知行合一『安岡正篤最上の人生設計』

書評

『人間は、理性や感性を超越したものに
よって動かされている。』

これは、本書『安岡正篤最上の人生設計』
(寺師睦宗)
に記されている言葉です。

心に強く残り、そして、興味を誘う言葉
でもある、とそのように感じました。

「超越したもの」とは?

安岡正篤氏は、それを『無明』と言う
と表現しています。

無明とは、真理に暗いことで、根源的な
無知のことであると説明をしている。

『無明』をWikipediaで調べると、
以下のように記されています。

「仏教用語で、無知のこと。この概念は、
形而上学的な世界の性質、とりわけ世界
が無常および無我であることの教義につ
いての無知を指す。無明は苦の根源で
あり、最初の因縁の輪に結びつき、
繰り返す転生の始まりとなる。」


人間を動かしている「なにか強い力」が
存在していることは確か、それが無明で
あるという著者の言葉。

いまひとつ理解に苦慮しながら、しかし
とても気になる。こうして私の
「せきがくの旅」は、始まりました。

本書は、5つの章で構成されています。
じっくりと、自分の考えと照らし合わせ
ながら読み進めて頂ければと思います。

・一日五分、この意味を知る人が
自分を変えられる

・人生の五計ー自分の生き方を練り直す

・人生の答えはすべてこの「知恵」の
中にある

・安岡流・ストレス知らず、退屈知らず
の「生活術」

・生きる愉しみーこれが最上の人生設計

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本書で学んだ素敵な言葉

人間は信じることが大事である。(信力しんりき

(本書「第3章」より)

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知行合一の実践法を教える著者の考え方

『現在の仕事を自分の生涯の仕事として
打ち込むこと。そして、それを信念にまで
高めなければ自己の確立はありえない。』

これは本書「まえがけ」に記されている
安岡正篤氏の言葉です。

実に得心の行く「重く」感じる言葉です。

著者が医師として西洋医学から漢方医学
に切り換え、すさまじい生活苦に襲われ
た際の心境と生涯の師と称す安岡正篤氏
から授かった教えの深みを感じるのです。

著者は、当時の思いを以下のように
綴っています。

『先生の教えがそのまま私の人生における
「精神的支柱」となった。』

冒頭の「信念にまで高めなければ、自己の
確立はありえない。』

この言葉が著者の深奥に深く深く入り込ん
でいった様が手に取るようにわかるような
気がします。

そして、わが身の現況に同化し、希望の
頼りとして、しっかり寄り添ってくれた
そう感じることができたのです。

本書に私淑した時間は、大変大きな価値
を得ることができたように思っています。

では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。

本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのか、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。

【引用5選】

❶知識が見識となり、見識が胆識となって
はじめて、知が行となっていく。

❷正念とは、意識の奥にある無意識の世界
を正しくするということである。

❸物質的欲望やイデオロギーに犯され、
人間らしい生き方を忘れている人たちに
とって指針となすべきものが人生の五計で
ある。(生計、身計、家計、老計、死計)

❹本当の禅定、すなわち智慧が身につくと
些細なことからも、実に深い意味を発見す
る。

❺信じて念ずると、不可能なようなことも
可能になる。本当の信念というのは、もの
すごいものなのである。

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本書に私淑して私が思うこと

「自分の仕事を信念まで高めまければ
自己の確立はありえない。」

本書に記されてあったこの言葉は、
私の心にしっかりと納まり、そして
「強い自信」を与えてくれました。

過去にない新たな仕組みを創り上げること
は、とても大変なことです。

私も長い時間をかけて
取り組んできました。

やっと成果がでてきましたが、それは
とても苦しく、厳しい時間を過ごして
きました。

言葉の力は、とても「不思議」なもので、
そして、「力強い」と言えます。

結果がでるまで支えてくれたのは、
やはり心ある支援者の言葉でした。

その力の大きさと影響は、本書に記された
内容を私淑することで、裏付けされていき
ます。

今思うのは、もっと早く本書に出会い
たかったということです。

それ故、少しでも多くの方に本書を知って
頂きたいと強く願っています。

特に新たな創造に挑む事業経営者の方々
には、ぜひ一読されますことをお勧めし
ています。

本書表紙にある「自分を賭ける愉しみを
持て」というサブタイトルを目にして
頂ければと思います。

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まとめ(「知行合一」)

私は多くの私淑と親炙を繰り返してきました。

その中でいつも強く心に抱いているのは、
『学んだことは「実践」しなければ、
意味をなさない』ということです。

本書で繰り返し述べられている
「知行合一」という言葉と重なります。

読書であれば作者は、なぜそれをテーマと
したのか、その問題をどう考えたのか、
自分はどう考えてどう行動に活かすのか。

面談であっても、作者を面談者に置き換え
同様の思考を進めます。

常に考え、実践することが、生きることで
あると心が、身体がそう振る舞います。

問題に遭遇し、過去に解決事例がない場合
は、まずは書籍を探します。あるいは、
類似問題に接した先人に人に会いに
行きます。

そして、じっくり考えて決断し、断行する
ことが、生き方の基本と考えています。

しかし、過去に解決事例がない場合は、
覚悟を持って解決策を策定します。

故に「せきがくの旅」を続けています。

人生の刺激を求めて、知行合一の生き方を
お勧めします。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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