経営戦略論『マネジメントの名著を読む』

書評

『名著のエッセンスを横断的に手に入れ、
自身の知と重ね合わせることで、

イノベーションや革新的ビジネスアイデア
を生む「知の探索」が可能になります。』

これは、本書「マネジメントの名著を
読む」の背表紙で語られた言葉です。

「知の探究」を生み出すための、
この下地の話、いかがでしょうか?

よき書籍に出会い、自らの考えをぶつけ
ることで、「知の探究」が始まる。

実に、良き教えを知りました。

やはり俯瞰的に当該専門領域を見渡し、
自分の考えを照合するに相応しい書籍を
探し対峙することの大切さを知りました。

私は、新商品の販売に関する大変貴重な
ノウハウを知ることになりました。

そして、私が関わる業界に転用し、新たな
営業戦略の骨子ができあがりました。

私が最も信頼する提携先経営者とともに、
そのプロジェクトは現在進行形です。

『新たなことに楽しみながら挑戦する』

この思いを大切に事業を進めています。

本書は、新たな発想を生み出すための貴重
な理論と実践事例で構成されています。

・競争の戦略
・キャズム
・プロフェッショナルマネジャー
・戦略サファリ
・ウィニング勝利の経営、

等々、全12冊を収録。

ゆっくりと考えながら読み進めたい
そんな古典を含む「知の宝庫」です。

著者がなぜ、この12冊を選出したのか、
その意味合いを含めて読み進めて頂きたい
そのように思うのです。

では、良い「せきがくの旅」を!

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本書で学んだ素敵な言葉

名著を巡ることこそ、
「ビジネスの知の旅」となる。

(本書「まえがき」より)

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新たな経営戦略論、営業戦略を探し求めているあなたへ

新たな商品企画、新たな販路開拓は、
非常に大変な営みといえます。

これは、最終責任者としての経験をした人
でなければ、その実態と本質は、理解され
ないことでしょう。

全く新しいものを自らの力だけで創り出し
成果を上げているということは、非常に稀
なことです。

なにかを元に想像を膨らませることで、
あるいは、別の角度から眺めることで
新しい画期的なアイデアは生まれると
実感しています。

こうした取り組みを続けてきた者の一
人として、そう感じています。

では、その元になるものは、何か?

それは、過去の素晴らしい取り組みの
事例であったり、成功実績のある人や
専門家の話であったり、参考にできる
ものになると思います。

私は、何といっても書物からの影響が
最も大きいと思っています。

良き書籍に出会い、私淑と親炙を長い
期間、実践してきました。

新しい取り組みには、元になる情報と、
自ら考え出す新たな発想、更に仲間と
の共有が必要だと心から思っています。

日々、参考になる情報を求めている方に
は、本書は大変役立つものの一つになる
と思います。

ぜひ、本書で丁寧に解説されている理論を
ゆっくり考えながら読み進めて頂きたい、
そのように強く願っています。

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「経営戦略論」としての探究を試みる著者の考え

『新しいビジネスの知、それは既存の知と
別の既存の知の新しい組み合わせである』

この著者の言葉は、私の中で深く印象づき
ました。

さらに著者は、次の言葉を記しています。

『人間はゼロからは何も生み出せません
から、新しい知というものは、今ある知
見同士の「新しい組み合わせ」で生まれ
るのです。』

実に、理に叶った「経営戦略論」の
考え方だと感じました。

私は、商品の企画と販売計画に多くの
時間をかけています。

そのため「新たなビジネスの知」の生産
には、大変苦慮しています。

著者の考えに基づいて考えてみると、
やはり既存の経営戦略論を参考に、
自分の考えを加え、仮説を立てて
検証することになります。

本書で紹介されている12の経営戦略論は
大変参考になります。

中でも私が最も興味を持ったのが、
「キャズム」論です。

新しい商品の置かれた環境を分析し、
キャズムを超える対策事例を参考に
新たな販促計画を作り、実践し、
成果を出すことに成功しています。

現在は、その手法をさらに進化させる為に
課題整理をしながら取り組んでいます。

私と同じ立場にある方には、ぜひ、
本書で紹介されている戦略理論を研究し、
自分のものし、課題解決に役立てて
頂ければと思います。

では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。

本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのかを、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。

