心にゆとりを齎す合理的な解決方法とは?『方法序説』

書評

それほど時間をかけず、問題を解決できる
方法をイメージできたら、いかがですか?

今では、そのための考え方を技術として
身につけたことにより、生き方に余裕を
持つことができるようになりました。

以前は、「これであれば、いける!」と
確信できるまで、どうしても時間がかか
ってしまい、

当然解決できる問題の数には限界があり
それを越して対処したことで想像以上の
ストレスに悩まされることに。

「解決方法を学ばなければならない!」

精神力には自信がありましたが眠れず、
さすがに限界を感じた早朝、独学で
合理的思考を探る決意をしました。

2人の著者に私淑し、内一人には親炙を
することで、その思いを遂げることが
できました。

最初に手にしたのは、ルネ・デカルト
「方法序説」です。

4つの規則が、私の求める理想の解決
方法に近づけてくれました。

残りの一冊は、直接ご指導頂いた
飯久保廣嗣氏の「問題解決の思考術」
(氏は、私が最も尊敬する方です。)

この書籍は、私のブログ「せきがくの
旅!人生を楽しむ考え方
で2回目に
紹介をさせて頂いています。

今回は、じっくりと味わって頂きたい
「方法序説」についてご紹介します。

正確なタイトルは、
「理性を正しく導き、学問において心理
を探求するための方法の話(序説
)」
です。

「コギト・エル・ゴスム」
(我思う、故に我在り」は、
 あまりにも有名ですね!

デカルトが人文学を修めた後、実世界の
中で作り上げた解決の方法を日々の生活
に活かして頂けることを願っています。

では、ゆっくりと読み進めて下さい!

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腑に落ちる解決方法に導いてくれた言葉

『一つのことから他のことを演繹するのに
必要な順序を常に守りさえすれば、どんな
に遠く離れたものにも結局は到達できる』
(ルネ・デカルト)

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日々の問題とその解決方法に苦慮している方へ

冒頭お話しましたように決断を求められる
日々に少々草臥れていました。

私と同じように日々相談を受ける立場の方
であれば、こんな悩みを抱えていらっしゃ
ることと思いますが、いかがでしょう?

✅情報が少なく、期日まで時間がない!
✅問題が複雑で解決できていない!
✅テーマが大きく解決策がわからない!

決断をするためには、効率よく情報を集
め、正しい判断基準を元に自らの頭で考
えて、正しい選択、若しくは策定をしな
ければなりません。

そのためには、やはり思考技術を学ぶ
必要があります。

まずは、いろいろな思考技術に触れて
みて自分の肌感にあうものを選ばれる
ことをお勧めします。

そのうえで自分流の考え方を確立する
ことが肝要かと。

では、あなたの肌感に合うことを願って、
著者デカルトの考え方を整理してみます。

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著者が格率した解決のための方法論

良識はこの世でもっとも公平に分け与え
られているものである。」

この1行から「方法序説」は始まります。

そして、こう続きます。

「正しく判断し、真と偽を区別する能力、
これこそ、ほんらい良識とか理性と呼ば
れているものだが、そういう能力がすべ
ての人に生まれつき平等に備わっている」

「だから、私たちの意見が分かれるのは
ある人が他人よりも理性があるということ
によるのではなく、

私たちが思考を異なる道筋で導き、
同一のことを考察してはいない
ことから生じるのである。」、と。

「決断」をするためには、自分にあった
「心の物差し」が必要です。

デカルトのこの「良識」についての考え
方は、物事を判断するときに前提として
心に留めておきたいことの1つです。

このことを理解できた先で目にした
「方法序説」で最も参考になった内容、
それが、「4つの規則」です。

❶速断と偏見を避ける

❷難問の1つ1つを小部分に分解する

❸思考を順序に従って導く

❹見落しがないことを確信する

短くまとめるとこんな感じになります。

「4つの規則」の概要を押さえたうえで、
デカルトの詳述を味わって頂きたいと
思います。

後程私の感じたこと、そして、その後の
実践状況についてお伝えしますが、
ぜひ、ご自身でも考えてみて下さい。

■「4つの規則」(その1)

第一は、わたしが明証的に真であると認め
るのでなければ、どんなことも真として受
け入れないことだった。

言い換えれば、注意深く速断と偏見を避け
ること、そして疑いをさしはさむ余地がな
いほど明晰かつ判明に精神に現れるもの以
外は、何もわたしの判断の中に含めないこ
と。

■「4つの規則」(その2)

