新しい人間観の提唱『人間を考える』

書評

『雨がふれば人はなにげなく傘をひらく。
この自然な心、素直な心のなかに、真実を
つかむ偉大な力がある。』

これは、本書『人間を考える』(松下
幸之助)に記されている著者の有名な
言葉です。

いつも心に留めておきたい
言葉のひとつです。

私には、もうひとつ著者の言葉で忘れる
ことができない言葉があります。

おそらく、生涯大切にしていくことに
なる言葉です。

『かつてない困難からは、かつてない革新
が生まれる。かつてない革新からは、
かつてない飛躍が生まれる。』

実に勇気づけられる言葉です。

私は、人生において高い目標を掲げるべき
であるとの強い思いで生きています。

其れ故に困難とは生涯同居する覚悟で
生きています。

高い目標を掲げるほど立ちはだかる問題は
大きいものです。

「もうだめかもしれない!」

幾度もそうした思いを抱いてきました。

そうした時に自分に向けて発するのは、
「もうだめだと思った時から物語は、
始まる!」です。

この言葉に支えられてここまで来たように
思います。

そして、著者によって語られた多くの言葉
の中で、最も自分に合う、肌に合う言葉が
あります。

それは、「素直な心」です。

そして、本書に出会い、さらにまた、
貴重な言葉を知りました。

人間観と人間道。

この限られた人生を限られた時間の中で
時めきながら生き抜くために、本書は、
とても貴重な教えの書となります。

一心に目標に向かっている方には、
とくにお勧めしたいと思います。

人生の岐路に立ったときに、
心の鎧を取り去り、心で本書の頁を捲って
頂きたい、そのように思っています。

きっと、輝くまだ見ぬ未来への扉を
拓くことができると思います。

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本書で学んだ素敵な言葉

衆知こそ、自然の理法をひろく共同生活の
上に具現せしめ、人間の天命を発揮させる
最大の力である。

(本書「新しい人間観の提唱」より)

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人間観について考える心を整いえたあなたへ

『新しい人間観に立って伝統を生かしつつ
革新へ、そして真の繁栄、平和、幸福を

これは、本書「新しい人間観の提唱」の章
において、最初に記されている言葉です。

著者の広く、奥深い心の意志を感じます。

「伝統を生かしつつ革新へ」

ここの意味合いが、とても大事だと
感じています。

変えるべきことと、その良さを理解し、
しっかりと生かして残すべきこと。

この感覚を持てるように精進することが
人生においてのひとつの責務であるよう
に思うのです。

人間観について、著者の考えを知り、
自分の心の奥で真に理解をし、
自分としての考えと行動に転化する。

そうした覚悟が整ったならば、ぜひ本書を
手に取り、著者の思考の蓄積を辿り、
「せきがくの旅」を始めて頂きたい、

と、そのように思っています。

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「人間観」から「人間道」へ進める著者の考え

『第一に大切なことは、人も物もすべてを
あるがままに容認するということです。』

あるがままに容認する

本書を手にした当時の私にとって、
この言葉は、実に新鮮なものに
感じたのです。

容認することを心がけることで、
自分がひとまわり大きくなれた
ように感じたのです。

それと同時に、視界が広がりました。

さらに著者は、以下の表現で思いを
深めていきます。

『人間の本性、特質というものは、
何ものにもとらわれずにあるがままに
これを認めることが必要です。』

そして、「自然の理法」の尊さが、
語られていきます。

『長い人間の歴史を通じて人間の本質を
推知することができると思うのです。』

こうした言葉によって、新しい人間観が
考察されていきます。

『人間道は、豊かな礼の精神と衆知にもと
づくことによってはじめて、円滑により正
しく実現される。』

ここで人間道の存在価値が提示されます。

著者の人間観から人間道へという真意が
以下に表現されています。

『新しい人間観にもとづく人間道とは、
人間の価値を真に生かし、同時に万物の
価値を真に生かす道でもある。』

この人間道について、もっと、もっと
理解を深めていきたい、そんな思いが
私の中で広がってきたのです。

著者の深い思いは、受け取る人によって
理解の方向性が変わってくると思います。

ぜひ、本書を手に取って、ご自身の体験と
照らし合わせて、考察を深めて頂ければと
願っています。

では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。

本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのかを、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。

【引用5選】

❶なぜ、新しい人間観を提唱するのか

「新しい人間観」によって一つの人間観を
提唱することの趣旨は、人間生活の上に、
物心ともに豊かな調和ある繁栄、平和、
幸福を逐次実現させていくというところに
あります。

❷宇宙というもの

人間がこの地球上に出現し、今日まで逐次
進歩の歩みを続けてきているということは
その根底にそれをなさしめた宇宙の生成発
展があり、その生成発展ということが宇宙
の本質でありそれが自然の理法なのです。

❸長久なる人間の使命

長久なる人間の使命は、人間みずからのす
ぐれた本質を自覚し、古今東西の衆知を集
めて、その偉大な天命を広く共同生活の上
に実践していくところにあるのです。

❹人間観から人間道へ

人間が王者であるという立場から、人や物
みないっさいに対して、いかなる考えで処
していくかということが、ここでいう人間
道なのです。

新しい人間観にもとづく人間道とは、人間
の価値を真に生かし、同時に万物の価値を
真に生かす道であると思うのです。

❺調和共栄をもたらすために

お互いの人間道というものを正しく見極め
またこれを体得しつつ、その人間道に立っ
て諸策を創造し、共同生活の上に真に調和
ある生成発展をもたらすことを深く念願し
たいと思う次第です。

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本書に私淑して私が思うこと

「人生観」は、人によって異なるもの、
それは、価値観とともに異なって良い
ものだと感じています。

そして、進化していくものでもあると
思うのです。

しかし、その際に大事なことがある。

それは、他者との良き共存が前提である
ということ。

そのためには、真摯に学ぶことが、
肝要であると思っています。

本書を読み進める中で、ひとつ、そうした
思いに通じる言葉を知りました。

「いっさいを容認する」

この言葉が、私をさらに大きくしてくれた

そのように感じています。

容認することと、そこに交わり、正しく
生きぬくために対策を講じていくことの
重要性を認識しました。

その為に必要なことは、やはり
勇気と覚悟であることを再認識
できたように思います。

これまでの自分の生き方の正しさを
認識できたように感じています。

本書に繰り返し私淑することで、
人間道に対する理解を深めていきたい
そのように思っています。

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まとめ(「人間道」)

『人間を考える』(松下幸之助)について
お伝えしました。

『青年、立志、晩年、人生の岐路に
三度読みたい本』

これは、本書の表紙に記された北尾吉孝氏
の言葉です。

私もそう実感しています。

続く次の言葉も実に意味深く感じます。

『ものごとの本質を考えることは、
その後の人生を変えていくものです。』

ものごとの本質は、いつも考えていたい
と思っています。

そのきっかけは、いつもすぐ近くに
あるものです。

それに気づくかどうかは、「意識」の
問題であると思うのです。

旅に出る、人に合う、書物を手にする等々

新たな事業に挑戦し、一歩人生を深める
ことで、その機会は訪れてきます。

本書から得た新たな気付きをしっかりと
受けとめて、勇気を持って、前に進んで
頂きたいと心から願っています。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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