ゆっくり考える『道元禅の言葉』

書評

『道元は、人生の見方を少し変えるだけで
自分にとって本当に大事なものがいったい
何であるかに気づくことができると教えて
くれる。』

これは、本書『道元禅の言葉』境野勝悟
記されている著者の言葉です。

自分を見つめ直す、良いきっかけになる
言葉だと感じています。

ゆっくり考える、ゆっくり生きる、そして
じっくりと人生を味わうことの素晴らしさ
を学べたように思います。

少しだけ見方を変えるだけで良いのです。

本書は、以下の章で構成されています。

・本当に大事なものに気づく
(少し見方を変えるだけで)

・悩みから自由になる
(捨てた分だけ楽になれる)

・自分の中から自身が生まれる
(ゆっくり、じっくり)

・生き方を考える
(迷いや悩みがすっと消える

ぜひ、ゆっくり読む、ゆっくり生きるを
実践して頂ければと願っています。

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本書で学んだ素敵な言葉

仏道をならふといふは自己をならふなり
現成公案げんじょうこうあん

仏教とは、自分を習うこと。自分の生命の
中に喜びを発見することであった。

(本書「道元禅の言葉」より)

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ゆっくり考えるべき時期にいるあなたへ

翠竹すいちくのなかより、発心得道するあり』
(発菩堤心)

これは本書「本当に大事なものに気づく」
の章において、記されている言葉です。

忙しく日々が、流れていく。

大きな志のもと、必死に一日、一日を
繰り返す。

目線は常に目標とする一点に集中し、
全力で進み続ける。

こうした時期があると思います。

私もそうした時期を自ら好んで過ごした
経験があります。

しかし、それは、深く生きては
いなかったように思います。

そのことを本書にある前述の道元の
言葉が教えてくれたように思います。

以下の解説が記されています。

『行き詰ったら考えるのをやめる』

『気づきはある日突然やってくる』

目にした瞬間、ふぅっと、
人生が広がったように感じました。

そして、自分というものを
信じれるように。

言葉とは、不思議なものです。

ほんの一言で、気持ちが落ち着き、
焦りが消え、心が穏やかになってくる。

理由は各々おありかと思いますが、
忙しく日々を過ごしている方には、

ぜひ、本書に綴られた100の言葉を
心に翳してみて頂ければと思います。

それでは、「せきがくの旅」を、どうぞ。

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「ゆっくり考え、ゆっくり生きる」著者の考え

『道元は、自分の生命は尊い大宇宙の生命
であることをまず悟り、だれもが宇宙の根
源の生命で生きていることをしっかり自覚

しなさい、

そこにこそ、自分がいまのままで自信を持
って自由自在に生きていく光を発見できる
と、その基本的な心得を教えてくれる。』

本書で知った道元のこの7行の言葉を
幾度も複唱しました。

「自分がいまのままで自信を持って自由
自在に生きていく光を発見できる」

この言葉に励まされ、前に進むことが
できたように思います。

思うような結果がだせないときには、
自分の下した決断に対して不安を
感じてしまうものです。

しかし、解決できるのは、結局は、
自分しかいない。

そして、その自分を信じ続けることが最も
大切なことであると諭してくれました。

道元は、鎌倉時代に生きた宗教者であり、
曹洞宗を開山した宗教哲学者です。

道元が著した「正法眼蔵しょうぼうげんぞう」は有名です。

しかし、難解ゆえになかなかその教えを
きちんと理解することができていなかっ
たようです。

本書は、現代の言葉に意訳されているため
非常に理解しやすくなっています。

ゆっくり読む、そして、ゆっくり生きる
そうさせてくれる嬉しい書といえます。

道元は、生涯の大師、天童山の如浄禅師に
出会い、仏とは、まさに日常生活の自分の
中に生きていることを発覚したと記されて
います。

そして、その道元から教えられたことは、
「変わらなくていい、自分を信じて、
進むことでいい」というものでした。

私は、そのように感じ取っています。

それは、道元の言葉が私に波動した
結果です。読み手によって、それは
ことなった形で波打つことと思います。

ぜひ、ご自身で体感してみて頂きたい
と思います。

では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。

本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのかを、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。