第二は、私が検討する難問の1つ1つを、
できるだけ多くの、しかも問題をよりよく
解くために必要なだけの小部分に分解する
こと。

■「4つの規則」(その3)

第三は、わたしの思考を順序に従って導く
こと。そこでは、もっとも単純でもっとも
認識しやすいものから始めて、少しずつ、
階段を昇るようにして、もっとも複雑なも
のの認識まで昇っていき、自然のままでは
互いに前後の順序がつかないものの間にさ
えも順序を想定して進むこと。

■「4つの規則」(その4)

そして、最後は、すべての場合に、完全な
枚挙と全体にわたる見直しをして、なにも
見落とさなかったと確信すること。

いかがでしたでしょうか?

ご自身のそれまでの考え方に対して、何か
変化が生まれそうな予感がしませんか?

私は、物事の見方、考え方、進め方、確認
の仕方について学べたように感じました。

それは、決断後の安心感にも繋がります。

では、私がデカルトの考え方を知り、
自分ではどう考え、実践してきたか
についてお伝えします。

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私が辿り着いた肌に合う解決方法と実践

想定外の問題が発生した!
急に深刻な相談を受けた!
即時決断を要する事態になった!

こうした状況は、年齢を重ね要職に就くと
増えていくと思います。

私は、「限られた情報と時間」の中で、
決断し、断行するための「思考技術」に
ついて考えてきました。

その「思考技術」は、「合理的思考」と
「思考指針」を包摂したものであるべき
と考えています。

私にとっての前者は現状把握、原因究明、
意思決定、リスク分析の4つのプロセス
です。(「問題解決の思考技術」)

後者は「方法序説」の4つの規則です。

デカルトが深い思考の末に辿り着いた
「思考指針」、問題解決の考え方として
非常に重要だと考えています。

私が考える「思考技術」はこうです。

1.現状把握

問題とは、「あるべき姿(目標)」と
「現実」との差。

目標が明確に定まっていることと、
現状をしっかりと把握できていること
が問題解決の前提となります。

そのために問題解決に着手した場合は、
まず「現状把握」を行います。

ヒアリングと調査をした結果、実は
問題ではなかったということも中には
あります。

2.原因究明

問題が明確になった段階で、問題になって
いる事象と、問題がない事象を4つの項目
で比較し特異性を分析します。

仮説を立て、全ての事象を説明できる原因
を検証していきます。

1つの原因で複数の事象を解明できる場合
がありますし、1つの事象が複合原因によ
る場合がありますので、深い追及技術を要
します。

3.意思決定

原因が究明できたら対策を複数考えます。
対策の性質は、選択か策定です。

前者は、過去の類似問題に対して実施した
対策、後者は類似問題がなく、新たに講じ
る必要のある対策です。

期待成果と制約条件の中で、最善の策を
決定します。

4.リスク分析

選択、あるいは策定した対策の将来問題
を考え、その問題が起きないように予防
策、起きた時の発生時対策を考えます。

各々対策は、将来問題の発生確率と影響
度で判断をして決定します。

以上が、私が問題解決で実践している
「思考技術」の概要です。

繰り返しになりますが、この「思考技術」
を実践するための基本的な指針は、
「方法序説」から得ています。

デカルトの「4つの規則」を知ることで
「思考技術」が深いものとなり、安定し
て問題解決を進めることができることを
実感しています。

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自分に合った解決方法を求めて

「方法序説」は六部で構成されています。

第一部:学問に関する考察
第二部:デカルトが探求した方法の規則
第三部:方法から引出した道徳上の規則
第四部:神の存在と人間の魂の存在証明
第五部:自然科学の諸問題の秩序
第六部:本書を執筆した理由

ぜひ、ご自身の問題解決の考え方と比較
しながらデカルトの基本思想を読み進め
て頂きたいと思います。

「限られた時間と情報」の中で、最も相応
しい解決策を見いだすためには、自分に合
った「思考方法」を選ぶことです。

いくつかの「思考方法」を研究し、実践し
その中で「自分流」の考え方を確立するこ
とが望ましいでしょう。

デカルトの「方法序説」をその研究図書の
1つとして、ぜひ手に取って読み込んでみ
て下さい。

全103頁、ページ数は少ないのですが、
内容には十分満足して頂けるはずです。

できれば、いつも手元に置いて繰り返し
読み込んで頂ければと思います。

「思考技術」が多くの問題を限られた
時間内での平和的、かつ建設的な解決
に導いてくれるものと信じています。

ボアソルチ!

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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