生き抜く知恵とは『論語がよくわかる』

書評

『子曰く、異端を攻むるは斯れ害のみ』

これは、本書『孔子が説いた現代社会に
役立つ知恵「論語がよくわかる」』
(石田琢智監修)
の「第1章(学ぶという
こと)」に記された言葉です。

孔子の教えの中でも、特に気に入っている
言葉の一つです。

著者は、「学問に王道なし」
明確に記しています。

『王道といわれる道を学んでもいないのに
裏の道や別の道を専攻することは害にしか
ならない』

著者は、こう解説しています。

実にわかりやすく、得心できる内容です。

私は、いくつになっても素直に学ぶことが
とても大切なことだと考えています。

その際には、まずは「基本」を学び、
「本質」を理解することが大事だと
思っています。

そして、自分の頭で考え、行動に活かす
ことをいつも心がけています。

この言葉は、自分の生き方に合っている、
そう言い切ることができます。

人生を生き抜くには、肌に合う、そして、
心から信じることができる言葉を持って
いることがとても大事なことなのです。

本書は、そうした言葉に出会う為の
宝庫といえます。

ぜひ、ご自身の生き方と照らし合わせ
ながら、読み進めて頂きたい1冊です。

では、良い「せきがくの旅」を!

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本書で学んだ素敵な言葉

『子曰く、徳は孤ならず。必ず隣あり。』

徳があって孤立することはない。
必ず人はついてくるものである。

(本書「2章」(仕事というもの)より)

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生き抜く知恵を身につけたいあなたへ

人は、人生を歩みゆく中で、きっと
「論語を学びたい」と思うタイミングが
訪れると思うのです。

今こうして私のブログを読んでくださって
いるあなたは、いかがですか?

私は、こう思うのです。

人は、目標(志)が明確になる時が
必ず訪れる。

そこに向かい、到達するには、多くの
困難を伴う。

それは、目標(志)が大きければ、
大きいほど、困難の比重は高まる。

しかし、達成できた時の喜びは、
困難な思い以上に大きくなる。

そう勇気づけて、実現に導いてくれるもの
が、心から私淑、親炙ができる書物なのだ
と思っています。

そうした書物の一つが、「論語」だと
実感しています。

私は、これまでの人生で、幾度かあった
重要な岐路において、「論語」を読み、
考え、決断し、行動に移してきました。

論語は、間違いなく、
人生を支えてくれます。

「正しく」生きること、
私にとっては、それが全てです。

そのために、「論語」は、大事なのです。

「論語」を学べる書籍は、
たくさんあります。

ご自身にあった読みやすいものを手に
されれば良いと思います。

本書もきっとあなたの人生を支えて
くれる一冊になると思います。

お勧めします。

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「生き抜く知恵」を与える著者の考え

紀元前6~5世紀頃の中国の思想家である
孔子の教えをまとめた「論語」。

皆さんは、どんなイメージ、あるいは、
感想をお持ちでしょうか?

私は、「論語」の他にはない1つの特徴に
興味を持っています。

本書では、そのことが以下のように
記されています。

『同じ内容について弟子が質問してきた
ことに対して、孔子がそれぞれの弟子に
合わせた答えをしている点は、「論語」
のひとつの面白さとなっています。』

この「それぞれに合わせた答え」が、
いいですね。

私は、これまで研修講師として、
1,500人以上の方々に接してきました。

「同じ内容」であっても、人によって、
その理解力は異なるということを
実体験として、よく心得ています。

その際に意識するのが、この論語に記され
ている孔子の弟子に対する接し方です。

理解の度合いに合わせて異なった角度から
説明をする工夫を心がけています。

誰に対しても一律に同じ説明の仕方を
するようなことは、ありません。

そのために、私の研修では最初に
4つの質問をするようにしています。

その質問で、始めて会った研修生でも、
どのような性格で、どのような考え方を
基本としているのかが概ねわかります。

その人に合った「説明の仕方」をする
ようにしています。

本書に記された以下の言葉も、私にとって
は、非常に重要なものとなっています。

『語りかける相手が違っても、答え方を変
えても、孔子が伝えようとしていることは
人間としてのモラルを身につけることを
第一にしなさいという教えです。』

実に、共感できる内容です。

私は、「モラル」(道徳)というものは、
全てのことに通ずるとても大事なことだ
と思っています。

人と通じ、考え方を共有し、新たなものを
築き上げていく行いを目指す際には、
とても大切なことだと考えています。

そして、本書に記された次の言葉は、
心に残り、とても好きです。

『孔子のことばは、人の心を静かに
やさしく揺さぶります。』

「人生を生き抜く知恵」として、
いつも手元におきたい「私淑の書」
のひとつです。

ぜひ、一読されることをお勧めしたいと
思います。

では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。

本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのかを、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。

