『素粒子からブラックホールまで、
物理がわかれば、世界が変わる!』
これは、本書『物理のすべてがわかる本』
(科学雑学研究倶楽部)の表紙に記されて
いる言葉です。
実に、興味をひく言葉です。
宇宙が誕生したのは138億年前。
ビッグバンのさらに前のインフレーション
とは?そして、その前の本当の始まりは?
こうしたことを幼いころから、
幾度も繰り返し考え続けている人は、
多いのではないでしょうか?
そして今、多くのことが、物理学者の
人生を賭けた偉大なる発見で次々と
明らかにされてきています。
その宇宙の中で目に見える光で観測できる
のはわずか5%、それ以外はダークマター
とダークエネルギーです。
いったいそれらの正体とは?
発見の先には、新たな疑問が生じます。
しかし、そこからさらなる発見を目指して
挑んでいく挑戦者たち。
人類の力強さを感じます。
物理の基礎を学ぶことで、思考能力は進化
を続け、人生における生きる楽しみを増や
せるように感じます。
ぜひ、基礎を学び、自ら夜空を見上げ、
広大なこの宇宙に、ご自身の人生に、
思いを馳せて頂ければと願っています。
本書は以下の章で構成されています。
・私たちの世界と物理学
・物理学はどこから始まったか
・近代物理学の夜明け
・近代物理学のレジェンドたち
・熱と電磁気の新しい物理学
・現代物理学の革命
・極小の世界と極大の宇宙へ
本書で学んだ素敵な言葉
物理のすべてを理解したとき、
世界の見え方が一変する。
本書「物理のすべてがわかる本」より
宇宙の原理に思いを馳せてほしい!
『この世で最も小さなものから、宇宙全体
にまで至るスケールをもつ、真理の探究の
営み、それが物理学です。』
これは、本書「はじめに」に記された編集
者の言葉です。
実に、意味深い言葉に感じます。
夜空を覆いつくす無数の星々に魅せられて
その場にいつまでも立ち尽くした経験。
止めどなく降り続く流星の群れ、
北国の極限の寒さに耐えながら、
寝袋に包まれて見続けた夜空。
漆黒の闇の中で突然視界に飛び込んだ
金色に輝く土星、息が詰まるような
気持ちに襲われた思いで出。
こうした人生の記憶の断片が折り重なり、
私の宇宙に対する思い、そして、その根源
ともいえる極小の世界への思いへと深まっ
ていきました。
それは、天文学、地質学、量子物理学への
興味に姿を変えていくことになりました。
奇跡的に今のこの人間として存在できる
時間の流れの中にいることの不思議さ、
物理学は、淡々と教えてくれます。
天の川銀河とアンドロメダ銀河が、
「45億年後に衝突する」と予測されて
いることを知っていますか?
一つひとつ、知識を増やしていく中で、
自らの力によって、疑問に思い、考える
ことが、とても大事なことだと思います。
ひとつの謎が解明した先には、また
新たな謎が待っている。
そして、またその解明に取り組む。
人類のすばらしさは、こうした
「挑戦の精神」にあると思うのです。
限られた時間の中で、限られた分野の
解明に携わり、次の世代に引き継ぐ。
決して自分の眼で見ることのできない
時間の先に存在する現実であるにも
かかわらず。
この尽きぬ探求への思い、
人類の逞しさ。
ひとつでも多くの新たなことを知り、
そこから思考を深めることの意義。
物理学は、こうした尊い人類の営みを
支える頼もしい学問なのです。
碩学に努めたいと、
思いは募るばかりです。
ぜひ、夜空を眺めてみてください。
なにも考えず、ただただ
夜空を見上げてみてください。
きっと、これまで感じなっかた思いに
遭遇することになると思います。
時間とともに成長をするご自身に
きっと気づけると思うのです。
私がそうであったように。
偉大なる発見を続ける物理学者の様々な考え方
『宇宙全体は、膨張を続けるとの説が有力
ですがそれが無限に続くのかは不明です。
宇宙が誕生したときのようなできごとが、
私たちの宇宙を待っているのかもしれませ
ん。』
これは、本書COLUM「宇宙の終焉はどう
なるのか?」に記された言葉です。
多くの物理学による発見が続いていますが
最大の謎、この宇宙はいったいどうして
できたのか、最終的にはどうなるのか、
その解明はまだまだ遠い先のことでしょう
し、物理的に限られた人類の生存可能性の
中ではその時は来ないのかもしれません。
自らが存在するこの宇宙、そして、
自分自身とその意識がどこから生まれ、
どうなっていくのか、
今、ここにこうして存在していることの
不思議さを強く感じています。
考え始めるときりがなく、その思考は、
この宇宙の果てに向けて消えていく
ようにも思えてきます。
しかし、大きな熱量を持って挑み続ける
多くの研究者がいます。
少しでもその成果を知ることで、また
多くの謎を追うエネルギーを授かる
ように思うのです。
夢を馳せ続けることは可能です。
多くのこの挑戦者たちが営む
「真理の探究」とともに。
ぜひ、偉大な物理学者たちが挑んできた
発見とその根源について学び、その熱量
を感じて頂ければと願っています。
ご自身の興味と思考の力をさらに育て、
「真実」を探求する歓びを味わってほしい
と、そのように願っています。
もしかしたら、「物理的ではない手段」で
人類はその価値ある存在を維持できるのか
もしれません。
では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。
