「哲学」とはなにか?
私は、こう思っています。
哲学とは、自分探し。
本当の自分を知り、
本当にやりたいことを見つける。
その為に知恵を学び人生を旅すること。
少し高尚な言い方に纏めるならば、
哲学とは、探求する叡智な人生観。
哲学のテーマとしては、人生、科学、社会
がありますが、皆さんは、哲学というと、
どんなイメージをお持ちですか?
もし、考えてみたことがない方は、今、
紙とペンを用意して、敢えて手書きで
書いてみることをお勧めします。
哲学が、身近なものに感じてくる
ことと思います。
因みに、上記の私の哲学の定義は、
10分間と決めて、紙に書いてみた
その結果です。
なにごとも、やってみることです。
この手書きという行為を実行した段階で、
あなただけの哲学、他のだれのものでも
ない、あなただけの哲学が始まっている
ことと思います。
人生が1つ広がった感覚を持って頂けた
のではないかと思います。
多くある哲学書、あるいは、入門書の中で
『世界十五大哲学』(大井正、寺沢恒信)
を選んだのはこの序文の1行によります。
「哲学は他人から教わることはできない、
それは自ら求めることができるだけである
といわれている。」
自分で深く深く考えてみることが大事で、
しかもそれは、人生において、とても
必要なことだと思うのです。
本書ではこういう言い方もされています。
「すべての人間はまた、哲学者である」
人はみな、日々、
「哲学」をしているのだと思うのです。
但し、その「哲学」を進める際には、
大事なことがあります。
それは、正しい方向に向かって
「哲学」をするということです。
ぜひ、本書の名言録を参考に、人につい
て、そして、人生について、考えてみる
ことをお勧めします。
では、早速、本書を読み進めて
参りましょう!
人生観を深める素敵な言葉
過去の事柄を無視しては、新しい創造に
向かうことはできない。
もし、自分を見失いかけていると感じたら、、、
・向かうべき目標がない
・楽しいと感じることがない
・生きている喜びを感じない
もし、こうした状況にあって、日常が
輝いていないという感じがあるのでし
たら、
今、この瞬間から自分探しを
始めてみませんか?
哲学を始める!
それは、哲学者がなぜ、その問題を
取り上げたのか?
そして、どう考えたのか?
あなたなら、その問題をどう考え、
どんな行動を起こすのか?
この進め方を継続することで、
哲学を始めることができる、と
そのように思っています。
著者の哲学論を紹介します。
哲学が社会的効用を生むという著者の考え方
「哲学する能力を身につける人が増える
ということは、批判的に考える人が増え
ることである。このことは、実に大きな
社会的効用をもっている。」
これが、哲学に対する著者の考え方
のようである。
「批判的」というとネガティブに聞える
が、少し補足をすると、「良いものは、
良い」と判断し、「悪いものを悪い」と
判断することを意味している。
私の中では、「正しく判断すること」と
理解をしている。
それが正しい解釈であるとすれば、私は、
著者の考えを支持します。
以下、著者の考えを私なりに整理をして
引用していきますので、ぜひご自身で著
者の考えを知って、考えてみて下さい。
「新たな気付き」が生まれてくることと
思います。これからの人生を過ごす為に
非常に有意義な時間を過ごせるはずです。
❶哲学は3つの顔を持っている。
1つ目は人生、2つ目は科学、3つ目は
社会。哲学の本当の顔は、社会に向かっ
た顔である。理由は、3つの顔を代表す
ることができる顔であるからである。
哲学とは、もっとも根本的な原理を探求
してこの原理にもとづいて、人生・世界
・学問・道徳・芸術・宗教などのすべて
を統一的に理解し説明しようとする学問
である。
哲学とは、科学的世界観に関する学問
である。
❷人は、自分自身の理性と経験にもとづ
いて、何ものかを、それが真理であるか
どうか、と吟味することになる。
この吟味し探求する態度こそはまさに、
哲学の態度である。
❸科学や哲学の研究にあたっては、
正しく考える必要がある。
ものを考えるにあたって、人びとが誤りを
おかすことがないものであれば、考えるこ
と(思考)についてとくに反省する必要も
おこらなかったであろう。
著者の哲学に関する基本的な考え方は、
いかがでしたか?
