『心に吹いてくるさまざまな風を、さらり
とやり過ごすことが大事なのです。』
これは、本書『おだやかに、シンプルに
生きる』(枡野俊明)に記されている
言葉です。
とても新鮮な感じで私の心に入り込んで
くる感じがしました。
身体の力を少しぬいて、少し気を楽に
人生を歩む生き方もあるのだと、本書
は諭してくれたように思います。
「穏やかに、シンプルに」
とても良い響きです。
この心の安堵を示してくれる
「禅の言葉」に惹かれ、
私の「せきがくの旅」は始まりました。
本書は、4つの章で構成されています。
心の中を旅する思いで、読み進めて
頂ければと思います。
・シンプルに生きるための方法
・人づきあいの心得
・仕事との向き合い方
・自分を高める智慧
本書で学んだ素敵な言葉
そっと寄り添ってくれる言葉を見つけて
ください。たった一つの言葉が、あなた
を救ってくれることがあります。
(本書「あとがき」より)
穏やかな心を取り戻す著者の考え方(禅)
一つの禅語と出会うことによって、ふと
自分自身を振り返ることができる。感情
に支配された心を顧みることができる。
これは本書「まえがけ」に記されている
著者枡野俊明氏の言葉です。
先を急ぐ自分を一瞬留め、例えば、今の
自分の姿を、心を水面に映してみること
を勧められたように感じました。
今の自分に相応しい、知るべき禅語が
同時に浮き上がってくるような、
そんな刹那の心の留まり。
本誌に私淑することで、これまで
気づかなかったことを知り、また
貴重な体験をすることができました。
特に日々忙しく動き続けている方、
ほんの少しで良いのです。
ぜひ、時間をつくり、1テーマづつ
読み進めて頂ければと思います。
感情に支配された心を顧みることは、
とても大事です。
では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。
◉本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのか、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。
【引用5選】
❶八風吹不動
はっぷうふけどもどうぜず
湧き出てくる感情に振り回されないように
しましょう。
❷形直影端
かたちなおければかげただし
姿勢を正せば、自ずと生活も整います。
❸愛語
あいご
思いやりのある言葉づかいを心がける
ことです。
❹歳月不待人
さいげつひとまたず
時は人を待たない。人生には限りがある。
一日を大事に生きなければならない。
❺真心是我師
じきしんこれわがし
ありのままの心が道を示す師となる。
最後は自分自身で決めなければなり
ません。自分の心と真摯に向き合う
ことが大切なのです。
本書に私淑して私が思うこと
眼横鼻直 がんのうびちょく
ありのままの姿をありのままに
受けとめること。そうすれば、
心を乱すことなく生きてゆける。
ありのままの自分という一本の基軸を
しっかりと見据えておくことです。
これは、本書第1章にある道元禅師の
言葉です。
今の私の心には、とても響く言葉です。
「ありのまま受けとめる」
これは、自分の心の大きさを試されて
いるように感じるのです。
度量の大きさ、受けとめる人間性と
人格を高めなければなりません。
感情に左右されることなく、です。
「正しいこと」が生きる基軸とする故、
それに大きくそれる場面に遭遇すると
とても大きく感情が揺れます。
しかし、一旦は感情を抑え、
状況をしっかりと確かめる。
そのためのプロセスを学び、胆識力を
身に付ける努力をしてきました。
あとは、冷静に対処できるかどうか、
本書に記された禅語は、そのために
大変有意義なものとなりました。
ぜひ、多くの方々にも知って頂きたい
と、そのように感じています。
まとめ(さらりとやり過ごす)
人生は、長いようで短い。
短いようで長い。
その心の感じ方は、どこからくるのか?
それは、置かれている状況や立場の中で
対処すべきことが順調、あるいは、苦慮
渦中の時とで異なるように思います。
そんな時、心とどう向き合えば良いか?
とかく早急に問題の解決に向かうことを
考えがちになりますが、本書に出会い、
少し考え方が変わったように感じます。
心に吹いてくるさまざまな風を
さらりとやり過ごす、
そんな生き方も、
人生を生き切るための智慧のひとつ
として、大事にしてみるも良い
と、そのように思い始めました。
人生は、まだまだ長いのですから。
ボアソルチ。
株式会社CSI総合研究所
代表取締役 大高英則
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