強靭な不撓不屈の精神『代表的日本人』

書評

『我々が後世に遺せるものは、金でも事業
でも思想でもなく高尚なる生涯である。』

これは、本書「代表的日本人」の著者
内村鑑三が語った言葉です。

私は、この言葉が示す深い意味合いに
惹かれました。

遺せるものは、「遺物」ではなく、
「生涯」であるとする、この著者の
人生観に意外性を感じました。

そして、著者が「代表的日本人」として
本書に記した5人に、非常に興味を持ち
ました。

この5人の「高尚なる生涯」とは?

著者は、これら偉人の生きざまをどう感じ
たのか、私はどう感じることになるのか、
そして、私の人生にどう活かせるのか、

強い風に背中を押されるように、
一気に読み終えることになりました。

・西郷隆盛
・上杉鷹山
・二宮尊徳
・中江藤樹
・日蓮

著者がなぜ、この五人を選出したのか、
その意味合いを含めて読み進めて頂きたい
そのように思うのです。

では、良い「せきがくの旅」を!

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本書で学んだ素敵な言葉

知恵というのは、その人の心と目的が誠実
であるときにやってくる。

(西郷隆盛)

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人生を賭けた目標を探し求めているあなたへ

『価値創造と解決提案を目標とし、
誠実に取り組む』

これは、私がこれまで取り組んできた
生き方です。

この思いに至るまでには、多くの私淑と
1つの親炙を経た経緯があります。

本書「代表的日本人」で取り上げられた
西郷隆盛も、私が私淑した偉人伝の一人
です。

偉業を成し遂げた西郷隆盛ですが、
その業績は、すぐれた「洞察力」による
ところが大きいと感じています。

「信念」を持って、将来を力強く、
読み通す力を感じるのです。

そして、心に思うことと、
行動が一致していること。

ここが通常の人が持つ精神力とは、
大きく異なる強靭な心を感じます。

人生を歩むうえでは、目標をしっかりと
持つことが大事なことだと思います。

それは、形が大きくなくても良いのです。
自分が心から価値があると思えるのなら
それが一番良いのだと思うのです。

何れにしても、自分の立てた目標、
それを実現する為には、洞察力を備える
必要があります。

人生を賭けた目標を探し求めている方、
すでに目標を定め、進んでいる方々、

ぜひ、西郷隆盛の生きる姿を本書から
学んで参考にして頂きたいと思います。

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「代表的日本人」の不撓不屈の精神を伝えた著者の考え

『内村鑑三。彼をして思想史上の英雄たら
しめているのは、その強靭な思索力と権力
に屈しない独立
不羈ふきの生き方であろう。』

本書「解説」の序盤に記されたこの言葉が
強く印象に残りました。

「独立不羈」

ぜひ、常に意識していたい
好きな言葉です。

束縛されず、強い意志をもって臨んだから
こそ、「精神界の巨人」と呼ばれるほどの
偉業を成しえたのだと想像できます。

そして、命がけで「言行一致」を貫いた姿
に、強く惹かれます。

著者内村鑑三の一貫した考え方は、以下の
ように記されています。

「国家は人類全体のために尽くすのが目的
である。」というものだ。

個人は、神に尽くすために世界と人類に尽
くし、世界と人類に尽くす為に国家に尽く
すべきなのである。

これに反するような、いわゆる自国中心
主義を「虚偽の愛国」として内村は厳し
く批判している。

精神的にも物質的にも世界をリードし、
世界を救うことができるように、自国を
立派な理想国家にすることが「真の愛国」
であると言えるだろう。

地球規模で考え抜かれた愛国心、独立した
環境に身を置き、発信する思想と行動を命
がけで一致させる。

その強靭な精神力、世界を歩き世界間を
繋ぐ、その使命感に興味は、増すばかり
です。

そうした著者だからこそ、代表的日本人
として、品格を高めた5人を選出できた
のだと思うのです。

では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。

本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのかを、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。

