第5話:痛みのなかで ― わからなさと共にある日
今、背中の激しい痛みに耐えながら、これを記しています。
座薬を使っても痛みは和らぎません。
息を止めながら、一行一行、なんとか文字を綴っています。
今日は正直に言えば、弱気です。
「痛みに慣れる」なんて、やはり理屈でした。
この苦しみが続けば、心まで沈みそうになります。
さらに――
原因がまだ明確ではないという事実が、不安を大きくしています。
前立腺癌の疑い、PSA値の高さはある。
けれど、骨への転移は?
この背中の痛みは本当にそれが原因なのか?
それとも、まったく別の何かがあるのか?
“わからない”ということは、心をどこへも置けなくします。
この不確かさが、痛みとは違ったかたちで私を追い詰めているのかもしれません。
でも、だからこそ今、この気持ちを残しておきたいと思いました。
「大丈夫」「頑張ろう」だけでは語れない日もあります。
そんな自分を、ありのまま記しておきたいのです。
もし、これを誰かが読むときに、
「こんな日もある。でも、それでも書こうとした人がいた」と感じてもらえるなら、
この痛みも、不安も、きっと意味があるのだと信じたい。
また明日。
そう言える日を願って、今日はこれで終わります。
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