本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのかを、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。
【引用5選】
❶重力の正体は「空間のゆがみ」
非常に高速で運動する物体や、地球や太陽
のような重い物体のまわりでは、
空間がゆがみます。
一般相対性理論の重力場の方程式
Rμν−21gμνR=c48πGTμν
❷驚異のインフレーション理論
宇宙の誕生直後、真空の相転移が起こると
真空のもつ真空のエネルギーが極小の宇宙
を超短期間に大膨張させます。
(インフレーション)
真空の相転移が終わると真空のエネルギー
は熱エネルギーに変換され、超高温の火の
玉宇宙となります。
(ビッグバン)
❸ホーキング放射
ブラックホールはものを吸い込むいっぽう
だと考えられていましたが、ホーキングは
「ブラックホールから外部への熱の放射が
あるはずだ」と考えたのです。
エネルギーから粒子と反粒子が発生する
対生成という現象によって説明できると
されます。
❹ダークマターとダークエネルギー
星や星間ガスなど原子からなるすべての
物質を合わせたところで、全体の5パー
セント弱にしかなりません。
そのほかの95パーセントは、闇に包ま
れているのです。
その一部には、ダークマター(暗黒物質)
という名前がつけられています。
それは光学的な観測が不可能であるものの
質量はもっているとされます。
宇宙の組成の7割ほどは、ダークエネルギ
ーと呼ばれています。宇宙の膨張の加速を
引き起こしているのが、ダークエネルギー
だと考えられています。
❺宇宙に存在する4つの力
この自然界に存在するさまざまな力の源を
たどると、たった4種類の相互作用に分類
できることが現代物理学では、わかってい
ます。
・強い相互作用
・弱い相互作用
・電磁相互作用
・重力相互作用
本書に私淑して私が思うこと
『物質の質量とエネルギーは、アインシュ
タインのE=mc²という式によって換算
できる』
これは、本書「ダークマターとダークエネ
ルギー」の章で紹介されている大変有名な
式についての解説です。
この式は、エネルギーは、質量と高速の
2乗の積に等しいことを表わしています。
多くの人がこの式に魅せられていることと
思います。私もそのうちの一人です。
この式が導く、その大きな功績について、
とても気になるのです。
ダークマターは、暗黒物質のことですが、
その正体は未知の素粒子「ニュートラリー
ノ」などが候補に挙がっています。
ダークエネルギーについては、宇宙を加速
膨張させていることはわかっていますが、
正体はまったくの謎です。
E=mc²は、この2つの事象の解明に
貢献していくことと思います。
先述したように宇宙誕生から138億年、
そして、今後、45億年先には、天の川
銀河とアンドロメダ銀河が衝突すると
予測されている。
人類は、この危機を乗り越えることが
できるのか?
もし宇宙の95パーセントを占めるダーク
マターとダークエネルギーを解明できれ
ば、異次元を含めた解決策を含めて、
この難解な危機回避の道筋が見えてくる
のではと願うところです。
物質とエネルギーを示すE=mc²、
その先に潜んでいる謎を解く式が新たに
見い出されることに期待したいのです。
私にとって大変大きな興味の対象である
ダークマター、ダークエネルギーと、
ビッグバン以前のインフレーション。
そして、それを起こした根源の現象に
対する興味は尽きることがないと
いえます。
夜空を見上げて、いつも思うのです。
この暗闇に輝く星々の群れに惹かれ、
時を忘れて立ち尽くしている人が、
きっと今この瞬間にいることを。
想いを共有できる人々が、
存在していることを。
謎を解く強い思い、物理学者たちの
熱い「真理の探究の営み」の存在、
その結果を待ち望む人々の存在。
全ては、謎を解く魅力に魅せられて
繋がっていると感じるのです。
そして、願っています。
この宇宙は、連綿と動きを止めない
存在であり続けてほしいと。
まとめ(「偉大なる発見」)
今回は、『物理のすべてがわかる本』
(科学雑学研究倶楽部編)について
お伝えしました。
『重力は別の次元に流出している!?』
これは、私が本書を手に取るきっかけに
なった言葉です。
この言葉から、なにを想像しますか?
3次元の空間に時間を加えた4次元を
イメージする人は多いのだと思います。
ぜひ、考えてみて頂きたいのが、宇宙の
すべてを説明できると期待されている
「超ひも理論」です。
ひも理論では、光(電磁気力)は、「開い
たひも」の振動、重力は、「閉じたひも」
の振動であるとされています。
ひも理論は、宇宙が26次元でなくては
ならないとするものであり、
超ひも理論は、10次元または11次元で
成立できるとしたものとのことです。
実に難解ですが、こうした理論を少し
づつ、自分の知識の中に取り入れていく
ことがとても大事だと考えています。
日常の問題解決をこなし、捌いていくうえ
で、この非日常的な問題を考える事の意味
は大きいといえます。
本書を読み進めることで、偉大な物理学者
たちの「真理の探究の営み」を知り、自分
でもいろいろと思案することの楽しさを味
わって頂きたい、そう思っています。
きっと、あなたの人生にとってプラスに
なるものと信じています。
ボアソルチ。
株式会社CSI総合研究所
代表取締役 大高英則
コメント