【引用5選】

➊今こそ必要な生き方

人間と宇宙は、一体である。
道元はそれを「天地同根」という。

人間の生命と宇宙の生命は、全く同じだ。
これを「万物一体」という。

❷本当に大事なものに気づく

桜の花を見に行く

花は年々に開くれども、
皆得悟するにあらず

毎年、同じように美しく咲き、しかし、
あっという間に散る。そこに宇宙の法
がある。

❸悩みから自由になる

自分を見つめる時間を持つ

坐禅とは、坐って静かに思う、坐って
静かに観る、ということ

静かな所で身をきちんとととのえて
深く、すーっと息を吐き出しなさい

そうして、しみじみと、この一息が
あるから、いま、自分は生きている。

この一息が、自分の人生のすべてを
動かしている、ということを静かに
思いなさい、静かに見つめなさい。

❹自分の中から自信が生まれる

時には、わき出てきた想いにしたがう

理屈を離れた所に、宇宙からのメッセージ
がある。

「何のため」というのではなかった。
「ただ、ひたすら可愛そうだ」の一念に
よった。

この一念こそ、万法(宇宙の生命)の促し
たものなのだ。道元は、それを「利行」と
いう。

❺生き方を考える

生きる指針となる言葉を持つ

道元は死期を感ずるや、最後の説法として
八大人覚はちだいにんがく」を説く。

少欲、知足、楽寂静権ぎょうじゃくじょう勤精進ごんしょうじん
不妄念、修禅定しゅぜんじょう、修知恵、不戯論ふけろん

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本書に私淑して私が思うこと

自分を信じることの尊さを、
多くの人に感じて欲しい。

それが、本書を読み終えた今、
私が一番に思うことです。

「人生の見方を少し変えるだけで、
本当に大事なものが見えてくる」

この言葉の響きのかけらが、一片、一片
心の深奥に降り積もり、価値感の波動が
静かに波打っていく。

それは、自分を信じる事であり、
人に優しく接することであるように
感じるのです。

本当に大事なものを見つけて欲しい、
気づいて欲しい、
そう願っています。

それは、本書をゆっくり読んで、
じっくり考え、ゆっくり生きることで
叶うように思うのです。

その表れ方は、ひとそれぞれに。

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まとめ(「禅の言葉」)

『道元禅の言葉』(境野勝悟)について
お伝えしました。

『目標主義と我見がけんを捨てないと、宇宙の
厚みのある生命体の価値は、見ようとし
ても見えない。澄みきった目で、自分の本

質的な生命を存分に見届けたい。』

最後に本書で知ったこの言葉をどうしても
記しておきたいと思いました。

「目標主義と我見」で生きてきた自分
だったように思います。

それが決して悪いことであったとは
思いませんが、視野が狭くなっていた
ように感じています。

本書に私淑し、そのことに気づけて
本当に良かったと思っています。

自分を変えることなく、広げることが
できたように、成長できたように思う
のです。

「本当に大事なもの」に気づく!

それは、とても尊いことです。

本書は、そのことに気付くための
きっかけを与えてくれました。

勿論、それは、私が感じたことです。

受け取り方は、その人の置かれた環境や
立場によって異なってくることでしょう。

しかし、多くの人に私が感じた思いを
伝えたい、そして、もし私と同じように
感じてもらえたのなら、それは、
とても嬉しく思います。

私は、寝る前と早朝に読書をするのが
習慣となっています。

ゆっくりと一日を振り返りながら、
少し先、そして、最終的に辿り着きたい
到達点を想いながら、

その支えとなってくれる本を
ゆっくりと読んでいます。

そして、そのまま夢の中へ、、、

本書の表紙にある次の言葉、
とても良いです。

「ゆっくり読む、ゆっくり生きる」

ぜひ、多くの人に知ってもらいたい、
実践してもらいたいと願っています。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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