時間をかけて、何度も読み返し、ご自身の
頭で考えてみてください。
さて、本書では15人の哲学者が紹介
されています。
ソクラテス、プラトン、アリストテレス、
トマス・アクィナス、デカルト、ロック、
ディドロ、カント、ヘーゲル、キルケゴー
ル、マルクスとエンゲルス、チェルヌィ
シェフスキー、中江兆民、デューイ、
サルトル。
この15人の哲学者の中に好きな哲学者、
あるいは、気になる哲学者はいますか?
私は、カントです。
経験論と合理論を融合したカントには、
大変興味があります。
以下は、カントに関して、特に私の中で
印象に残っている内容を引用したいと思
います。
【引用5選】
❶ブルジョアジーは、3つの方面で革命的
事業を打ち立てた。その第一は政治革命、
第二は産業革命、第三は精神革命。
カントは、精神革命に最初に着手をした。
❷カントの哲学思想の発展は、「批判」
前期と「批判」期に分かれているが、
後者が有名な三大「批判」である。
純粋理性批判、実践理性批判、判断力批判
である。
カントは、人間の意識の外にある客観的
実在を「物自体」とよんだ。
❸純粋理性批判
感性の世界では、因果の法則がどのように
して行われるのかが研究された。
この因果の法則を認識するのは、
「理論理性」である。
カントの認識論の中心問題は、「悟性」が
感覚として与えられた経験を処理する仕方
についての問題である。
理性の矛盾を「二律背反」という。
「二律背反」とは、世界については、同時
に正反対の意味の説明を与えることができ
るということである。
カントの指摘は、人間は認識において物自
体を直接に対象にしてはならず、物自体が
意識にあらわれる現象、すなわち感覚だけ
を対象とすることでとどめておかねばなら
ぬ、という訓戒である。
❹実践理性批判
「物自体」の世界では、「意志の自由」が
どのようにして行われているかが研究され
ていた。
この「意志の自由」を取り扱うのが、
「実践理性」であった。
カントは、物自体を認識の問題として処理
するのではなく、「実践」の問題として
処理しようと企てた。
カントがいう「実践」は、道徳的行為の
ことである。(観念上の事柄)
カントの「実践」哲学の主要問題は、
意思の自由の問題であった。
カントは、「実践理性」は「道徳律」に
従って働くという。
「道徳律」は、先天的な法則であって、
人間の欲求するものの性質を超えて、
行為の結果が問われる以前に存在する。
形式的な「道徳律」に従う意思こそ、
「自由」である。
❺判断力批判
カントは、「理論理性」と「実践理性」の
問題を統一する必要にせまられた。
カントは、これを「自然の合目的性」と
いう概念でとらえた。
カントは、「自然の合目的性」を認識する
能力は、理論理性(悟性)と実践理性との
中間にある「判断力」であるという。
著者の哲学に関する考え方と哲学者カント
の概要はいかがでしたか?
