『60分で読めるけど一生あなたを
離さない本』
これは、本書『アイデアの作り方』
(ジェームズ・ウェブ・ヤング)の
表紙に記されている言葉です。
日々新たなアイデアを求めている私は、
このAdvertising sloganに一瞬で惹かれ
本書は、今私が常に手元に置く書籍の
筆頭となっています。
新たなアイデアは、作り方が存在すると
いうこと、2つのことを意識することで
身につくということを知りました。
しかし、それは、2つの定義を目にした
瞬間に理解できるものではなく、時間を
要するということも体感しました。
アイデア創出の技術は存在するが、実践
できる人は少ないということは、本書を
深く私淑することで理解できます。
ぜひ、多くの人に本書に示されている
アイデア創出の取り組みに挑戦をして
頂きたいと願っています。
本書は以下の章で構成されています。
・経験による公式
・心を訓練すること
・既存の要素を組み合わせること
・アイデアは新しい組み合わせである
・心の消化過程
・つねにそれを考えていること
・最後の段階
本書で学んだ素敵な言葉
アイデアとは要素の新しい組み合わせ
以外の何物でもない。
本書「アイデアの作り方」より
新しいアイデアを日々求めるあなたへ!
『知識は、よく消化されて最終的に、新鮮
な組み合わせと関連性をもった姿となって
心に浮かび出てこなければ意味がない。』
本書「序」章に記された著者のこの
言葉に大変興味を持ちました。
実に、いい雰囲気を醸し出す
とても、良い言葉ですね。
アイデア創出の根源となるものとは、
いったい何なのか?
それを突き詰めていけば、アイデアを
生み出す道程をある程度定めることが
できるのではないか?
そして、それは、努力を厭わなければ
誰にでも手に入れることができる技術
になるのではないか?
そう私は考えるようになりました。
著者が強調して示しているのは、
この「アイデア創出」のシナリオは存在
するということ、
加えて、それは誰にでも簡単にできる
ものではないということ、
そう私は、理解をしています。
努力と工夫の結果、得ることができる
「創出の技術」であると、
理解をしています。
日々、新たな「アイデア創出」に挑んで
いる方には、ぜひ、本書に記されたその
ヒントを知って頂きたいと願っています。
アイデア創出を指南する著者の考え方
『どんな技術を習得する場合にも、
学ぶべき大切なことは、まず第一に
原理であり、第二にその方法である。
これは、アイデアを作りだす技術に
ついても同じことである。』
これは、本書「心を訓練すること」の
章に記された著者の言葉です。
「原理」と「方法」、実に根源的な解釈で
あり、得心の行く言葉に感じました。
やはり、真の功利を求めるのであれば、
その基にある考え方に納得できることが
全てであるように思うのです。
著者はそのことに重きをおいている故に、
説得力のある言葉として、私の心に響いた
のだと思っています。
さらに、著者は次のように記しています。
『特殊な断片的知識というものは全く
役に立たない。
原理と方法こそがすべてである。
広告の原理と方法に十分な見識さえ
もっていれば、技術者の援助を得る
ことにより十分広告効果をあげるこ
ともできるのである。』
アイデアを創りだすために、源泉にある
原理に意識を集中することの重要性を
著者は気付かせてくれます。
それは、「生み出したい」アイデアに
いつも意識を向け、考え続けることが
いかに大事であるかを示してくれます。
私が本書から最も興味を得たのは、
「アイデア創出」の基本について、実に
シンプルな表現で示されていることです。
それは、以下の二文で表されています。
・アイデアとは既存の要素の新しい
組み合わせ以外の何ものでもない。
・既存の要素を新しい一つの組み合わせに
導く才能は、事物の関連性をみつけ出す
才能に依存するところが大きい。
具体的なアイデア創出の手順が示されて
いるわけではありませんので、最初は、
理解に苦慮する面があります。
しかし、本書を読み進めるうちに、
その意味するところを理解できるように
なります。
そして、なにより本書を私淑する効果は、
「自ら考えて、アイデア創出の手がかりを
独力で見つけ出す力」を授けてくれること
です。
ぜひ、著者が伝えるこの指南の書「アイデ
アの作り方」が示唆する実践の為の知恵を
体感して頂きたいと願っています。
では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。
本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのかを、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。
【引用5選】
❶広告のアイデアは、製品と消費者に関す
る特殊知識と人生とこの世の種々様々な出
来事についての一般知識との新しい組み合
わせから生まれてくるものなのである。
❷知っておくべき一番大切なことは、ある
特定のアイデアをどこから探し出してくる
かということではなく、
すべてのアイデアが作りだされる方法に心
を訓練する仕方であり、すべてのアイデア
の源泉にある原理を把握する方法なのであ
る。
❸既存の要素を新しい一つの組み合わせに
導く才能は、事物の関連性をみつけ出す才
能に依存するところが大きい。
❹事実というものは、あまりまともに直視
したり、字義通り解釈しない方が一層早く
その意味を啓示することがままある。
❺言葉は人事不省に陥っているアイデアだ
といってもいいと思う。言葉をマスターす
るとアイデアはよく息を吹きかえしてくる
ものである。
言葉はアイデアのシンボルなので、言葉を
集めることによってアイデアを集めること
もできるのである。
本書に私淑して私が思うこと
『最後に一つ、重要な注意事項がある。
それは方法論や道具に凝ることなく、
直ちに仕事を始めよということである。』
これは、本書「解説」で紹介されている
竹内均氏の言葉です。
実に、実践的な価値ある貴重な言葉です。
そして、氏の記された次の言葉は、生涯
忘れられない大切なもののひとつになり
ました。
『私の考えでは、好きなことをやり、それ
で食べることができ、その上それが他人の
ためにもいささかの役にたった人生が自己
実現の人生であり、理想の人生である。』
本書の最終ページを閉じたとき、
私は、『アイデアの創出』について、
こんなふうに感じるようになっていました。
それは、
『心眼の力を信じ、ものごとの道理と
事との関係性を心の泉に浮かべる。
「交わりの重さ」で、一旦沈みゆき、
やがて浮かび上がってくる
「一点の輝き」に注視する。
それができる心を磨き上げることこそが、
アイデア創出の極意である。』
心からそう確信できるように
なったのです。
アイデアは、覚悟と努力を続ける限り、
生み出すことができるのです。
原理を見極めれば、きっとその先には、
『アイデア創出』のための方法と
もとめる結果が待っているのです。
それを見い出せた瞬間に、即時、実行する
ことが、なによりも肝要なことであり、
尊いことであると強く信じています。
まとめ(「アイデア創出」)
今回は、『アイデアの作り方』(ジェー
ムズ・W・ヤング』についてお伝えしま
した。
最後に訳者今井茂雄氏の言葉を
紹介します。
『寝食も忘れる創造の楽しさの源は、手が
ける商品やサービス、経営理念といったル
ール、ヤングのいう「特殊資料」にある、
ということになる。」
いかがでしょうか?
この短い数行に込められた訳者の思いは、
伝わりましたか?
この「特殊資料」が『アイデア創出』に
非常に大きなウェートを占めています。
本書を読み進める中で、徐々に理解を
深めて頂きたいと願っています。
「創造の楽しさ」ということを見つめる
時間をぜひ、つくって頂きたいと思うの
です。
きっと、あなたの人生の楽しさが
増してくることと思います。
ボアソルチ。
株式会社CSI総合研究所
代表取締役 大高英則
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