【引用5選】

❶競争の戦略
マイケル・ポーター

「5つの力」と「3つの基本戦略」

参入障壁は高く、撤退障壁は低く、
代替産業との距離は遠く、川上(売り手)
や川下(買い手)の業界よりも交渉力の
高い状態にあることが望ましい。

❷キャズム 
 ジェフィリー・ムーア

 
普及過程ごとに攻め方は変わる。

ベンチャー企業やそのパートナーが、いき
なり汎用のホールプロダクト(完全製品)
を手掛けようとしても無理がある。

したがって、ニッチ市場の実利主義者を
納得させることに集中したほうが良い。

❸プロフェッショナルマネジャー
ハロルド・ジェニーン

自分を犠牲にする覚悟が経営者にあるか

本を読むときは初めから終わりへと読む。
ビジネスの経営は、それとは逆だ。
終わりから始めて、そこへ到達するために
できる限りのことをするのだ。

❹戦略サファリ
ヘンリー・ミンツバーグ

後づけでない成功の真因を探る

企業が新規に事業戦略を立てるには、自社
の強み・弱みを把握する必要があります。

しかし、その事業をやってみないと強みも
弱みもわからないというのがイナクトメン
トの考え方です。

❺ウィニング 勝利の経営
ジャック・ウェルチ他著

部下の成長を導く八つのルール

経営の第一歩は「現実をよく知る」こと
です。

それは業績数字だけではなく、社員や
他部門がどのような情報や考えを持っ
ているかということも、

自分が会社でどのような評価を受けて
いるかもそうです。

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「キャズム論」に私淑して私が思うこと

『キャズム論』

ジェフリー・ムーアの著書『キャズム』を
読むまで、この言葉を知りませんでした。

新商品を開発する度、その販売方法には
苦労の連続です。

どこの誰に向けて販売するのかを事前に
検討はするものの、毎回同じような壁に
ぶつかっていました。

この『キャズム論』は、真に私の悩みを
解消してくれる頼れる「経営戦略論」と
なりました。

『キャズム論』は、「普及理論」をベース
に5つの分類が定義されています。

❶イノベーター
(革新的採用者)
❷アーリーアダプター
(初期採用者)
❸アーリーマジョリティー
(初期多数派)
❹レイトマジョリティー
(後期多数派)
❺ラガード
(採用遅延者)

このアーリーアダプターから、アーリー
マジョリティへの移行が問題であり、
それがキャズム(大きな溝)です。

キャズムが生じる要因と対策の考え方、
そして、対策事例が紹介されています。

『ニッチ市場で評価を高めてから市場
全体に展開する』

これが『キャズム論』の考え方でした。

キャズムを超えるために実施された1つの
対策事例が記されていました。

グループウェアという新しい発想のシステ
ム普及の事例です。

解決策としては、世界各国に顧客を持つ
会計事務所や、コンサルティング会社に
絞って売り込みを行ったのです。

その結果、利害関係者間に思いがけない
連繋が生まれ、創造的な問題解決方法が
浮かび上がることがあるという評価を得
ることになりました。

1つの顧客層での成功をバネにして、
新たな顧客層を獲得していったという
ものです。

私は、『住宅FP営業』という安定集客と
高契約率を実現するシステムを開発して
全国の工務店向けに研修をしています。

このシステムを広めるために、工務店を
支援しているFC、団体等と提携をしまし
た。

そして、総会、定例会、ブロック会で
プレゼンをして、私が主催するセミナー
に誘導し、研修の申込に導く仕組みを
構築できました。

現在は課題整理をしながら改善、改良を
継続しています。

本書に出会えて本当に良かったと思って
います。

多くの方が本書と向き合い、自分に合った
解決策を見出されることを願っています。

なぜ、著者はそのように考えたのか、
自分ならどう考え、どう行動するのか、
深く考えて欲しいのです。

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まとめ(「経営戦略論」)

今回は『マネジメントの名著を読む』
(日本経済新聞社【編】)
についてお伝えしました。

『マネジメントに必須の戦略論や組織論、
リーダーシップ論の基礎知識を手早く知り
たい読者に格好の入門書です。』

本書背表紙には、こう記されていました。

私は、次のように考えて事業を
進めています。

問題が生じた場合は、まず先人や親しい
仲間の知識や考えを確認する。

そして、その中に相応しい解決策を見出
せなかった場合に、自分の頭で考えると
いうことにしています。

対策は、過去の類似の問題に対する対策
からの選定か、新たな対策を策定するか
しかないのです。

後者の場合には、利害関係者に捌く質問
をしながら、自分の考えをベースに対策
を考えます。

そして、信頼のおける相手からの助言も
受けたうえで、とことん考えて対処する
ようにしています。

これは、私の進める「経営戦略論」の中
の一つの「行動指針」です。

とにかく、考えて、行動を起こさないと
問題の解決には至ることはないのです。

ぜひ、本書から学び、自分流の読み方で
私淑し、考える行為を続けて頂きたい、
そのように願っています。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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