在り方を知るための素敵な言葉

感情というものは、水のように流れている
ことが大事です。

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悩みとの向かい方に苦慮されている方へ

『悩み』には、2つの種類があると
思うのです。

「困った悩み」と「嬉しい悩み」です。

前者は、トラブルが発生して、解決策が
見いだせないでいる時の悩み。

そして、後者は、高い目標を達成する為に
日々努力する中で生じる問題の悩みです。

何れにしても、本書で語られているのは、
問題から逃げないこと。それができれば、
心が強くなるということです。

私は、こう思うのです。

1つ「悩み」を解決すると、新たな悩みが
生じ、また解決しなければならない状況が
生れる。

人生は、この繰り返し。

しっかりと丁寧に対応していくことが
とても大事であり、それができれば、
成長に繋がる。

本書は、「人間の本性」を探りながら、
人間としての心の在り方を教えてくれた
と感じています。

今抱えている悩みを意識しながら本書を
読み進めてみてください。

きっと、良い方向に心を向けることが
できると思います。

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稀代の読書家である著者の人間の本性についての考え方

『世界最大の資源である”人間”に、最大
の投資をしなければなりません。』

著者のこの言葉が、ずうっと頭に残って
います。

その通りだと思います。

「人への投資」が最も大切だと私も
感じています。

後程お話をしますが、特に若者い世代の
人には、「価値創造」と「解決提案」の
力をつけて欲しいと思っています。

「人材育成」の為の投資が必要なのです。

そして、著者はこう語っています。

『われわれは人間の心と頭の未熟さを
自覚し、知識のなさと心の傲りを自覚
する”とば口”に立っている』

更に、常に知り置くべきこととして、
次のことを強調しています。

『怒り、憎しみ、暴力的な衝動を内包する
”動物の血”が人間には流れていることを
忘れてはいけません。』


『人類誕生以来、人間は”動物の血”を上手
くコントロールすることができず、長きに
わたって同じ過ちを繰り返しています。』

『21世紀を生きる人たちがこれらを自覚
し、過去の人間と違って、心の成長を示
すような賢い判断がこれからできるであ
ろうか?』

私は、こうした著者の危惧と未来への期待
をポジティブにとらえて読み進めていきま
した。

それは、著者の心の物差しが私と非常に
近しく感じられたことによるのだと思っ
います。

おそらくご自身でもっていらっしゃると
思いますが、生きるうえでの判断基準的
なものと比較しながら読み進めて頂けれ
ばと思います。

参考として、私が著者の言葉の中で印象
に残ったものを引用しておきます。

【引用5選】

❶利他の精神がなければ人間ではない

人間という字は人の間と書くように、
人との交わりがあったり、他人を意識
することで、私という自意識が生まれ
人間になるわけです。

人は他者を意識したり、交わったりする
ことで向上心を抱いたり、努力をしたり
喜びを感じたりします。

人は自分だけの為に生きるのではなく、
他人を意識し、人のために何かをする
利他の精神があってこそ人間になるの
だと思います。

❷人は悩みがあるから生きていける

私は悩み事を相談されたら、「悩みが
ないときは死ぬときしかない。問題が
あることは生きている証だ」と話しま
す。

❸人間には人を喜ばせたいという本能
がある

心理学の専門家などによると、人は2
種類の目標を持つとよいといいます。

1つは、こういうことを実現したいと
いう「become」の目標。

もう1つは、こういう人間になりたい
という「being」の目標。

前者だけであれば自分のことにしか目
が行きませんんが、後者を持つと自分
が社会のなかでどのような存在でいた
いかという、一段上の次元にベクトル
が向かいます。

❹的外れな努力は意味がない

ベストな判断をし、ベストな選択をする。
そして、正しい努力を力一杯続ける。
けっしてあきらめることなく最後の一秒
まで努力する。

最後の瞬間の気力と情熱が勝負なのです。
そんな一連の行動からこそ、運は必然的に
もたらされるのだと思います。

❺日本人には笑いが足りない

感情というものは、水のように流れている
ことが大事です。

笑うと免疫細胞が活性化するといわれ、
がんの患者に笑い療法を施す医師もいる
ほどです。

そのくらい笑いには声明を根本から元気
にする力があるわけです。

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人間の本性と心の在り方に関する私の考え方と行動

人間の本性は、著者の考察にあるように
一言でいえば「動物の血」が流れている
ことだと思います。

私も状況によってはそのような状態に
なっている自分を感じる時があります。

かなりの重圧をもって、、、

しかし、そこに「心の在り方」という
もう一つの要素を保持しています。

蓋し、それ故に人生を送ることができて
いるのだと思うのです。
しかも、楽しく、です。

人間は、向かうべき目標を見いだした時、
会っていて楽しく感じる人と出会えた時に
生きている喜びを感じるのだと思います。

後者についての詳細は控えますが、今は
そうした時期を過ごしています。
新しい世界を知り、刺激を受け、実に
楽しいのです。

前者については、自分で苦労して見つけた
目標ほど険しくはあっても楽しんで進んで
いけるように思っています。

しかし、目標達成のためには、必要な能力
と環境が必要です。

私が考えるのは、3つです。

価値創造の能力、問題解決の能力、そして
疲れた心を癒してくれる環境です。

著者の言葉に、「人は悩みがあるから生き
ていける」とあります。

私は「悩みは成長の源」だと思っています。

著者の考えに近しいものを感じています。

価値創造の能力を身に付ける為に、
「考え方のコツ」(松浦弥太郎)
私淑しました。

問題解決については、
問題解決の思考術の著者である
飯久保廣嗣氏に親炙しんしゃしました。

そして、心の癒しとして、
本書「人間の本性」(丹羽宇一郎)
その中の一冊となってくれました。

長きに渡り、
思い続けていることがあります。

科学は日々進歩を遂げるのに、なぜ
人間の思いはこの数千年の間、そう
変わらないのだろうか?

そこには、「動物の血」が脈々として
流れているからなのでしょう。

人間は、人間の本性としっかりと
向き合って生きることが大事です。

子供の頃から大切にしてきた言葉に
「利他の心」があります。

私の生き方は、全てこの「利他の心」
をベースにしています。

これが全てです。

大事に思う人が、喜んでくれる、
その笑顔を見たくて。

その為に一生懸命に考え、形にしていく。

人類の全てが、常にそういう思いの集合体
でいれたら、争いごとの多くは、きっと、
無くなっていくのだと思うのです。

”心の物差し”をしっかりと見つめ、深く
考えて行動をして欲しいと願っています。

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まとめ(悩みは成長の源)

今回は、『人間の本性』(丹羽宇一郎)についてお伝えしました。

本書を読んで、一番心に残った言葉、
それは、やはり「動物の血」です。

実に現実的な表現です。

「悩む」ことは、苦しいことではあります
が、良いことだと思っています。

それは、「成長」に繋がるからです。

困難を乗り越えるために、「心の在り方」
が常に意識され「人間の本性」の行き過ぎ
を押さえ、支えてくれているのだと思って
います。

いかがですか?

生きる力が、少しづつ、ふつふつと
湧きおこる気がしませんか?

本書を読み進めることで、その思いを
体感し、人生を楽しく過ごして頂ける
ことを願っています。

ボアソルチ

株式会社CSI総合研究所
 
代表取締役 大高英則

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