【引用5選】

❶学ぶということ

子曰く、学は及ばざるがごとくするも、
猶おこれを失わんことを恐る。

学問とは追いつくことのできないものを
追うようなもので、それでも追いつくこ
とができないと恐れるようでなければな
らない。

❷仕事というもの

子曰く、これを知る者はこれを好む者に
如かず。これを好むものは、これを楽し
む者に如かず。

知っているということは、好むというこ
とに及ばない。好むということは、楽し
むことにはさらに及ばない。

❸善い生き方とは

子曰く、吾れ十有五にして学に志す。
三十にして立つ。四十にして惑わず。
五十にして天命を知る。六十にして
耳順う。七十にして心の欲する所に
従って、矩を踰えず。

わたしは十五歳で学問を志し、三十
歳になると独立した立場を得た。

四十歳になると、迷うことがなくなり、
五十歳になると天命をわきまえるよう
になった。六十歳になると、人のいう
ことを素直に聞くことができるように
なって、七十歳になると思ったように
ふるまっても、道をはずれるというこ
とはなくなった。

❹人とどう付き合うのか

子曰く、君子は言にとつにして、行に敏な
らんと欲す。

君子は、ことばはゆっくりと重たくても
よいけれど、行動は俊敏に行うようであ
りたい。

❺心を込めるということ

子曰く、君子はたいらかに蕩蕩たり。
小人は長しえに戚戚たり。

君子は平安でのびのびしているが、
小人はいつでもくよくよしている。

心の持ち方ひとつで、人生をゆったりと
生きていくことができるのならば、小人
として生きるよりも君子として生きたい
と思うのではないでしょうか。

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本書に私淑して私が思うこと

本書を読み終えてみて、深く心に残った
言葉が2つあります。

◎『今すぐではなくても、いつか困った
ときに自分を立て直す心の支えとなる為
に論語を教えておきたい』

◎『論語の教えが全てではありませんが、
幅広い、奥深い思考をするための入門と
しての価値は高いと思われます。』

私にとっては、いづれも起業前後の壁に
ぶつかった際に実感したことで、論語は
とても心の支えになってくれました。

そして、それは、今でも現在進行形の
形で私を支えてくれています。

起業の際に心身を鍛え直すと決意をし、
2つの取り組みを始め、今も継続中。

そもそもの起業の理由は、ただ1つ。

『正しい行いで、正しい事業を進める』
ということです。

それを怠る企業組織に身を置くことは、
したくない、その思い1点でした。

正しい選択でした。

今は正しい生き方、事業の進め方により、
素敵な仲間とともに、楽しく価値創造に
取り組む日々を送っています。

本書『孔子が説いた現代社会に役立つ知恵
「論語がよくわかる」』
に出会えたことに
感謝をしています。

図解の工夫により、とても理解しやすい
内容にまとめられていました。

「論語」の入門書としては、最適だと
思います。お勧めです。

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まとめ(「論語の知恵」)

今回は『論語がよくわかる』
(石田琢智監修)
についてお伝えしました。

サブタイトルは、「孔子が説いた現代社会
に役立つ知恵」です。

『正しく生きる』

これは、私が最も大切にしていることです。

「物事の判断基準」として、最初に考える
ことです。

その力を養うには、「論語」は、とても
相応しいと考えています。

正しいモラル(道徳)を身に付け、
維持し続けることは、困難を伴います。

それは、人生を生き抜くうえでは、
いろいろな環境に身を置くことに
なるためです。

その時々において、正しく生きる為には、
「判断基準(心の物指し)」をしっかりと
自分の中に持つことが必要です。

「せきがくの旅」が必要なのです。

ぜひ、自分の肌にあった「論語」を
習得できる書物を手元において頂きたい

そう、願っています。

あなたの「素敵な人生」を築くために!

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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