◉PSA検査(正常値0~4ng/mL)を早めに!前立腺癌は早期発見で根治可能です。私はPSA値310でした。グリソンスコア8、前立腺癌、リンパ節と骨に転移し、ステージⅣ(5年生存率30~50%)、根治はなくなり共生の道を探っています。
第29話 イクスタンジ治療と知識欲 ― 前立腺がんと向き合う日々、副作用・費用・希望を記録する
はじめに――4回目のホルモン注射と新しい薬「イクスタンジ」
本日は定期検査の日。血液検査の結果、PSA値は4.31まで下がっていました。初診時のPSA310から322まで上がっていましたからそれに比べると大きな改善ですが、主治医の言葉はこうでした。
「もう少しです。4.0以下を目指しましょう。そのために、イクスタンジという薬を追加しましょう。」
こうして私の新しい治療が始まりました。
イクスタンジとは?――前立腺がんの進行を抑える薬
イクスタンジ(一般名:エンザルタミド)は、前立腺がん治療に使われるホルモン療法薬のひとつです。
ポイントは「男性ホルモン(アンドロゲン)」ががん細胞の成長に関わる仕組みを遮断すること。
主な対象となる患者
- 去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)
- 転移性前立腺がん
- 再発リスクが高い非転移性前立腺がん
服用方法と副作用
1日1回の内服薬。副作用としては倦怠感、筋肉痛、ほてり、高血圧、便秘・下痢などがあります。まれにけいれんや転倒のリスクも指摘されています。
費用について
28日分で約22万円。3割負担でおよそ7万円。1錠あたり4,000円という、これまでで最も高額な薬です。
治療の経過――PSA値と体調の変化
イクスタンジ開始後、体調に微妙な変化がありました。微熱、頭痛、腹部の腫れ、骨転移による膝の痛み。
「この程度は受け入れねばならない」と思いつつ、数日続く倦怠感には悩まされます。
夜中、眠れずに時計を気にする時間も増えました。
「抗がん剤治療に移るまで、あとどれくらいか」――そんな不安が胸をよぎります。
今後の治療の見通し
医師からは「まず1か月服用して反応を見ましょう」と言われています。
一般的にイクスタンジは、効果が続く限り投与が続けられます。
しかし、やがてがんが薬に抵抗性を持つようになれば、PSA値は再び上昇し、抗がん剤治療へと進むことになります。
抗がん剤治療のタイミング
- PSA値の再上昇
- 画像診断での進行確認
- 体力や副作用への耐性
これらを総合的に判断し、医師と相談しながら決定されます。
生活習慣とセルフケア
PSAが下がったのは治療だけでなく、日々の生活改善も大きいと思っています。
- 毎朝の散歩(約3500歩)
- トマトジュース、緑茶、牛乳の継続摂取
- 禁酒・禁煙の継続(111日経過)
これらは小さな積み重ねですが、体の抵抗力を支えていると感じます。
心の支え――中村天風の教え
「心ひとつのおきどころ」――中村天風の言葉を思い返すたびに、気持ちが前向きになります。
がんという現実は変えられなくても、心の持ちようは変えることができる。
知識欲と新しい挑戦
副作用で体は重いときもありますが、頭は知識を求めています。
ブルーバックスの物理・化学を読み進め、次は量子力学、シュレーディンガー方程式に挑戦したい。
「知識欲がある限り、生きている実感がある」――そう感じます。
動画に残す「生きた証」
抗がん剤治療に進む前に、できるだけ動画を残したい。
- 「集客ゲート」についての動画
- 「合理的思考」シリーズ
- 孫に向けたメッセージ動画
孫の甲子園出場を祝う日を、自分が直接見られないなら、動画で未来に想いを届けたい。
まとめ――時間が欲しいからこそ、今を生きる
前立腺がんと向き合う日々は、治療と副作用、希望と不安の繰り返しです。
「命の終わりが早まったことだけが確か」――しかし、その時がいつかは誰にもわかりません。
だからこそ、今日をどう生きるかが大切です。
知識を学び、動画を撮り、人に役立つものを残す。
その積み重ねが、私の生きた証になると信じています。
書籍「『いかにして問題をとくか(ポリア著)』に私淑しながら人生を深掘りして前に進みます。
ボアソルチ
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