VIVANT『神話の国』出雲から世界へ 心

興味

日曜劇場『VIVANT』最終話を終えた今も
ネットの考察記事は続いているようです。

「誰が味方で誰が敵か?」

このキャッチコピー、
とてもインパクトがあります。

凄い視聴率でしたね。

私も毎回録画ではなく、全てリアルタイム
で見ました。

今回のドラマでは、VIVANTの聖地
として島根県奥出雲町が注目されて
います。

その理由は、

役所広司演じるテロ組織テントの首謀者
ノゴーン・ベキ(乃木卓)の生家である
櫻井家があるためでした。

私は島根県人であるにもかかわらず、
奥出雲の山あいにある櫻井家には、
行ったことがなく、

第5話を見た翌日、早朝から車を走らせ
現地に向かうことになりました。

かなり山の中ですが、自然に囲まれた
とても良い所でした。

櫻井家の庭と、その周辺の滝と川が
なんともいえない緑の新鮮な世界で
覆われていました。

空気がとてもおいしい、神々の国に
相応しいロケーションです。

さて、VIVANTですが、私も最終話を
見終わった後からずっと、気になる事が
いくつもあります。

ネット記事の考察と同様、登場人物の謎が
解明されていないこと、続編への期待、
そして、もうひとつ。

それは、本ドラマの「製作思想」的な考え
を探ってみたいという私個人の思いです。

考察を進めてみたいと思います。

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本ドラマ「VIVANT」で印象に残った言葉

『日本には考えの違う相手を尊重する
美徳がある』

本ドラマ「ノゴーン・ベキの言葉」より

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登場人物の解明されていない謎

「誰が味方で誰が敵か?」

本ドラマ「VIVANT」の魅力は、何と
いってもこのキャッチの一言に表れて
いると思うのです。

登場人物の正体が気になります。

「実は、仮の姿で本当は?」と、
そう最初から思わせる人物。

あるいは、ドラマが進むにつれて、
「もしかしたらこの人物の本当の姿は?」
「え、そうだったんだ」等々、

驚きと期待を常に感じさせながら、
ドラマは進んで行きます。

各々振り返ってみると、必ずと言っていい
ほどの伏線がしっかりと張られていたこと
に気づきます。

これが、このドラマの一番の魅力に
感じます。

では、たくさん気になる事があるのですが
その一部について、考察をすすめてみたい
と思います。

❶別班乃木憂助(堺雅人)の
別人格”F”の正体は?

まずは、この「F」は何を意味している
のか?ということですが、ネットの
考察記事を見ると、

Future、Fail、Fighter、friend、
Father、等々、いろいろあります。

私の考察は、Futureです。

「未来」に導く、真の心。

善悪は心に導かれるため、シーンごとに
主人公が迷い、悩みながら選択していく
過程における「頼れる相棒」のような
存在(心)だと思うのです。

❷警視庁公安部外事4課捜査官
野崎守(阿部寛)の正体は?

野崎は、実は別班。
乃木より前からノゴーン・ベキを追い、
今は乃木を守る状況あると思っています。

野崎とジャミーンの関係が気になります。
なかなかジャミーンが野崎に懐いてくれな
いと感じるシーンがその根拠です。

ジャミーンは、父アディエルとベキとの
深い関係の中で、野崎を敵と感じるなに
がしかの体験があったように思います。

❸医師の柚木薫(二階堂ふみ)
の正体は?

アディエル、ジャミーンと出会った経緯が
はっきりしないので、迷うところですが、
潜入捜査で関わったように思います。

別班なのか、インターポールなのか、
実は、テントなのか。

続編であきらかになるのでしょうが、
「VIVANT」ポスターに映る真っ赤な
衣装から、ただの医師ではないことは
明らかだと思います。

真の姿で登場するときは、華麗な戦う
姿を見せながら乃木を窮地から救う、
そんなシーンを想像しています。

❹丸菱商事の長野専務
(小日向文世)の正体は?