歴史に名が残る人物の考えを知り、自分で
考えてみることは、実に楽しいものです。
著者とカントの考え方について、ご自身で
ぜひ、自分ならどう考えるのか、そして、
どう今後の行動に活かすのかを考えてみて
頂ければと思います。
(この読書の進め方は、本書で紹介されて
いるディルタイの考えに近いものです。)
私がどう考えたのかについては、以下で
述べたいと思います。
「世界十五大哲学」から得た私の考えと行動
私は、哲学書を読み進めることの楽しみは
歴史に残る人物と自分の考えを比較できる
ことにあると思うのです。
そして、本書のように哲学者の考えをまと
めた著者の考えを知ることも、自分の考え
に対する気付きを得ることになるので、
貴重な資料だと認識しています。
他者の考えを知り、同じ問題を自分で考え
てみることで、「飛躍」できるように思う
のです。
哲学のテーマとしての人生、科学、社会。
著者の考えによると社会に関する哲学が
本物の哲学であるとのことです。
人生、科学に関する哲学を含めた3つの
哲学を代表するものであるという理由の
ようです。
哲学の分類、定義は、様々でしょうから
そこに拘るつもりはありません。
定義は別として、私の中では、やはり
「哲学」は、「人生論」です。
私の言葉で表せば、「哲学」は、
「探求する叡智な人生観」です。
本当の自分を知り、
本当にやりたいことを見つける。
その為に知恵を学び人生を旅すること。
これが、本書を読み進める中で、
あらためて確信できた思いでもあります。
今私の中では、生涯をかけて
やり遂げたいことがあります。
それを発見し、自覚できたことは、
本当に幸せなことです。
それを達成する為に、いろいろな
ことが頭の中に沸き起こってきます。
それが、日々楽しいのです。
そのことをいつも考えていると、
そこに繋がるための嬉しい人との
出会いもできてきます。
実に楽しいのです。(特に最近、、、)
しかし、こうした自分が本当にやりたい
ことに気付くタイミングは、人それぞれ。
私も多くの人に支えられて、気付くことが
できました。
特に「問題解決の思考術」の著者である
飯久保廣嗣氏には、私がこれから広めて
いきたい「合理的思考」を習得する上で
大変お世話になりました。
私が今歩んでいる人生は、哲学の影響を
かなり受けていると思っています。
勿論、良き方面の「哲学」です。
「哲学」をすることで、自分を知り、
これから向かいたい先を見つける、
そのきっかけにして頂ければと思います。
最後に本書で紹介されている哲学者の中
から1人紹介します。
私が一番に興味を持ったのはカントです。
理由は、イギリス経験論と大陸合理論を
取り入れて、新しい哲学へと発展させた
功績です。
主流とされる二者をただ合わせるのでは
なく、両者の良き特質を融合し、新たに
創り上げることの仕事は、多くの刺激を
与えてくれます。
この向かい方、意思の強さこそが、
「人生論」といえます。
本書によって、三大「批判」の理解を少し
深めることができたように思います。
物自体、認識、悟性、先験的統覚、理念、
二律背反、道徳律、自由の意味と関連を
辿ることで、カントの考えを少しづつ、
確認できたように思います。
「自然の合目的性」を認識する能力は、
「理論理性(悟性)」と「実践理性」
の中間にある「判断力」である。
これがカント哲学の基本であるように
理解をしました。
まとめ(哲学することで自分を知り将来を考える)
今回は、『世界十五代哲学』(大井正、寺沢恒信)についてお伝えしました。
著者は、
なぜ、その問題をテーマにしたのか?
そして、どう考えたのか?
自分は、その問題をどう考えるのか?
そして、どう行動に活かすのか?
これは、ディルタイの哲学の方法に
近いということですが、
私は、本書からこうした読書の進め方を学べたことに、感謝しています。
以後、哲学書に限らずあらゆる書籍に
ついて同様の行いをしています。
哲学書は、非常に難解です。
ですが、本書を読み進めると、少しづつ
ではありますが哲学の理解が深まります。
その理由は、哲学思想史、哲学者の考えと
著者の考えの記述、哲学用語解説の構成に
よるのだと思います。
こうした入門書で少しづつ理解を深め、
上記の「哲学の仕方」を進めていくことを
お勧めします。
繰り返しになりますが、
「人生の向かう先」が見つかると、
人生が楽しくなります。
知識と自分の考えの深まり、そして
人との出会いと深まり、
本当に人生が楽しくなるのです。
ぜひ、「哲学」を自分のペースで
進めてみて頂ければと思います。
「笑顔の日々」になりますよ!
私は、今がまさにそうなので、、、
ボアソルチ
株式会社CSI総合研究所
代表取締役 大高英則
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