物事の道理に適う『松下幸之助の思考法』

書評

『商品を売る前に経営理念を売れ』

本書「松下幸之助の思考法」(大西宏)
第5章「経営理念を売る」に記されている
松下幸之助氏の言葉です。

『理念こそ命と考え、経営理念を商品や
行動という形にする。』

この記述を目にして、本書を手元に置きた
いと思いました。

著者は、幸之助氏について、以下のように
本書で語っています。

『彼にとって、経営理念は人生哲学と重な
り、掲げるだけ、目標であるだけでなく、
あらゆる行動を起こすスタートライン、
行動そのものだった。』

この表現から、経営理念がビジネス全般の
行動規範であったことが窺えます。

「経営理念」こそが目標達成に向けて進む
心の拠り所であり、共に歩む同朋どうぼうの結束の
源であると、私は心から深くそう思ってい
ます。

故に、この、「商品を売る前に経営理念を
売れ」という言葉が、とても強く深奥に響
き、事を進める度に深く、深く印象に残る
ことになりました。

それは、今でも事業を進める際に、いつも
自分に問うことを習慣化しています。

・今考えていることは、正しいことか?

・今進めようとしていることは正しいか?

・進めた結果は、正しく人々の心に
受け入れられるか?

全ては、「経営理念」に従って、
ひたすら、思案を繰り返しています。

私が芯に置いている「経営理念」は、
以下の内容です。

◎『価値創造』と『解決提案』に精進し、
人々の笑みを生み続ける社会創りに、
貢献する。

「経営人生」を志し、常に目標達成に向け
た課題と向き合っている方にとって、
本書は、とても良い相談役になってくれる
ことと思います。

お勧め致します。

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本書で学んだ素敵な言葉

『商品を売る前に理念を売る』

経営理念を強く意識して行動してみる。
そのとおりでないことがあれば改革を
企てる。

お得意先に経営理念を具体的な形で
説明する。

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高い志のもと、経営の営みに苦慮されている方へ

高い目標を設定し、その目標達成のため
日々努力されている経営者はとても多い
ことと思います。

しかし、いかがでしょう?

現実は、なかなか思うように進んでいない
ことも多いのではないでしょうか。

それは、設定した目標が高ければ高いほど
問題も多くまた深刻さも大きいものです。

経営を進める以上、いくつかのテーマを
心掛け、実践することが要求されます。

その為に、本書には以下の思考法を身に
付ける必要があると記されています。

・精神力がつく思考法
・人間関係力がつく思考法
・仕事力がつく思考法
・リーダーシップ力がつく思考法
・経営力がつく思考法
・儲ける力がつく思考法

こうした思考法を身に付けることで、
また、目標達成に向けた、問題解決の
能力を身に付けることで、真に思い描
く経営を実践できると思っています。

ぜひ、本書で経営の為の思考法を学び
目標達成に尽力して頂ければと願って
います。

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物事の道理に適った経営を諭す松下幸之助氏の考え

『原理原則に気づき、その偉大な力を
活用する』

本書「松下幸之助の思考法」(大西宏)
第5章にはこう綴られています。

真に「物事の道理に適った経営」を表す
言葉です。

そして、ぜひ、ここに記しておきたい
幸之助氏の言葉があります。

『宇宙に存在するすべてのものは、
日に新たであり常に生成し発展する。

人間は、たえず生成発展する宇宙に
ひそむ偉大な力を開発し、万物に与え
られたそれぞれの本質を生かし、活用
することによって、物心一如の繁栄を
生み出さねばならない。』

こうした原理原則をしっかりと心の深奥に
おくことで、経営の本質が見えてくるのだ
と理解できます。

本書からは、とても多くの教えを受ける
ことができます。そして、自らの考えを
整理し、新たな考えを生み出す知恵を授
かることができると実感できます。

最も心に響いたのは、次の言葉です。

『天地自然の理に従った経営というのは
当然なすべきをなすことに尽きると思い
ます。』

私は、このことを常に考えの規範として
意識し、行動に置き換える覚悟と実践が
必要であると自分に言い聞かせています。

ぜひ、本書から経営者として生きる知恵を
学んで頂きたいと思います。

そして、価値を新しく創造するための本質
を見極め、物事の道理を活かした経営を心
掛けて頂ければと願っておます。

本書で、ぜひ紹介したい思考法を少し
引用しておきたいと思います。

【引用5選】

❶雨が降ったら傘をさす

素直な心とは、従順という意味ではない。
自分の感情、先入観などにとらわれず、
物事をありのままに見ようとする
心である。

人の話も市場の動きも、感情や先入観に
とらわれず、ありのままを聞く、
見ることに努める。

❷結果を読みすぎないで愚直にやる

自分の利害にこだわらないで行動
すると強くなれる。

ときには結果を求めず、利害を超えて
行動する。すぐに結果がでなくても、
そのことで一まわり大きくなれ、
大きな成果に繋がる。

❸問題は1つだけと考える

問題が多くても、「これだ」と思う
ただ一つの本質を捉える。

常に本質をつかもうと心がける。

問題があってもすぐにはとりかからず、
いくつかの原因を突き止める。

それらと繋がっている根因を突き詰め、
総力を挙げてとどめを刺す。

❹真似はしても真似はされない

真似をしても独自の工夫を凝らし、
一番手を追い抜く。

創造性をニーズの1歩先に凝縮し、
独自性で広い大衆受けを狙う。

❺専業を極めて無限に広がる

どんな仕事も集中して極めれば、
その仕事を中心に無限に広がって
いく。

得手のことで穴を掘るなら、水が湧きだす
まで掘り続ける。そうして、他の水脈よ
つなげて新しい価値連鎖を起こす。

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物事の道理に適い、自己革新となる思考法についての私の考え

私は、幸之助氏の次の言葉が、とて
も好きです。

『かつてない困難からは、かつてない
革新が生まれる。』

『かつてない革新からは、かつてない
飛躍が生まれる。』

長い人生、そして、経営において、
「困難」はつきものです。

目標が高ければ高いほど、
「困難」は大きく、又長期化します。

この人生の宿命ともいえる
問題との格闘。

現状を把握し、真に問題であるならば
解決策を講じる必要があります。

その際の大事なこととしては、まずは
問題の本質を突き止めること。

ここが正しく処理されなければ、完璧
な対策を講じることはできません。

そして、対策として絶対に押えておく
べきことは、人々のために正しいこと
であるか、ということです。

正しさの指針は、経営理念です。
問題の事象によっては、対策が経営理念に
合わない場合もあります。その際には、
その対策を変える必要があります。

それが、「革新」となります。
そして、その結果、経営者として「飛躍」
できるのだと思うのです。

経営者として、日々問題解決に取り組む
ことは、非常に大事です。

その際に、判断の指針となるのが、
本書で紹介されている松下幸之助氏の
思考法です。

目次を見て、興味をひく項目から読み
進めていけばよいと思います。

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まとめ(物事の道理に適う「思考法」)

今回は、『松下幸之助の思考法』
(大西宏)についてお伝えしました。

本書で紹介されている多くの思考法は、
どれも限られた時間と情報の中で決断し、
断行すべき際の指針となります。

ぜひ、多くの経営者、あるいは、部門責任
者の方々に読んで頂きたいと思います。

松下幸之助氏の59の成功法則が、事業
発展に大きく貢献してくれることを私は
信じて疑いません。

基本は、自分が考えた経営理念に沿って、
正しい事業を進めることです。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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