【癌克服奮闘記21】死を見つめる!心の揺らぎを越えて 喜び

健康人生研究

◉PSA検査(正常値0~4ng/mL)を早めに!前立腺癌は早期発見で根治可能です。私はPSA値310でした。グリソンスコア8、前立腺癌、リンパ節と骨に転移し、ステージⅣ(5年生存率30~50%)、根治はなくなり共生の道を探っています。

第21話:喜び 日常の言葉に宿る、かけがえのない喜び

「また明日!」
そう言えることの喜び。

「おはよう!」
と声をかけられることの喜び。

これまで何気なく使ってきた、こうした言葉。
その日常のやりとりが、どれほど貴重で尊いものだったか。
いま、身に染みて感じる。

前立腺癌の進行状況を伝えられた瞬間から、
人生観も、世界の見え方も、どこか変わってきた気がする。

早朝、ベランダから見える景色さえも違って見える。
空気はより新鮮に、
山々の緑は、より深い色合いで心に沁み入る。

人の思いは、変わり続けていく。
そして、その変化は決して悪いものではない。

『死は観念である。生は想像である。』
——これは、三木清の『人生論ノート』に記された言葉である。

今の私には、この言葉が実に得心のいくものに感じられる。
それは、いま置かれているこの状況に導かれてのことなのだろうか。

ひと月前には、思いもしなかった心境である。

書籍「人生論ノート(三木清)」に私淑の日々。

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