【引用5選】

❶西郷隆盛
 敬天愛人の聖人

機会というのは、二種類あるものだ。

一つは求めずしてやってくるもので、
もうひとつは我々自身で作り出すものだ。

よく言われるのは前者のほうである。
だが、本当の機会というのは、

時勢がそれを必要として、かつ我々が
理にかなった行動をすることによって
もたらされるのである。

だから、重要な局面においては、
我々が機会をつくり出さねば
ならない。

❷上杉鷹山
 天の国を実現した愛の君主

誠実さは愛を生み、愛は知恵を生む。

誠実に物事に取り組めば必ず達成する
ことができる。

人々に愛を与えれば、必然的に
富が生まれる。

❸二宮尊徳
 宇宙の法則に従って大事業を成し遂げる

誠実さをもってすれば、一つの魂で天をも
動かすことができる。

最良の労働者とは、一番働く者ではなく、
最も崇高な動機で働くものである。

❹中江藤樹
 徳による真の感化力


真理と法は異なるものだ。
法は時とともに変化するもの、またその国
の聖人によっても変わるものである。

しかし、真理は永遠から生まれたもの
である。徳がそう呼ばれるようになった
よりも早く真理は存在し、かつ普及して
いた。

そして、人間が消滅し、天と地が無に
帰した後も、真理はそのまま残り続け
るだろう。

❺日蓮
 狂気と紙一重の情熱

死んでも死なないということ

死ぬことによって、神道では天国にある
神々の住むところに、仏教では蓮の咲く
天国に導かれるのです。

私たちが死を恐れていたのは、臆病だっ
たからではありません。この美しい国に
愛着があったからです。

私たちは、運命と義務によって自分が生
を受けたこの愛する土地から去るとき、
自分の身を任せるために宗教が必要だっ
たのです。

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「代表的日本人」に私淑して私が思うこと

『言行一致』

この言葉は、私が大切にしている言葉の
ひとつです。

著者である内村鑑三の命がけで言行一致
を貫いている姿に私淑することで、その
思いはさらに堅固になったといえます。

そして、その著者が、本書『代表的日本
人』に選出した5人の偉人から、品格の
ある生涯を学び取ることができ、心を揺
り動かされる思いでいます。

・西郷隆盛
・上杉鷹山
・二宮尊徳
・中江藤樹
・日蓮

選定しづらいとは思いますが、もし
最も気になる人物をあげるとすると
どうでしょう?

私は、やはり西郷隆盛です。

『機会は、我々自身で作り出すものだ。

時勢がそれを必要として、かつ我々が
理にかなった行動をすることによって
もたらされるのである。』

本書で紹介されているこの言葉は、私の
心の深奥に折り重なる貴重な言葉として、
新たに加えられることになりました。

機会は、人と環境に委ねたいという思いが
あるのは理解できます。

しかし、自ら作り出す生き方を私はしたい
そう強く意識してここまできました。

本書で知りえたこの西郷隆盛の言葉に、
自分が信じている「生き方」に力を添え
られたように感じることができました。

品格ある偉人から「勇気」を得たように
感じたのです。

人は皆、目標を掲げ、そこに向かって努力
を続けていくことが、「幸福」の姿である
と思っています。

そして、その実現には、私淑、あるいは、
親炙できる偉大な人を知ることも大事なの
だと思うのです。

本書『代表的日本人』には、そのことに
相応しい5人の生涯が記されています。

『独立不羈』の生き方を貫いた著者、
内村鑑三によって選出され、世界に
示された5人です。

じっくり、ゆっくり、全てを読み進めて
頂きたいと願っています。

その先には、それまで大切にしてきたもの
に加え、更に意識すべきことを発見できた
新たな自分が待っていることと思います。

大変貴重な「せきがくの旅」になることを
自信を持ってお伝えしたいと思います。

ぜひ、読み進めながら、ご自身の頭で、
考えてみて頂きたいと思います。

『考えることは、そのまま生きる喜びに
つながっていく。』

私は、こころからそう思っています。

なぜ、著者はそのように考えたのか、
自分ならどう考え、どう行動するのか、
深く考えて欲しいのです。

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まとめ(「日本の品格」)

今回は『代表的日本人』(内村鑑三)
についてお伝えしました。

『近代日本の精神的巨人・内村鑑三が語る
珠玉の偉人伝。英語で日本を紹介し、
日本の品格を認知させた一冊。』

本書裏表紙には、こう記されていました。

偉大な日本人の姿、人生感を体感したい、
そうした思いがどんどん深まっていく、
そうした紹介文でした。

5人の生涯を読み終えて感じるのは、
なにか一途に貫き通す力強さ、信念
のような熱く、不動の思いです。

人生を生き抜くうえで、「心の物指し」を
進化させていくことは、非常に重要な行い
であると思っています。

そのために、良き書物に出会うことが大事
で、それは、きっと目的と大切にしている
「信念」に寄り添って現れてくれるのだと
感じています。

私が本書『代表的日本人』に出会えた
ように。

ぜひ、本書から学び、自分流の読み方で
私淑し、考える行為を続けて頂きたい、
そのように願っています。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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