理論と実践、納得感があり腑に落ちる『経営の教科書』

書評

松尾芭蕉の「不易流行」

「不易」と「流行」は、互いに対立
するものではない。

「流行」は咀嚼されて時間の経過と共に
「不易」の一部となり、「不易」を突き
詰めていった先に「流行」が生まれる。

この言葉から本書
「経営の教科書」(新将命)は始まる。

「不易流行」という言葉は、私の人生に
において、常に意識し続けている規範で
あり、その混一は理想の姿といえます。

経営には「原理原則」という「不易」が
あるという著者の力強い教えに惹かれて
本書を手にすることになりました。

経営の「不易」、その真の意味を求めて、
わたしの「せきがく旅」は始まりました。

私は、2つのことを強く意識をして
独立をしました。

「正しいこと」を行う。そして、

「利他の心」を大切にする。

経営理念は、以下の通りです。

価値創造と解決提案に精進し、人々の
笑みを生み続ける社会創りに貢献する。

日々遂行する為に本書に示されている
「7つの原理原則」から、非常に多く
のことを学びました。

ぜひ、本書を手に取り、読み進めてみて
頂きたいと思います。

特に大きな志を持ち、事業を進めていら
っしゃる経営者の方にお勧めです。

ここで学ぶ「胆識力」によって、
迷いが打ち消されていきます。

私がそうであったように、、、

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本書で学んだ素敵な言葉

胆識=見識+決断力+断行力

ものを知っていて(知識)、それに自分の
考え方が加えられて(見識)、なおかつ、
リスクを恐れずに決断し、断行する能力。

これが陽明学にでてくる「胆識」である。

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限られた情報と時間の中で決断し断行する

優れた経営能力とは、「限られた情報と
時間の中で、決断し、断行できる能力」
である。

則ち、それは『胆識力』である。

本書から、見識、決断、断行に関する
本質的な意味を学び、胆識力の習得が
なにより必然であることを知りました。

経営に携わるのは、人それぞれに経緯と
動機があると思います。

そして、「覚悟の度合い」は人それぞれ。

私もある思いの中から独立し、
経営を進めています。

自らの覚悟を大事にし、良き方向に発展
継続していくために、この『胆識力』を
身につける必要があります。

ぜひ、本書からその意味するところを
自分なりに解釈し、考えを掘り下げ、
自身に同化できるものを吸収して欲しい、

そう願っています。

その先に、自らが全てを賭け志す理想の
「未来」、その景色を見ることができる、

そう、私は、信じています。

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原理原則という不易を重視する著者の経営に対する考え方

『私が社長職についたとき、まず行った
のは、「3つのp」を改めて再確認する
ことだった。

すなわち、Philosophy(理念)、Plan
(戦略計画)、People(人財)である。

これは、本書「第1章」の冒頭において
著者が記している内容です。

そして、著者が経営の任についたジョン
ソン・エンド・ジョンソンの経営理念
「我が信条(Our Credo)」が紹介さ
れています。

著者は、次のように語っています。

『理念やビジョンは、仕事上の道具で
なければならない。』

そのためには、それ相応の努力が必要に
なると追記しています。

それは、なぜ理念の徹底・浸透が必要な
のかということを、腑に落ちるような形
で社員にわからせることだと繰り返し、
述べています。

それは、実に共感できる内容でした。

では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
事柄を引用しておきます。

【引用5選】

❶自己犠牲の精神が経営者を変える

ノブレス・オブリージュという言葉。

ヨーロッパの貴族社会でよく使われた
フランス語である。日本語に訳せば、
身分の高い者が負うべき義務、犠牲
である。

平たく言えば、自己犠牲であり、
武士道精神にも通じるものがある。

企業として、あるいは個人的に、社会
の住人として何かを還元する。

その行動が、「人間の品格」となって
表われてくるのである。

❷利益とは、顧客満足の総和である。

顧客満足を果たし、さらに顧客感動を
果たせば、お客様は納得して商品や、
サービスを買ってくれる。