一言でいうと、単なる不倫をしていた男で
終わることはないということです。

大学院へ通っていて、乃木が大学院時代に
別班に加わった経歴と一致していることか
ら別版の上層部であるように思います。

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「VIVANT」の台詞とそこに込められた思い

『日本には考えの違う相手を尊重する
美徳がある』

これは、本ドラマで俳優役所広司が演じる
ノゴーン・ベキの長台詞の中の言葉です。

この言葉に本ドラマで伝えたい強い思いが
含まれていると思います。

宗教、民族間の争いを避けて、平和を築く
為の唯一の考え方であるように感じます。

それが、日本というこの国が誇れる
大きな理由だと思います。

そのことをアジア中央のある架空の国と
日本を舞台に、歴史、民俗、宗教、国益
そして、人間像をダイナミックに混成し
形作った壮大な思想ドラマであるように
感じています。

「VIVANT」(生きる)
国家と人をテーマに物語は進んでいき
ますが、その根底には、「人の心」を
大事にしていることが良く伝わります。

「強い意思」のようなものを感じます。

では、本ドラマの中で私が特に興味を惹か
れた台詞を引用しておきます。

本ドラマのセリフに込められた考え方を知
り、自分はどう考え、どう行動に活すのか
を、ぜひ考えてみて頂ければと思います。

【引用5選】

❶あなたは鶏群の一鶴、眼光紙背に徹す

架空の国家「バルカ」へ向かう機内、
乃木が野崎の手を握りながら発した言葉。

「鶏群の一鶴」とは、多くの凡人の中に
1人だけ極めて優れた人物がいること。

「眼光紙背に徹す」は、表面だけでなく、
その背後にある真意を読み取ること。

(乃木憂助(堺雅人)「VIVANT」)

皇天親無く惟徳を是輔く
(こうてんしんなく、
ただとくをこれたすく)

天は公平で贔屓ひいきせず、
徳のある人を助ける。

(乃木憂助(堺雅人)「VIVANT」)

❸日本では古くからありとあらゆるものに
神が宿っていると考えられてきた。


神はひとつではないという考えがあること
で相手の宗教にも理解を示し、違いを超え
て結婚もする。

日本には考えの違う相手を尊重する
美徳がある。

(ベキ(役所広司)「VIVANT」)

❹この美しき我が国を汚すものは、
なんぴとたりとも許さない。

命に従い、お前を排除する

(乃木憂助(堺雅人)「VIVANT」)

❺全て先を見越して行動する、
それが仕事の基本だ

(野崎守(阿部寛)「VIVANT」)

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「VIVANT」の製作思想(心)から私が感じたこと

本ドラマで一番に注目したのは、勿論
「誰が味方で誰が敵か?」

そして、もうひとつ、
「神々の国出雲から世界へ」

「人の心」を大切にした、「生きる」こと
の意味を大事にしたドラマ制作の思想が
あるように感じています。

「VIVANT」という言葉に託された多くの
意味を紐解いていきたいという興味が深ま
っていき、それは最終話を終えた今も消え
ることがありません。

ドラマを視聴した多くの人が、同じ思いで
いることと思います。

これは、凄いことだと思うのです。

ドラマ終了後にここまで注目を維持し、
ここまでネットで考察記事が投稿されて
ていることは、かつてなかったように
思います。

それは、原作・脚本・演出を手掛ける
福澤克雄監督の壮大な構想があった故
のことです。

人の心、信念の重さを感じさせられます。

島根を「VIVANT」の聖地として、
世界に発信するという構想に、
強く惹かれました。

「神々の国」出雲は、世界に発信する本元
としてとても相応しい場所です。

たたら製鉄の文化と歴史、鉄と稲作との
関係、国作りの歴史等々、ここ出雲は、
世界に誇れるものの宝庫とえます。

農業が関係していることは、バルカでの
ノゴーン・ベキ(緑の魔術師)の働きに
通じます。

私は島根県人ですが、出雲という国と
歴史、特に古代史について、深い知識
がないままでした。

しかし、あるきっかけから、とても
聡明で凛とした古代史に詳しい人に
出会ってから多くのことを学びました。

それは、この国の歴史であったり、
他国との関係であったり、
人の進化の過程であったり。

ドラマ「VIVANT」が世界に発信される
過程で、こうした過去と望まれる国と人
の未来に対して理解が深まることを願っ
ています。

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まとめ(「VIVANT」生きる心)

今回は、ドラマ『VIVANT』福澤克雄
監督についての考察についてお伝えし
ました。

『敵か味方か、味方か敵か
―冒険が始まる』

これは本ドラマのキャッチですが、
本当に素晴らしいですね。

惹きつけて、いつまでも
心を離さない魅力。

その心の奥深くに秘められた思想と
仕組まれたレトリック。

「VIVANT」という言葉が、常に
頭から離れない。

こうした興味と感動の世界が作り出され
た時空間に居合わすことができたこと、
ただただ、感謝するのみです。

ドラマ「VIVANT」に託された思いが、
ここ聖地島根から世界の多くの人に、
伝わることを願っています。

ボアソルチ。

株式会社CSI総合研究所
 代表取締役 大高英則

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