『ファンクションを見抜く力が身につけば
状況を正しく分析できます。分析力があれ
ば、それまでの常識を逆転させることがで
きるのです。』
これは本書『ファンクショナル・アプロー
チのすすめ』(横田尚哉)の「まえがき」
に記されている言葉です。
「ファンクション」とは、機能、目的、
効用、意図のことであり、物事の本質
をさすとあります。
この「ファンクション」という言葉の力
に惹かれて、私の「せきがくの旅」は、
始まりました。
そして、本書から得た最大の財産は、
以下の解釈(自己解釈)です。
「最大理想から現実解を求める」
実現できるかどうかは別として、
最も理想的な解決策を考える。
そして、そこから実際に実行可能な
現実的な方法を逆算するという解釈
です。
「最終判断」をしなければならない立場
にある人であれば、この考え方にとても
惹かれ、そして、救われると思います。
ぜひ、本書に示されたファンクショナル・
アプローチの効果を体感して頂きたいと、
そう願っています。
本書は、以下の内容で構成されています。
・問題に対する視点と意識を変える
・実践ファンクショナル・アプローチ
・日常をファンクショナル・アプローチ
で考える
・目標に向かってとるべき進路を
見つけよう
本書で学んだ素敵な言葉
なぜ、抽象的にするかというと、人の感情
や作業の方法を限定したり示唆したりする
ことを避けるためです。
抽象化すればするほど、
本質に近づきます。
本書「第3章」より
ワンランク上の問題解決を目指す著者の考え方
『本書は、(中略)強烈な効果を引き出す
改善の極意をあなたの問題解決に使ってい
ただくために、あえて簡単にし、原理をわ
かりやすくお伝えするものです。(中略)
そして、ワンランク上の問題解決を目指し
ていただきたいのです。』
これは本書「まえがき」に記されている
言葉です。
「ワンランク上の問題解決」という言葉
が、実に際立ちます。
さらに、著者は、大変興味が湧く、
以下の言葉を示してくれました。
『ファンクショナル・アプローチの原理を
使えば、問題を見る視点が変わります。
問題に対する意識が変わります。』
問題解決者としての大変重要な能力を
高める手法であることが強調されてい
ます。
私は、この手法の準備、分解、創造、
洗練の過程にとても強い関心を持つ
ことになったのです。
では、本書の中で私が特に興味を惹かれた
箇所を引用しておきます。
◉本書に綴られた考え方を知り、自分は
どう考え、どう行動に活すのかを、
ぜひ、考えてみて頂ければと思います。
【引用5選】
❶問題解決がうまくいく4つの思考ルール
・固定観念にしばられず前回と違った方法
を試してみる。
・手段にこだわるのではなく、改善点に
焦点を当てる。
・見落とされている改善点を探す。
・過去を手放し、未来のあるべき姿から
発想する。
❷「なぜ?」という言葉を「何のために」
に置き換えてみましょう。
それだけで、視点を「過去」から「未来」
へと移すことができます。
❸手段志向よりも目的志向
「どう運営すればいいのだろうか?」
これが手段志向です。
ワンランク上のビジネスマンはこう
考えます。
「何のために運営すれば、
いいのだろうか?」
これが目的志向です。
❹相手の立場で考える
相手の立場で考える事で、改善点や解決
手段が広がります。
❺ファンクショナル・アプロ―チは、
価値向上のための管理技術
意識を変えることは、問題解決において、
極めて重要な一歩である。
(ローレンス・D・マイルズ)
本書に私淑して私が思うこと
『問題解決のためのより洗練された技能を
身に付けたい。』
『価値創造』のためのアイデアを生み出す
手法を身に付けたい。』
この2つが私の私淑、あるいは、親炙の
目的です。
本書は、その両方の目的を達成するために
とても役立つ書物であると感じています。
なかでも、以下の表現は、思考作業に
とても貢献をしてくれました。
◉「未来の具現化」
著者の解釈、解説はこうです。
『理想の状態を現実的な手段に具現化して
いく。一度理想的な未来を思い浮かべ、
そこから現在可能なレベルまで引き下げて
考えるのです。』
いかがでしょう?
とてもよくありませんか?
考えが進む、創造が進む、
私なそんなふうに感じています。
こうした著者の助言を私なりに解釈した
のが、『最大理想からの現実解』という
言葉です。
今回の「せきがくの旅」から、またひとつ
理想的な解決の知恵を得ることができた
ように感じています。
まとめ(「洗練」)
『アイデアを練って、練って、
練り上げる。』
これは、本書「5章」に記されている
著者からの貴重な助言です。
当然必要とされる姿勢なのでしょうが、
あらためて示されることで、改善意欲が
高まります。
私は、現状把握、原因究明、意思決定、
そして、リスク分析という問題解決思考
を碩学の方から親炙を受け身に付ける
ことができました。
さらに、次の段階、「創造」をテーマ
として、帆(歩)を進めています。
まだまだ中途の段階ではありますが、
本書から多くのことを学び、挑む意欲は
さらに増しつつあります。
本書から得た『三気の精神』(本気・
根気・勇気)を心に据えて、
眼前45度に焦点を合わせています。
「創造」の力を得ることができる本書、
「問題解決の技術ファンクショナル・
アプローチ」
おすすめです。
誰のために、
何のために
この視点で、読み進めてみて頂ければ、
と。
ボアソルチ。
株式会社CSI総合研究所
代表取締役 大高英則
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