その結果、売上と利益が増える。

顧客満足を実現する当事者は社員である。
経営者はまずまっさきに社員に報いなけ
ればならない。

CS(Customer Satisfaction)の前に
ES(Employee Satisfaction)が来な
ければ、利益と結果はついてこない
のである。

❸経営は、いまどこだ、どうなりたい、
どうやる、どうなった

経営者がまずまっさきにやななければ
ならないのは、理念・ビジョンの策定
である。

次に、理念・ビジョンに基づいた短期
と長期の目標設定を行う。

さらに、その目標を達成する為の戦略
を構築し社員にとって腑に落ちる表現
でそれを発信する。

この一連のタスクが経営者の役割の
中核となる。

❹経営者は説明責任を果たせ

経営者の思いに対する社員の理解と
合意を得る際に求められるのは説明
責任である。

何かを変えたいとき、何かを決めたいとき
経営者はなぜそうなったのかという話を、
社員が納得できる形で、口を使って心で
伝えなければならない。

❺謙虚さは真の自身のバロメーターである

会社の命運はトップの心がけと行動に
大きく左右される。

ゆめゆめ傲慢になってはいけない。

傲慢をひっくり返すと、裏には人の言葉に
耳を傾ける気持ちを持ちつづけよ、という
「謙虚」という考えがでてくる。

日常業務の中で謙虚さが端的に表れるのが
「メモをとる姿勢」だ。

高い社会的地位を手に入れても参考になる
話だと思えば、相手を選ばずメモをとり、
学ばせてもらおうと考える人がいる。

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「不易流行」私の経営に対する考えと思い

価値創造と解決提案に精進し、人々の
笑みを生み続ける社会創りに貢献する。

不易流行といういう言葉がありますが、
営業全般の進め方も昔ながらの変わらぬ
本質を大事にし、時代と共に変えるべき
ものは変えていくことがとても大切だと
考えています。

集客から育成に思いを転化して頂き、
お客様から喜ばれながら受注を強化
して頂くことを願っています

以上は、起業した際、ホームページに掲載
した私の考える経営理念と思いです。

何を残し、何を新しく取り入れるのか。

そして、もっとも重要だと考えていること
それは、「どんな価値を創造するのか」と
いうことです。

正しいことであり、「利他の心」を大事に
したものであることを前提にしています。

本書にある「経営の原理原則」の7つは、
私のこうした思いをしっかりと支えて
くれています。

❶信条と言える「理念」を持っているか
❷理念は社会に役立つか
❸理念は目標にして示せているか
❹目標を実行に移せているか
❺目標を共に進める仲間はいるか
❻コミュニケーションはとれているか
❼後継者を育成しているか

7つの原理原則、いかがでしょうか?
現在、幾つ取り組めていますか?

未着手のものがあるのでしたら、
ぜひ本書から学び実施されることを
お勧めします。

『胆識力』を意識し、身に付けることで
「向かうべき到達点」が、確実に近づいて
くることを実感できるはずです。

自らの全てを賭けて考えだした「理念」、
しっかりと信じ、行動に移すことが
実現のための原動力になります。

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まとめ(「理論と実践」)

今回は、『経営の教科書』(新将命)
についてお伝えしました。

『人は、大きなことを信じたときに
大きな仕事をする』

著者は、本書の最初で、理念とビジョンが
「利益に繋がる」ということを力強く語っ
ています。

非常に共感できる内容です。

さらに著者の以下の言葉は、とても印象
深く、今でもよく心を許せる仲間に伝え
ています。

『理念・ビジョンを作成し、浸透させる
ことは、「儲け」に繋がる。

”儲”という字は、”信ずる者”ということ。
理念・ビジョンを信ずる者は、儲ける人
でもある。』

他にも「腑に落ちる」経営に関する教え
を目にできると思います。

ゆっくりと本書を読み進め、著者の考え方
を知る機会を持たれると良いと思います。

その上で、今ご自身が進めていらっしゃる
事業を見つめてみると良いでしょう。

新たな「向かうべき到達点」の景色が
見えてくるかもしれません。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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